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OODA、運動学習3段階説、エコロジカルアプローチ、戦術的ピリオダイゼーション

なんとなく、思いつきでコーチングで大事そうなこと。

PDCAではなくOODAで戦う、選手・チームになる。

OODAとは
・Observe(観察):状況を観察し、情報を集める。
・Orient(判断・方向付け):観察した情報をもとに、瞬時に状況を整理し、次の行動の方向性を決める。
・Decide(決定):行動計画を決める。
・Act(実行):計画を迅速に実行する。

スポーツになぜOODAが必要か:スポーツはカオスでフラクタル

スポーツは「動的で予測不能なカオスの連続」です。

特に、バスケットボールは時間の流れが速く、予測不能な変化が多い。相手のディフェンスがマンツーマンからゾーンに切り替わったり、ターンオーバーから一瞬でトランジションが始まるなど、事前の計画だけでは対応できない。
→OODAは、こうした「即座の対応」を可能にするフレームワーク。

→明確な戦術の中で、その場その場で正しい判断を即座にチームで行えるチーム

以下、OODAの利点
(1) カオスな状況に即応できる
PDCAでは「計画(Plan)」が事前に必要ですが、スポーツでは相手や状況が刻々と変わります。
OODAでは「観察(Observe)」をスタート地点とするため、変化する状況に即応できます。

(2) 瞬時の意思決定を重視する
スポーツでは事前に計画したこと(Plan)通りに動けないことが多々あります。
OODAはその場の状況を最優先に考えるため、試合の中でベストな判断を下せます。

(3)適応力と一貫性を両立できる
OODAを繰り返すことで、選手が自発的に状況に適応し、一貫性のある判断を行えるようになります。



[選手に求める姿勢]

・ABCの葛藤

A:自分の理想の選手像(ゴール目標地点)

B:今、求められる選手像

C:今の自分の選手像(現在地)

→Aに辿り着くために、現在地と理想とのギャップと向き合い葛藤していくことを求めました。


・50-50を創出し続ける

→絶対にできること、これはあまり面白くありません。絶対にできないことを目標にしてもワクワクしません。できるかできないかわからないことへの挑戦課題を常に持ち続ける。できるようになって楽しい、勝って楽しいももちろんですが苦難やできないことも楽しめるチームでありたい。


・コミュニケーション

→勝つために必要なコミュニケーションはもちろん必要。ただ、それだけじゃなくてチームメイトのテンションを上げるにはどうするべきか、ミスをした選手にここからどうなって欲しくてその瞬間にどんな声かけをするのか、といったコミュニケーションを形成していく。


・味方のターンオーバーにスプリントバックする。


・とにかく真剣に、自分の成長と向き合う

→たとえ何回も連続でミスをしても、シュートタッチが悪くてエアーボールをしても、イージーショットを外してもそれは受け入れる。ただ、本気で自分の成長と向き合うこと。それだけ。


[練習方法]

運動学習の3段階:エコロジカルアプローチ(スキル習得の最適化)

運動学習の三段階(認知、定着、自動化)を意識した練習メニューを採用

①認知の段階

ウォークスルーや、そこだけにフォーカスできるようにハーフコートなどでやり方、考え方、最終的なゴールを整理する。

②定着の段階

制限(特別ルール)付き5on5⇨エコロジカルアプローチ(制約主義アプローチ:現実の試合のような複雑な状況を練習中に意図的に作り出す方法)

→繰り返しのない繰り返しを意図的に作り、それを処理していく力を身につける

(例)クローズアウトシチュエーションでボールを受けることは何度もあるけど、毎回同じクローズアウトではないし、目の前の相手も、クローズアウトの大きさも、周りのスペーシングも、DFの疲労度も、シュートが入っている味方の選手も、その瞬間では何もかも違う。その中で、その瞬間のベストを探すという処理をとにかくゲームの中で繰り返すことによって、ようやく[クローズアウトのオンボールシチュエーションの能力]と言うものが身につく。

③自動化の段階

その能力やベストな判断を、ゲーム中に意図せず瞬間的に出せるレベルになるには5on5を繰り返すしかない。


[戦術に関する話]:戦術的ピリオダイゼーション

選手全員が同じ戦術理解を共有し、試合中に一貫性のある判断を行うこと。一般的な戦術というものよりもかなり広義に捉えた戦術である。

・ゲームモデルやプレー原則を中心に捉える

・その中でバスケにおける4局面を明確に意識すること

オフェンス/ディフェンス/ポジティブトランジション/ネガティブトランジション


局面の整理、の1番広い部分

バスケで勝つための4条件
A:自チームのPPPをあげる
B:自チームのポゼッションを増やす(減らさない)
C:敵チームのPPPを下げる
D:敵チームのポゼッションを減らす(増やさない)


局面1:オフェンス

とにかくショットを打つことを目的にし、その期待値を段階的に上げていく

・HIGH% OPEN SHOT(A)

→PPP 1.0以上

・Continue the Successful Offense(A)

→成功しているオフェンスを継続する

・3pts試投数(B)、成功率をあげる(A)

→ロングリバウンドになりやすい3ptsを積極的にうち、オフェンスリバウンドの期待値を挙げつつトランジションDFも優位に行う。シューテングの量を圧倒的に増やす。

・NO LIVE TO(B,D)

→ハーフコートDFを行えないようなOFの終わり方をしないこと


局面2:ネガティブトランジション(OF→DF)

ボールストップを最優先にし、マッチアップマネジメントを行う。相手のトランジションオフェンスに対する危機感を常に持って。

・Sprint back (C)

→相手ボールになる可能性が高い時はとにかくバックコートへ戻る

・BALL MAN/PLUGGER (C)

→ボールプッシュに対してはボールマンDFとプラガーでボールをストップ

・マッチアップマネジメント (C)

→ミスマッチが作られやすいトランジションの中で、ボールを遅らせ可能な限り早くマッチアップをマネジメントする。

・Stop Easy 2/3pts (C)

→レイアップと(特にシューターの)トランジション3ptsを止める

トランジションOFを出されやすいシーン
・タフショットを打った時
・トランジションオフェンスの後
・ターンオーバー時 等



局面3:ディフェンス

基本的にはパックで2点を消し、シューターはケア、残りはクローズアウトシチュエーションを戦う

・Pack (C)

→ペイントへの侵入を防ぐ、ビッグがヘルプに出ないように(インサイドオープン、リバウンドのケア)

・BOX OUTの徹底 (D)

→ポゼッションを増やさない。特にゴール下のセカンドチャンスは圧倒的にOF有利。

・Second Chance DF(C)

→BOX OUTしても相手に取られるシーンはある。その次のDFの徹底をする。そこできちんとマッチアップできないと次のリバウンドも取られる。

・オープンをつくられても絶対にクローズアウト(C)

→DF中オープンなところができても絶対に最後までクローズアウトを諦めない。

局面4:ポジティブトランジション(DF→OF)

アウトナンバー、1on0~3on2まではトランジションOF

4on3からはトランジション、アーリーOF、ハーフコートOFの判断をする。

アウトナンバーは積極的にアタック、3ptsを狙うこと。


・Corner sprint(A)

→stretch D


・4on3~のディシジョン

→トランジションOFは失敗した時に相手優位のトランジションOFが始まるので、無理なプッシュはせず、確実なオープンショット、DFができるOFを選んでいく。




[まとめ]

OODAサイクルを核に、カオスな試合環境でも迅速かつ最善の判断を行える選手を育成。

運動学習の三段階でスキルを基礎から自動化まで磨き上げる。

・エコロジカルアプローチで試合環境に対応できる応用力を強化。

・戦術的ピリオダイゼーションでチーム全体が一貫した戦術を共有し、勝利に向けた判断を迅速に行う。

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