「0094夜 Python(パイソン)にあらずんば…?」
新年度になり、ちょっと目につくのがプログラミング言語Python(パイソン)の話題です。早速はじめましょう。
雑誌の特集とか、高校必修教科書とか
コンピュータ系の雑誌は、新年度ということで、入門特集や、新人研修ネタが掲載されています。何が特集されるのかと言えば、プログラミング言語Pythonが定番化している印象です。Pythonの概要については、あまりご存じでない方は、「Python Japan - プログラミング言語 Pythonの紹介」などをご一読くださればと思います。筆者も昨年のコロナ禍を機会に、数冊の入門書に取り組んでみました。随分昔のことになりますが、C言語はすぐに投げ出してしまいましたが、Pythonは今後もおつきあいできそうな感じです。
さらに、来年から高校で必修になる「情報I」でもPythonが教えられるそうで、さらにもう少し頑張ってみたいと改めて思いました。ご参考「0089夜 高校生に『情報』教育」
ただ気になるのは、「Pythonにあらずんば…」という雰囲気です。Pythonは他の言語に比べて、高校の「必修」教育では、適しているかもしれませんが、専門教育なら他の選択肢も必要でしょう。
個人的な感想です
「電子メールの使い方を覚える」、「Office製品(ワードプロセッサー、表計算ソフトウェア、プレゼンテーション作成ソフトウェア)の使い方を覚える」、「インターネットを利用できるようになる」などと違い、「プログラミング言語を覚える」ことは万人に必要とされる訳ではないと思います。小学生対象のプログラミング教育や高校生対象の「情報I」が必修化されることには基本的に反対の立場です。
ただし、興味を持つ児童・生徒・学生がプログラミング言語を修得しようとすることは結構なことだと思いますし、充分な支援環境があって良いと思います。
さて、Pythonを皆が学ぶようになるのだとしたら、実行環境をどうするのかがまず問題になるはずです。大手経済紙系のコンピュータ雑誌的な発想だと、皆がWindowsパソコンにAnacondaをインストールして、Jupyter Notebook上でコードを打ち込んで実行するということになりそうですが、それで良いのでしょうかねぇ。
昨年、丁度Ubuntu(Linuxディストリビューションのひとつ)のLTS(長期サポート版)リリースタイミングでしたので、筆者はLTS更新前によく考えずにインストールしたAnacondaはやめて、Anacondaのインストールされていない環境で必要に応じてJupyter Notebookを使用するようにしています。「Anacondaがないとできないこと」、「Jupyter Notebookがないとできないこと」と「それらがなくてもできること」の区別を教育現場で教えるのは難しいでしょうから、きっとAnacondaがインストールされたパソコンで一斉授業が行われるのでしょうか。つぶしのきかない「教育」になってしまいそうです。
2021年4月4日のコメント
Pythonを修得するためには、ライブラリの利用が欠かせなくなるはずです。目的を達するためには適切なパラメータの設定が必要ですが、そうなるとプログラミング技術の修得というより、ライブラリーの利用方法というHow to(ハウトゥ)に近くなってしまう筈です。それで、学期末試験に穴埋め問題など出されるのでしょうか。何か本質的でない領域に入ってしまいそうです。
今日も雑駁な話になってしまいました。お許しください。
それでは、また明日。