読書でたどる近況
『よき時を思う』を読み、我が「よき時」とはどんな時だったのかに思いを巡らす。
すでに鬼籍に入っている人たちとの語らい、
そこに入る前にもう一度会っておきたいと思う。
やはり「よき時」は喪失感を伴っている。
著者は夢幻能の世界を表現したかったそうだ。
気になっていたSF小説『三体』3部作を読みきり、
黒暗森林 上 下
死神永生 上 下
400年以上を超える人類の長大な時と宇宙の姿の物語。
我らの住む宇宙と別な姿の宇宙があるのだろうか。
『自分の感性くらい自分で守ればかものよ』
詩人の朗読会があるので、
読み返すと、詩人の言葉に
「とある宇宙」からのメッセージを感じるのは我だけだろうか。
朗読会の登壇者の驚くほどのカラフルで独創的な「人類」に驚嘆する。
「こりゃ、この人たちは生き残るな」と感心する。
Amazonで『三体』(第1部)を見終えて、
三体ロスでポカっとあいた心のスキ間を埋めるように、
短編集『<あの絵>の前で』、
まだ触るとやけどしそうな感情の石ころにつまづく。
よろける頼りない脚運びで
書店に向かい衝動的に買ってしまった本たち。
「逃げても逃げてもシェイクスピア」
「瞬時に言語化できる人がうまくいく。」
「ChatGPT時代の文系AI人材になる」
「絶対内定2026 自己分析とキャリアデザインの描き方」
いったいこのチョイスはどういうことだ?
我が内面の振り子の揺れはどうなっている?
途中でやめていた『塞王の楯』を読み進めている。
ああ、この身をささげる生き方をしてみたものだ。
本棚の『銀河を渡る』と『記憶する体』の背表紙が気にかかってしょうがない。
ちゃんと仕事はしている。
でも、身が入らない。
暑いせいか?
Amazonとディズニー+の
ファンタジー物の映画やドラマを見続けて「何か」を待っている。
突然舞い込んだ仕事を集中して半日でこなす。
この集中力が麻薬のようだ。
この感触を忘れていた。