【鉄拳】プラクティス入力操作履歴の1F問題
前回の記事では6n6+ボタン技の先行入力について解説しました。
この中で「鉄拳シリーズではボタンを押した次のフレームから技が出ている」という話が出てきましたが、「鉄拳7ではこの点、修正されていて、入力操作履歴とフレームが一致するようになっている」とも書きました。
前回記事の時点では要調査という感じで終わっていましたが、この点、もうすこし詳しく調べてみました。
入力操作履歴機能
まず、入力操作履歴(以下、キー履歴)の機能がついている鉄拳シリーズの家庭用タイトルは下記のようになっています。
キー履歴機能があるタイトル
鉄拳2(PS)
鉄拳3(PS)
鉄拳6(PS3)
鉄拳タッグ2(PS3)
鉄拳7(PS4)
キー履歴機能がないタイトル
鉄拳タッグトーナメント(PS2)
鉄拳4(PS2)
鉄拳5(PS2)
鉄拳5DR ONLINE(PS3)
※鉄拳(初代、PS)はソフトが手元になかったため未調査
※PS系ハードのみ表記、複数ハードに移植されているものは省略
古くはPS版移植の頃からある機能ですが、なんと、鉄拳タッグトーナメントから鉄拳5DRまでのかなり長い間、省略されていたようです。
今回はこれらの古いタイトルと比べて、現在(鉄拳7)はどう異なっているのかを調査します。
コマコンを用いての調査
コマコンを使ってキー履歴がどのような挙動をするかを調べました。
コマコンを用い、LPを押してから9F後にRKを押してみる
コマコンを使って、下記のような入力をします。
LP 1F
☆ 2~9F
RK 10F
各タイトルのキー履歴と比較すると、下記画像のようになります。
やはり、鉄拳タッグ2以前ではキー履歴は技の実発生より1F速く表示されており、鉄拳7では実発生と一致するようになった、ということが分かります。PS4版とSteam版で差はないようです。
また、個人的に「オンライン対戦の快適さを維持するためにオフラインモードに仕込まれている1Fのラグを食い潰したのではないか」という仮説を立てていたのですが、鉄拳3でも1F速く表示されることから、これは否定されました。
そもそも「ラグを食い潰した結果、キー履歴だけが1F遅れる」というのもよく分からないですしね。
キー履歴が1F速く表示されるのは「プログラムの癖みたいなもの」と考えるのが合理的です。
追い突きのガード硬直に虎身肘を確定させる
これは前回の記事でも試しました。追い突き(ガード12F)のガード硬直に虎身肘(発生11F)を確反として入れてみます。
今回はコマコンを使い、最速入力の虎身肘を決めてみます。
6 1F
☆ 1F
6 1F
6LP 1F
PUNISH表示によって確定したことがわかりやすい、鉄拳タッグ2、鉄拳7のみで試しました。
これを見て気づくことは、「鉄拳7の表示の方が実態に即している」ということです。
鉄拳タッグ2以前の表示では、硬直の最後の1Fに2回目の6入力が入っており、これを「0F目」と呼称したり、「最後の1Fだけは先行入力が可能(しかもどんな入力でもOK)」と解釈したりしていましたが、鉄拳7の表示では単純に硬直が切れた1F目であると考えられます。
この方がシンプルな解釈(仮説)です。
硬直表示(フリーズシグナル)の挙動を確認する
「硬直の最後のフレームは明転して表示される」という仕様について、鉄拳7で変更がなかったかどうかを確認します。
※ジャブの全体硬直については、いずれも27Fであることを確認済みです。
硬直の最後の1Fは明転して表示されるという点は変わっていないようです。
結論
「鉄拳タッグ2以前のキー履歴表示は間違って1F速く表示されてしまっており、鉄拳7で正しい世界になった」と考えるのが妥当と思われます。
鉄拳タッグ2以前のシリーズでは、コマンド履歴の方が実ゲームの進行より1F速く表示されてしまっていた。
つまり、
・キー履歴は入力を受け取ったフレームに画面に表示する
・ゲーム内の実データは入力を受け取った次のフレームから解釈・実行する
……という仕様になっていたようです。
※なぜこのような仕様になっていたのかは不明です
我々はキー履歴を信じていたので、「硬直の最後のFだけ先行入力を受け付けている」という結論に達したりしていましたが、そのキー履歴がそもそも間違っていたくさいな、ということです。
(まさかキー履歴に裏切られるとは……)
※前回記事の一部の記述も、今となっては間違っています
キー履歴の機能が鉄拳8でどうなるかは分からないですが、現行の仕様で特に問題がなさそうなので、今後もそのまま行くのではないかと予想しています。
家庭用が発売されたら、また調べてみようと思います。