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A.一杯のかけそば
最近雨多くないですか?
雨は好きなんですけどたまにが良いです。
基本的に晴れ男なので。。笑
今年も梅雨がやって来て
また台風の季節がやってくるんでしょうか?
お怪我のないように。。
今日はそんな台風の思い出と
しんみりほっこりしたお話の
答え合わせになります。
好きな方はぜひ、ではどうぞ
2019年10月13日
カメラロールのこの日の写真を見て思い出した。
この日食べたのは
『一杯のかけそば』じゃなくて
『一杯のきつねうどん』だ。
多分、聞き覚えがあったので
栗 良平さんの
一杯のかけそばを引用したんだと思います。
知っていますか??
しんみりほっこり系のお話です。
一杯のかけそばは各々読んで
いただくとして、今日は
一杯のきつねうどんのお話を聴いてください。
大学1年生の頃だったと思います。
東京へふらっとひとり旅をした事がありました。
地元は田舎なので
東京へは修学旅行くらいでしか
行った事はありませんでした。
そんな東京へ昔から地元で可愛がってくれた
兄のような存在に会いに行きました。
1週間程滞在したのですが
その人は既に仕事をしていたので
日中は本当に1人でぷらぷらと
東京散策をしていました。
そこで人生を変える大切な出逢いも
ありましたがそれはまた後のお話。
その東京滞在期間は台風とバッチリ
予定が重なって
嵐の前の静けさから
大嵐の最中や
台風一過まで
余す事なく味わう事ができました。笑
大雨でずぶ濡れになるのは
好きなので良いのだけれども、
台風の影響によって
電車の運休が決まった事は誤算でした。
友達の仕事もその影響で休みになりました。
前日、僕は東京で迷って友達の家まで
辿り着けずネットカフェで一晩を明かしました。
翌朝、午前7時には店を閉めるから
それまでに会計を済ませて欲しいと
部屋にかかって来た電話で目を覚まし
会計を済ませ朝から電車に揺られ
友人宅の最寄り駅まで帰りました。
たったの1日の外泊だったのに
家出少年の親のように心配してくれた
友達は朝から最寄り駅まで
迎えに来てくれていました。
予報通り、雨風の激しい台風でした。
家路を急いでいる途中
『朝ごはん食べたの?』
と聞かれ、
『まだ食べてない。』
と答えました。
こんな台風でも早朝から灯りの点いた
『そば・うどん』の
看板が目につきました。
2人で雨から逃げるように入店すると
同じようにずぶ濡れで蕎麦を食べている
お客さんが2人ほどと
たった1人で麺を茹でる店主が居ました。
友達の奢りで僕はきつねうどんを
注文しました。
出てきたきつねうどんには
甘辛く煮た油揚げが
何故か2枚乗っていました!
写真ではどう見ても1枚だったので
1枚追加されている事は確認できましたが
間違いだったり、自分以外のお客さんには
していないサービスだったら
気まずいので何も言わずに
ありがたくいただきました。
でも、間違うはずもない程大きなきつねが
意図的に乗せられていたのでアレは
やはり店主の
『こんな雨の日に来店してくれてありがとう。
こんな嵐の中だけど今日も頑張れ!』
のこもったきつねだったと思います。
こんなに大嵐でずぶ濡れなのに
心配してくれる兄(仮)と
無償の優しさを分けてくれた店主。
人のありがたみが心に沁みました。
コレが僕の人生で1番心に
残っている一杯のきつねうどんです。
コレ以来、自分も人に何かを与えるような
人間になりたいと思いましたし
不遇な人、頑張っている人には
陰ながらそっと支えてあげられるような
人間になりたいと思い今日まで生きて来ました。
その思いは今も強く胸に刻み込まれて
いるのでコレからも大切にしたいです。
コレを読んだ貴方が
温かい夜を迎えられますように。
にしもつ いちぺい