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あのミットに向かって2nd 54話(114話)「絶望」

バタッ


監:森田!!!!!!!!!!!


拓:〇〇!!!!!!!!


西:森田ぁあああああああああ


春:〇〇君ーーーーーーーーー

ジャッジ:What?

観客:ざわざわ


実況:何が起きたのでしょう…
9回表、1アウトで東峰高校の4番、ジャッジ選手を空振り三振に打ち取った後ピッチャーの森田選手が突然倒れました


史:え…………


◯母:〇〇ーーーーーーーーーーーーーー

◯父:〇〇ーーーーーーーーーーーーーー

ダダダダダダーッ


さくら:かっきー😢

遥香:うん…😢



審:救急班!!!!!!!!
急いでタンカーを!!!!!!!!!!!


ダダダーッ

救急班1:大丈夫ですか!!!!!
聞こえますか!!!!!!!
森田君!!!!!!!!
聞こえますか!!!!!!!

意識がない…脈も薄い…

拓:!?

監:…………

救急班2:早く運ぶぞ!


せーの!1・2・3


〇〇が乗せたタンカーはバックヤードに素早く運ばれていった…


球場は騒然としていた


ウ:両校の選手は一時ベンチにお戻りください
観覧されているお客様はそのままお座りください


ガラガラガラガラーーーー


〇〇:…………

救急班:早く病院へ!

史:〇〇!!!!!!!!!

◯母:〇〇!〇〇!〇〇!

◯父:○○!


救急班:危ないです!どいてください!

◯母:その子の親です!

救急班:そしたら一緒に救急車に乗ってください!


監:麻衣!今すぐ病院に向かってくれ!

麻:はい!

さくら:麻衣先生!私達も連れていってください

遥香:お願いします!

監:時間がない!よろしく頼む

麻:わかりました

行くわよ


拓:なんでだよ…
まただ…
去年と同じじゃねぇかよ…

大:くそっ…

春:やっぱりおかしいとおもったんです

西:なにが?

春:昨日から異変はあったんです
言葉というか態度もそうなんですけど
どこか覚悟を決めてるような

監:……

佑美:あの時止められていたら…

○○:大丈夫ですよ
最初から飛ばしてただけなんで

佑美:グスッ

監:おい!お前たちまだ試合は終わっていない
言ったよな
何があってもゲームセットを聞くまではいつも通りプレーしろと

ここまで森田が繋いでくれたんだ
それを無駄にするつもりか

立て…

グラウンドへ行ってこい

カタッ

カタッ

監:今は目の前の試合に集中しろ
これで負けたら
森田に顔が立たないぞ

勝って報告するんだ

監:九条、あと1人
頼めるか…

九条:はい…
必ず抑えてきます




〇〇は救急車で甲子園球場の近くの病院に運ばれ、集中治療室に入っていった

史:〇〇…なんで…なんでよ…うわぁああああああ

◯母:史緒里ちゃん…

◯父:今はアイツが無事に戻ってくることだけを祈ろう…


そして、5時間後

シュン…

◯母:終わったわ!

ウィン

◯母:〇〇の容態は!?

執刀医:なんとか一命は取り留めました

◯母:はぁ…

執刀医:しかし…
〇〇君はこのまま意識が戻ることはないと思われます

史:え…………

◯父:それは本当なんですか…
嘘ですよね?嘘だと言ってくれ…

執刀医:これは本当のことなんです…
それほどまでに身体が…

◯母:あなた…グラッ

◯父:大丈夫だ、アイツは必ず戻ってくる
そんなやわなやつじゃない!俺たちが育てた子だ必ずアイツは戻ってくる


史:〇〇が戻ってこない…
うそだよね…〇〇…

史緒里は受け入れられない現実に思考が停止する





あの後雷道高校は交代した九条が最後の1人をアウトに取り東峰高校に2ー0で勝利した

試合終了後、雷道ナインは急いで病院へ向かった


拓:〇〇は!!!!!!


さくら:一命は取り留めたそうです

雷道ナ:良かった…

さくら:でも、もう…もう…グスッ

美月:どうしたの?

さくら:〇〇君は…意識は戻らないそうです…

全員:!?


雷道ナ:えっ…

佑美:さくらちゃん、嘘ついてる?
嘘ついてるなら許さないよ

遥香:ホントなんです
もう〇〇君の意識は戻らないと先ほど言われました…


拓:ウソだろ…

大:なにしてんだよ…

春:健吾君!

大:部屋はどこだ?

遥香:401号室

ダダダーッ


監:遠藤と賀喜、もし隠していることやわかっていることがあるのなら俺に話してくれ

これは大事なことだ
森田がなぜこうなったのか
アイツは何を考えていたのか
これは監督として、いや、生徒を預かっている身として知らなければならない
親御さんにも話さなければならない

2人には背負わせて申し訳なかった…


2人:うわぁああああ

監:大丈夫だ!
森田は強いやつだ
必ず戻ってくる


2人はあの日話されたことを全て監督に話した。


監:そうか…
この話を森田の親御さんに話せるか?

さくら:はい…
話させてください

遥香:〇〇君との約束なので


ガラガラガラガラ!

拓:〇〇!!!!


◯母:〇〇はそこに眠っているわ…


大:おい!〇〇!起きろ!起きろや!
何勝手に寝てんだよ!ふざけんな! 

麻:大谷君!

大:コイツはいつも勝手なんすよ!
都合の良いことばっかり言いやがって
チームの為とか言って毎回毎回俺たちに迷惑かけてるだけじゃねぇか!隠し事ばっかりしやがって

こっちの身にもなれよ!


拓:…………


春:…………


大:どんだけ俺達はお前に振り回されれば気が済むんだよ!起きて答えろよ!どうせ!起きてんだろ!
なぁ!いい加減にしろよ!

なぁ…起きろよ…😢

ガシッ(布団を掴む)


雷道ナ:グスッ


大:〇〇、約束したよな!
甲子園絶対優勝するって!
監督胴上げするって!
俺はお前の事…絶対に許さないからな…

俺はマウンドで待ってるからな…


ダダダーッ


麻:大谷君!!!!


拓:麻衣ちゃん、そのままにしといてくれないか?

麻:………

拓:〇〇、まずは報告だ
東峰高校には勝った。
スクバーとジャッジには謝ってもらった
全て悪かったと…

グスッ

俺も健吾と同じくお前が戻ってくると信じてる

それまで雷道は俺達に任せてくれ

お前の分もチーム全員で背負って戦う
俺たちは負けない

いつかお前が起きた時にまたバッテリー組もう

また報告にくる

春:〇〇君、僕はどれだけ〇〇君に助けられたか
数えきれないほど
絶対に僕たちは負けない
また〇〇君の声を聞かせて
マウンドで語る〇〇君を…
僕もそれまで頑張るから
だから〇〇君も絶対に戻ってきてね
約束だからね


雷道ナインはそれぞれが言葉を伝えた後部屋を後にした


監:森田君のお父様、お母様、そして史緒里さん
いつもお世話になっております。監督の片岡です

◯母:こちらこそ

◯父:息子がお世話になっております

史:…………

監:すみませんが少しお話をよろしいでしょうか?

◯母:はい…

監:遠藤、賀喜入ってこい

さくら:私は雷道高校のマネージャーをしています遠藤さくらです

遥香:私も同じくマネージャーの賀喜遥香です

◯母:いつもお世話になってます。〇〇の母です。

さくら:こちらこそお世話になってます

遥香:お世話になってます

さくら:〇〇君のことでお話があります…

さくらは震えていた

遥香は震えているさくらの手を握った🤝

さくら:〇〇君は私たちにある約束をしたんです


48話(108話)「key」で隠された話


〇〇:本当はさ、俺二重人格全然治ってないんだわ

さくら:え?

遥香:うそ

〇〇:結構これまで隠してきたけどそろそろ限界っぽいんだ。

さくら:共存してるって…

〇〇:まぁそれはそうなんだけど
あれには続きがあって…


〇〇2:共存するのは構わないがお前が俺に干渉しすぎると今度は本当にお前自身が戻らなくなるぞ
共存できる回数は出来て5回だ
それ以上干渉するとお前は…

〇〇:やる!やらせてくれ
俺には守らなければならない人がいる
約束した奴らがいる
それが達成出来るならなんだってしてやる

5回あれば十分だ


さくら:その話、嘘じゃないよね?

〇〇:ごめんけどホントなんだ

遥香:残り何回残ってるの?

〇〇:2回かな

さくら:もう2回しかないの?

〇〇:そうだね

遥香:もう使わないで良いよ!

さくら:そうだよ
使わなくていい!
使わないで!

〇〇:2人には悪いけどもう決めたんだ
次の試合で使い切る事を

2人:!?

さくら:なんで!

遥香:どうして!

〇〇:ジャッジとスクバー2人とあった日から決めてたんだ
というかこの試合のために残された2回だったんだと
何としてでも勝ちたい

それにもう身体も保ちそうにないんだ

2人:!?

さくら:もしかして今もきついの?

○○:そうだね…

遥香:それなら次の試合投げるのやめようよ
そして病院にいこう?
ね?

○○:行かない
行ったら二度と野球ができないと言われるだけ
それくらい自分の身体だからわかる
お願いだ!投げさせてほしい


史:…………

◯父:そんな話が…

さくら:そして私は○○君にどうしてそこまでする必要があるの?
あの2人に何があるのと聞きました。


〇〇:俺はアイツらを止めないといけない
野球というスポーツを馬鹿にしているアイツらに本当の野球を教えてやりたいんだ


さくら:と話していました。
その後、この話は他の誰にも話さないで欲しいと頭を下げられました。
何度も…


特に史緒里さんには話さないでくれと…


ガン!


さくら:ウッ

遥香:さくちゃん!


史:なんで!なんでよ!なんでよ!!!!
なんで話してくれなかったの!!!!
話してくれたらやり方があったかもしれないでしょ!!!!

〇〇が苦しんでいるのならなぜ助けなかったの!
あなた、〇〇から信頼されてたんでしょ!
約束したわよね!もし〇〇に何かあったら助けると!


さくら:私もそうしたかった!助けたかった…
助けたかったよ…
でも、〇〇君は覚悟を決めていたんです

史:!?


〇〇:俺がここまで決めたのには理由があって
これは史緒里への禊なんだ

2人:!?

○○:俺は史緒里にたくさん迷惑をかけてきた。
遠距離恋愛に二重人格と史緒里は我慢してたと思う
学校を休んでまで俺に付き合って、いつも心配してくれて
自分の事のように喜んでくれる…

嬉しかった…でもそれが苦しかった
俺が耐えられなくなった…
俺はもう二度と史緒里の悲しむ姿を見たくないんだ
俺がかけていい迷惑なんてもうないんだ
迎えに行くとは言ったけど本当は俺にその資格はないんだよ


史緒里は俺なんかにもう構う必要はないし、自分の好きなことをしてほしい。幼少期のころからずっと一緒だった。
俺はずっと好きだった
でも史緒里には俺なんかよりいい人が世の中には沢山いる

史緒里には幸せになって欲しい…


アイツは優しいから迷惑かけていいよって言ってくれる。

でも俺がそれを許せないんだ


だから…このことを…許してほしい



史:うあぁああああああああああ!!!!!!!

〇母:グスッ

○父:……

さくら:グスッ

遥香:グスッ


史:私は〇〇しかダメなの!〇〇が好きなの!〇〇しか愛せないの!
なのに…なんで…なんでよ…

私は迷惑かけて欲しいの…

なんで私だけ取り残すの?
もう私を悲しませないって言ったよね?

ねぇ、〇〇…○○、応えてよ…
お願い…帰ってきてよ

お願いだから…帰ってきてよ…

〇〇:……………


さくら:本当にごめんなさい…
遥香:ごめんなさい…


◯母:2人には辛いことを背負わせてしまったわね
ホント馬鹿な息子…
でも、〇〇らしいわ
これだけ野球を愛して、チームメイトに愛されて、好きな人も出来て、周りに話せる人がいる
親として誇らしいわ

◯父:あぁ
大丈夫だ…〇〇は必ず目を覚ます

だからマネージャーのおふたりさん

2人:はい

◯父:〇〇のことは私たちに任せてください。
〇〇が目を覚ますそれまで絶対に負けないでとお伝えください。
マネージャーも大事なチームメイトです。決して試合に出てないからじゃない。試合に出なくても心はいつでもグラウンドにいてください
選手たちはいつもそのつもりで戦っています
○○は不器用なやつです

これが一生懸命考えた結果だと思います
でも、まだ生きている

だから選手の方にもお伝えください

○○は必ず起きると…


2人:はい!わかりました!


◯父:片岡監督、後はどうかよろしくお願いします

よろしくお願いします…

監:はい…その気持ちしかと受け止めました。
必ず優勝して報告に来ます

◯母:よろしくお願いします😢


監:では、失礼します

さくら・遥香:失礼します


◯母:〇〇、バカな親でごめんね😢ナデナデ


○○が意識を失ってから3日が経過し
明日決勝が行われることになっていた

この3日
多くの人が○○のもとに訪れた
美波に蓮加に

凪高校の生徒

そして
この2人も…

スクバー:失礼します

ジャッジ:失礼します


史:ギロッ

スクバー:お見舞いに来ました

○母:ありがとね

スクバー:ありがとうはこちら側が言わないといけないんです

○父:どうして?

スクバー:○○君に野球というものを教えてもらったので

ジャッジ:あの試合、最高だった
負けたけど楽しかった

だからお礼を言いに来た

スクバー:そうです


○父:○○の思いは伝わったんだな
野球は一人だけではできない
9人集めて初めて野球なんだ
世界にはたくさんの野球人がいる

またどこかで会えるだろう

○○も最後まで戦いたかっただろうし
君たちもまたやりたいだろ

ジャッジ:YES

スクバー:はい

〇父:アメリカからわざわざ日本にやってきて、こうして巡り会えたんだ。次また戦えるそのときまで練習をしてくれ

野球をやってさえいればどこかでまたきっと会えるから

スクバー:はい、ありがとうございます。

ジャッジ:Thank you.


史:私はあなたたちが嫌い

スクバー:わかっている…

史:嫌いだけど一つだけ


”また○○と野球をして”


2人:!?


〇母:ふふっ

スクバー:あぁ…絶対に約束する

ジャッジ:次は負けない

スクバー:○○、またどこかで…


○母:史緒里ちゃんは怒ってはいても
野球を知ってるからわかることもある
それに○○ならそう言うと思ったからでしょ?

史:そうですね…
そう言ってくれって言われたような気がして


○○…

○○が目を覚ますまでずっとそばにいるから安心してね



🤝(ギュッ)



そして、〇〇はというと…

夢の中で目を覚ましていた
そして目を覚ますと目の前には○○2がいた

To be continued…

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