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【投資ノウハウ】岸田新政権、4つの成長戦略と株式市場

 10月4日、岸田文雄自民党総裁が第100代首相に就任しました。株式市場では「ご祝儀相場」と呼ばれるように、新首相が誕生すると、政策期待も相まって株価が上昇することがあります。
 しかし、今回は異例の船出となりました。日経平均株価は、10月6日まで12年ぶりとなる8日連続安、岸田新首相は、いきなり手荒い洗礼を受けた格好となりました。
 10月31日には、2017年以来4年ぶりの衆院選が待ち構えています。衆院選が終われば、岸田首相が会見等で述べている「数十兆円規模の経済対策」の策定が本格化します。
 今回は、岸田新政権そして衆議院選挙を見据えての株式投資について考えてみましょう。

岸田政権、成長戦略は4つの柱

 岸田首相は、10月4日の就任記者会見で、新しい資本主義を実現していく車の両輪は、成長戦略と分配戦略と述べました。
 成長戦略については、「科学技術立国」、「デジタル田園都市国家構想」、「経済安全保障」、「人生100年時代の不安解消」の4つについて注力していくと発言しました。

 また、8日に行われた衆参両議院での所信表明演説では、成長戦略の第1の柱として「科学技術立国」を挙げており、岸田首相が掲げた4つの柱の中心は「科学技術立国」となりそうです。
 
 まずは、「科学技術立国」について株式投資の観点からみてみます。

成長戦略①科学技術立国

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 「科学技術立国」についての岸田首相の記者会見等をみてみると、クリーン・エネルギー戦略、人工知能、量子、バイオなど先端科学技術への積極的な投資を行うと述べています。やや範囲が広すぎる感がありますが、2050年までのカーボンニュートラル実現、世界的な脱炭素の流れからも、クリーン・エネルギー戦略は注目度が高いです。
 この分野での代表的な銘柄がレノバ(9519)です。同社は、風力、バイオマスなどの再生エネルギーによる発電・開発そして運営を行っています。
 また、電力・エネルギーシステムなどを扱う明電舎(6508)、日立製作所(6501)、東芝(6502)なども恩恵を受けるでしょう。
 石油・ガスのイメージが強いINPEX(1605)も、太陽光発電や地熱発電の事業に取り組んでおり、再生エネルギー銘柄という側面も持っています。この他にも、出光興産(5019)、ENEOSホールディングス(5020)なども、再生エネルギー事業を進めています。
 また、AIや量子の分野では、ソニーグループ(6758)、富士通(6702)、NEC(6701)などが注目されるでしょう。

成長戦略②デジタル田園都市国家構想

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 次に「デジタル田園都市国家構想」です。同構想は、地方からデジタルの実装を進め、新たな変革の波を起こし、地方と都市の差を縮める、というものです、
 まずは、インフラが重要になるので、NTT(9432)、KDDI(9433)、ソフトバンク(9434)などが注目されます。
 ただ、同構想はインフラ整備が目的ではなく、DX、スマートシティへと展開していくものです。このため、データ通信やシステム構築事業などを行う、富士通(6702)、NEC(6701)、NTTデータ(9613)なども物色の対象となりそうです。

成長戦略③経済安全保障

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 3番目は「経済安全保障」です。これは、戦略技術や物資の確保、技術流出の防止に向けた取組を進め、自立的な経済構造の実現を目指すものです。
 新型コロナウイルスの影響から、サプライチェーンの混乱、世界的な半導体不足や国産ワクチンの開発の遅れなど、これまで見えてこなかった課題がみえてきました。この分野は、「科学技術立国」とも絡みますが、半導体関連のアドバンテスト(6857)、東京エレクトロン(8035)などが注目されるでしょう。

成長戦略④人生100年時代の不安解消

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 4つ目の「人生100年時代の不安解消」というのは、賃金や雇用面への不安を指してのことですから、リクルートホールディングス(6098)などが物色の対象となりそうです。

コロナ関連

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 また、岸田首相が就任演説で最初に述べたことは、新型コロナウイルスに対する、スピード感のある対応でした。引き続き、新型コロナウイルス関連にも多くの予算が割かれるでしょう。
 製薬でみれば、経口コロナ薬を開発中の中外製薬(4519)、塩野義製薬(4507)などは注目されます。また、コロナに罹患し、重症化した場合、最後の砦の役割を果たした人工呼吸器ECMO(エクモ=体外式膜型人工肺)を手掛けるテルモ(4543)、人工呼吸器の増産を決めた旭化成(3407)にも追い風が吹きそうです。
 なお、岸田首相は、衆院選が終われば経済再開を後押しするために「Go Toトラベル」に動き出すことが予想されます。ANAホールディングス(9202)、日本航空(9201)、JR東海(9022)、JR東日本(9020)、HIS(9603)などの旅行関連株も買いを誘いそうです。

まとめ

 政権の発足直後は、相場の洗礼を受けた岸田首相ですが、同政権が本格的に動き出すのはこれからです。コロナ禍を経て、経済が本格的に再開するタイミングでもあり、政策と相まって株価上昇が期待できる銘柄もありそうです。株式投資には、いいタイミングになりそうです。

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