大手メッセージサービス会社が海外に管理委託 「0076夜 気になるニュース、情報管理」
今朝、気になるニュースがありましたので、早速題材にしようと思います。
冷静に考えてみましょう
まず、ニュースのリンクを紹介します。多分、当分(数ヶ月か年単位)リンク切れにならずに残ると思います。LINE 中国にシステム管理委託 技術者が個人情報アクセス可能に (2021年3月17日NHKニュース)
個人情報保護法の問題になる可能性がある事案だそうです。確かに、利用していない人の方が少ないくらい、多くの人が利用しているサービスでの話です。「個人情報が外国に漏れてしまうのは大問題だ」と感じる人が多いのは無理のない話だとは思います。
では、どうするべきか、と考えるために冷静になってみましょう。
再発は防げるか?と考えてみましょう
記事によれば、この会社は社内委員会を設けて改善する、と表明しています。個人情報保護法の問題になる事案が再発しないように努めるということでしょう。
さて、それでは、この会社に限らず、私たちの個人情報をたくさん持っているであろうIT企業、通販企業、金融機関、教育機関などなどが同様の問題を今後起こさない保証はあるでしょうか。
大きな会社は、自ら人員を確保して顧客情報管理を責任持って行うより、外注してコストを削減したいという誘惑に常にかられているはずです。「その方が儲かる、得する、金銭的に利益が出る」という方向性にかられてしまうのは企業としては当然だからです。外注先は国内が良いか、海外が良いか、「儲け」を考えれば答えが出てしまうでしょう。
あるいは、「国内発注をしたくても国内は人手不足なのだ、だから海外発注するしかないのだ」ということもありうるでしょう。
「国内は人手不足だ」というのはつまり
「日本人はこの仕事をやってくれないから、海外からの労働力に頼らざるを得ない」というのは、IT系以外でも聞く話です。IT系だと本当に人手不足もあるかもしれませんが、実は働く側からの視点では、能力や仕事の大変さに見合った報酬が得られないから、その仕事で働く意欲がわかない(その仕事で職を得られるよう技術を獲得しようとするモチベーションが沸かない、そのためにIT企業で必要な能力を持つ人材が(人数的に)充分育たない)ということではないのでしょうか。
再発は防げるか?という話に戻ります
短期的に再発は防ぐのは難しいかもしれません。それは、「外注したほうが安い」という状態が解消されるまで続くのだと思います。
しかし、中長期で考えたときには別の問題の方が先にやってきてしまうかもしれません。筆者は悲観論者ですから(笑)、そのことに言及しておきます。
「外注したほうが安い」という状況から、「外注するのは安くない」「(お金がないから)外注したくてもできない」という状況に将来的には変わっていくのではないかということです。多くの人にとって安くはないスマートフォンを維持し、手軽にメッセージサービスを利用するということが、できなくなるのではないか、ということです。
皆が、当たり前のように携帯電話・スマートフォンを持ち、そこでの情報サービスを享受するということが、経済的に困難になっていくのではないかという懸念です。
つまり「国内で何千万人の人が利用するサービスの個人情報管理の問題」など、起こしたくても起きようがない、携帯電話・スマートフォンなど高嶺の花で、そんな高価なものは一部の成り金しか持ちたくて持てないという時代の「再来」です。
日本人の所得が減り、人口も減り、ごく一部の成り金たちはスマートフォンを維持しているのかもしれませんが、その時はきっと海外サービスにどっぷり依存していることでしょう。「情報管理の海外委託」なんて全く問題にならない時代になるでしょうね。
2021年3月17日のコメント
今日も「パソコン」から少し離れましたが、携帯電話・スマートフォンも、領域だと思っていますので、話題にしてみました。
肝心なことを書き忘れました。基本は「ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を信用しない、利用しても利用されない」というスタンスだと思います。
それでは、また明日。
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