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あのミットに向かって2nd 44話(104話)「初球」

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7日目第3試合
2回戦で東京同士の戦いになりました

1塁側、東東京代表 凪高校
センバツのベスト8です

そして、
3塁側、西東京代表 雷道高校
去年の準優勝校です

両校は秋に対戦があります

その時は凪高校が勝利しています

なんと言っても注目は雷道高校の2年生エース森田君ですね

解説:そうですね

森田君が凪高打線をどう抑えるか楽しみです

実況:一方で凪高校は3年生の美馬君ですね
センバツでも活躍していました

解説:全国でもここまでのバッターはそういません

私個人としては美馬君は左打者としては全国1・2を争うと思います

実況:そうですか
いずれにしても目が離せませんね


史:〇〇が紹介されてるよ

梅:もう全国でも注目されまくりだね

岩:〇〇君が全国にバレちゃう…😢

史:なんで蓮加のものになってんのよ

梅:史緒里から見てさ、アメリカいた時の〇〇と比べて今の〇〇はどんな感じなの?

史:ん〜〜〜😕

言葉を選ばずに言うと…


「本気を出していない」かな?

岩・梅:えっ!?

梅:マジで言ってる?

史:コク

というか出しきれていないと言った方が近いと思う

まだ7割くらいだと思ってるんだよね

梅:なんなのアイツ

岩:本気が発揮できたら?

史:………


誰にも止められなくなる


梅:史緒里は見たことある?
〇〇の本気

史:あれが本気だったのかわからないけど
あの時は、メジャーの人達もビックリしてた

梅:そんななんだ…

(作者:この話はまた何処かで…

もしかしたら高校卒業したらメジャーに誘われるかもよ

史:メジャーね…

岩:どうしたの?

史:いや、〇〇バカだし
中1の英語ですら危ういのに行けるんだか

梅:それは言えてるね

岩:そんなになんだ

梅:ビックリすると思うよ

嫌いになるかもよ

岩:それは見てみたい

史:呆れて教えるのやめたもん

岩:それなら史緒里が通訳になればいいじゃん
史緒里、頭良いんだし

梅:それはあるけど
ある程度は話せないとね

史:〇〇ならジェスチャーでどうにかなりそうな気もするけどね

梅:凄い動いたりしてね笑

岩:それは見たいな
めっちゃ面白そう

梅:あ、始まるよ


スタメン

雷道高校        凪高校
1番、遊、西野疾風   1番、二、澤匠
2番、中、町田春一   2番、左、内田歩夢
3番、二、橋本静哉   3番、中、美馬宗一郎
4番、捕、御幸拓也   4番、一、山沢秀明
5番、右、小笠原世那  5番、遊、松川聖一
6番、左、大谷健吾   6番、捕、岡頼威
7番、一、高津真一郎  7番、三、角涼夜
8番、三、村上和真   8番、右、高島祐樹
9番、投、森田〇〇   9番、投、天宮光聖

監督:片岡剛喜     監:山田博満
記録員:若月佑美    記録員:柴田柚菜

佑美:美馬君が3番にきたね

拓:少しでも多く対戦させようって事だろうな

〇〇!大丈夫か?

〇〇:ふぅ〜

拓:緊張してんのか?

〇〇:ん?なんですか?

拓:おい、聞いてないのかよ

〇〇:すみません
集中してたので

拓:そうか…
ならいいわ

佑美:〇〇君大丈夫?

拓:あれはやる時だな

佑美:そうなの?

拓:もしかしたらがあるかもな

佑美:本気で言ってる?

拓:大マジ
ゲームセットまで楽しみにしといて

佑美:あ、うん
(この大舞台でやったら本物だよ
しかも前回負けてるからね

監:………

拓:全員集合

ダダダーッ

拓:試合前に改めていうのは辞めておこうかと思ったけど言う、

俺たちは前回負けている

雷道ナ:!?

あの悔しさから約1年間練習してきた

そして、ここまでやってきた



俺たちは誰だ?



雷道ナ:!?


王者雷道!!!!


拓:だよな

俺たちは超えていく

行くぞぉ

雷道ナ:オォーーーーーーーーーーーーー


監:気合い入ったみたいだな

雷道ナ:はい!

監:天宮はいいピッチャーだ
だが、成宮ほどか?

雷道ナ:🙂‍↔️

監:俺たちはあの成宮に勝ってきたんだ

お前達の…

全力を出して来い!

雷道ナ:はい!

実況:いよいよ始まります
13時45分試合開始です

審判団が出てきました

それを見て選手達がベンチ前に出てきました

始まるようです

両チーム:しゃあ!

ダダダダダダーッ

観客:パチパチパチパチ👏

審:只今から凪高校 vs 雷道高校の試合を始めます!

礼!

両チーム:しゃっす!

さくら:〇〇君初回大事だからね…🙏

遥香:あの話を聞いて驚いたけど同じ仲間だから
だってここまでチームを引っ張ってきてくれたんだもん

絶対に〇〇君はやってくれる


〇〇:ふーっ
(1年ぶりの甲子園のマウンドのはずなのに緊張してない
むしろワクワクしてる
不思議だな

よしやるか…


史:もしかして!

〇〇:みなさん!
1年ぶりに帰ってきました!甲子園
この日のために誰もが汗水流して死に物狂いで練習してきた事でしょう
それが報われる時です!
やることは今までと変わりません!

森田〇〇 第二章の始まり


ガンガン打たせていくんでバックの皆さんよろしくお願いします!


春:噛まずに言えたね

西:上出来じゃねぇか!

小笠原:頼むで!


ウ:1回の表、凪高校の攻撃は
1番、セカンド、澤君
澤:よろしく

拓:こちらこそ

(初球だな
狙ってくるぞ…

甲子園にいる奴らそして相手にインパクト与えるためにもいくか…


〇〇:マジっすか…
まぁ俺もそのつもりでしたし


拓:ならいいじゃねぇか




解禁

綺麗な真っ直ぐを投げるお前だからこそ

活きる変化球

改良に改良を重ね続けて完成した

カウント8



"スプリーム"


ンァ!!!!


シューーーーーーーーーー


澤:今日全員で決めた
狙うは…


真っ直ぐ!!!!!!


ガッ

澤:ゾワッ


〇〇:サード

ムラっち!

村上:パシッ、シュッ


ダダダダダダーッ


小笠原:パァン

審:アウト!!!!


〇〇:しゃあ

雷道ナ:しゃあ

実況:初球攻撃もサードゴロ
1アウト

わずか1球で先頭打者を打ち取りました


麻:初球から…

しかも成功させてくるなんて


〇〇:新球種はスプリットとツーシームを合わせ持つ球種なんですよ

回転数はフォーシームより少し落ちはするんですけど

フォーシームの回転数が高ければ高い程この球種は活きるんです

麻:自分の回転数知ってるの?

〇〇:アメリカいた時にラプソードという機械を教えてもらって使ってみたんです
そしたら最高で2400rpmあったんです

麻:平均は…
プロだと2260rpm…

えっ!?プロより高いの!?

〇〇:そうらしいんですよ

だからこの球種は2000rpmくらいなのであまり差がわからないんです

調子が悪い時のフォーシームと思っていただければ

麻:それで変化すると…

〇〇:だからフォーシームを待ってる打者に対してバットの下に当てさせる
俺が求めた変化球なんですよ

麻:でもどうやってあまり知られていないスプリームを見つけたの?


翔平さんに〇〇なら投げられるよって言われたので

麻:それで挑戦して投げられたと…

〇〇:はい…

麻:(〇〇君はこの歳で本気で世界を目指しているのかも…

〇〇:球速もそこまで落ちることなく、シュート回転しながら落ちる

今の俺の真っ直ぐが145km/hくらいなんですけど

スプリームは142km/hくらいは出るので

初見だと見分けつかないと思います

麻:楽しみだわ


凪監:今、落ちたのか?

澤:そうですね…
途中までは真っ直ぐにしか見えませんでした

凪監:今まで投げてなかった新球種をしかも初球で投げてくるとは…

あのバッテリーからしたら

意識しろよ

って言われてるみたいだな

美馬:打席で確認します

スパァーーーン!

実況:空振り三振!!!!

内田:なんなんあの球💢

みたことない軌道してんだよ!

ただでさえ頭にはチェンジアップあるのに
また意味わからない球種投げられると…


凪高校にとって
この新球は大ダメージとなっていた


拓:しっかり指にも掛かってるし調子いいな



ウ:3番、センター、美馬君

美馬:やっと戦える

拓:お手柔らかに

美馬:こっちのセリフだ

実況:さぁ注目の対決となりました
森田君と美馬君の対戦
1打席目
どちらに軍配が上がるのか

初球

シューーーーーーーー


ギュン


スカッ

パァン

実況:初球空振り1ストライク

美馬:(この速度でこの変化

ふーっ

拓:振ってきたな


実況:2球目

シューーーーーーー


スパァーーーン


審:ットライク!!!


実況:アウトコース、ビタビタに真っ直ぐ
2ストライク

制球力が素晴らしいですね

解説:同じくらいの球速で2種操る
森田君は底が知れませんね


〇〇:最後は

美馬:ゥッ


グワン


美馬:相手のいいようにさせるかよ


美馬はギリギリ残した体勢で捕えようとした。




ストン

美馬:!?

スカッ

拓:ザッバシッ


実況:空振り三振ーーーーーー
美馬のバットが空を切りました
スリーアウト!!!


〇〇:しゃあ!!!!!


実況:森田、3人でしっかり抑えました
そして美馬君との対決も
1打席目は森田君に軍配が上がりました


美馬:………


拓:ナイスボール

〇〇:あざっす

でも、次から対応してくると思います

拓:だろうな
でも、させねぇから

〇〇:お願いします

拓:1球で対応されちゃ意味ないだろ
ここからは俺のリードが試されるってことだ

燃える🔥

〇〇:あんなエグいリードしといて

拓:お前も打たれたくないと思ってるかも知れないけどキャッチャーはピッチャーよりも打たれたくないんだよ

自分のリードが間違えたってことだからな

〇〇:なんか深いですね

キャッチャーってそういう生き物だから

拓:やってみたらわかるよ
この気持ち

〇〇:俺には無理ですよ


凪監:どうだった

美馬:絞るしかないですね

でも、対戦するからには本気でいきます

凪監:そうこなくてはお前じゃないからな


ウ:1回の裏、雷道高校の攻撃は
1番、ショート、西野君

西:シャッス

天宮:やっぱりアイツ進化してんなぁ
2年だろ?
化け物かよ

俺も負けられねぇよな

春はベスト8

去年夏は怪我で出ていないけど
藤巻相手に惨敗

俺たちは甲子園に来て一度も満足なんかしてない

でも強豪校と渡り合ってきた今なら言える

「俺たちは強い」

くすぶってきたお前らとは違うんだよ!

ゴパッ


西:!?


ギュィーーーーン


スパァーーーン

審:ットライク!

西:ふーっ
相変わらず変化あるな

シューーーーー


タッ

審:ボール

岡:珍しいここまでの2球振る気配がまるで感じない
いつもは初球からガンガン振ってきていたのに
気味悪い

春:疾さんは元々選球眼あるのに無理に打っていた感じがするから…


春:疾さん!
疾さんって選球眼あるのに初球からガンガンいきますよね?

西:自分でもわかってるんだけどさ、振りたくなるんだよな
しかも1番だろ?
1番が積極的に振るのが当たり前じゃないのか?

俺はボールを見極めることが性に合わないんだよ

春:そうですか…
でも、初回からじっくり攻められるのも相手からしたら嫌ですけどね
いつもはガンガン振ってくるのに
いきなり振らなくなると

拓:何話してんだ?

春:疾さんの話です
選球眼をもっと使ったらどうですか?って

拓:俺もそれは思う

西:そうか?

拓:俺が疾風と対戦するなら早打ちの方が嬉しいまである

投手のスタミナも少なくて済むしな

西:!?

パンチ力は今のままでいいと思うんだよ

塁に出たら実質2塁打だし

でも、いつも早打ちのやつが急にボールを見出すとキャッチャーは違和感を感じる

それで調子を崩したりもする

特に対戦したことあるバッテリーなら尚更

試しに毎打席で変えてみたら?

意外と効果あると思うぜ


西:2人に言われてやってるけど
言われてわかる
相手の調子やリードの傾向

これもありかもな

シューーーーーー


パァーーーン

審:ボール!フォア!

天宮:クソ

岡:ストライクゾーンだけ手を出してきた

実況:7球投げさせてフォアボールを選びました

解説:いや〜これは相手からしたら嫌でしょうね

春:流石ですね 疾さん

監:西野にはこういうしつこさを求めていた
ここにきてようやく気づいたな

拓:あの足は塁に出すだけで神経使いますからね


春:次は僕の番だ


雷道は先制することができるのか


To be continued…

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