【鉄拳】忌怨風まとめ
一八の忌怨拳(3RP)カウンターヒットから、霧足最速風神拳(6n3RP)を地上ヒットさせて浮かせるテクニック、それが忌怨風です。
忌怨拳カウンターヒットの時点で大ダメージが見込めるのですが、そこからさらに最風が地上で当たるとなると、わりとシャレにならない減りをします。
※鉄拳シリーズでは地上コンボにダメージ補正がかかりません
今回はこの忌怨風について、フレーム構成や出し方のコツなどについて解説していきます。
忌怨風の歴史
忌怨風のコンボとしての基本構造は、忌怨拳が新技として登場した鉄拳タッグトーナメント(1999年稼働)の頃から変わっていません。
忌怨拳の発生フレーム、カウンターヒット時の地上ヒット可能な有利フレーム、霧足(最速)風神拳の発生など、すべて同じです。
ただし、忌怨拳自体の性能にはもろもろ調整が入っているので、強さという意味ではかなり差があります。
たとえば鉄拳タッグ時点ではカウンターヒットでよろけになるにはクリーンヒット(≒密着ヒット)が条件で、しかもしゃがみヒット時には崩れ状態にならないという調整でした。右横移動で比較的簡単にかわすこともでき、クリーンかつカウンターヒットを取ることはなかなか難しい技と言えるでしょう。
鉄拳4では、かなり横に強くなりましたが、相変わらず非クリーンヒットになりやすく、魔神拳ヒットからのコンボパーツ用かな……といった印象もありました。
実質的にはクリーンヒットの廃止された鉄拳5からが、忌怨風の本領発揮と言えます。
また鉄拳タッグトーナメント2では忌怨拳がホーミングアタックに設定されました。
忌怨風のフレーム構成
忌怨拳は発生14Fで、カウンターヒット時、地上で13Fまでの技を確定させることができます。
2022年(鉄拳7)時点では、続けてWP(絶影拳、発生12F)などを出せば簡単に地上ヒットさせることができます。
打点の都合で上段技は当たりにくいですが、一部の体格の大きいキャラ(ファーカムラム、マードック、ギガース、ジャック7、熊・パンダ)には4LPRP(速疾號打、発生11~12F)も入ります。
なお硬直フレームを確かめるために3RKRK(踵切り、発生13~14F)を使うのはやめた方が良いです。13F目で当たって地上ヒットしたり、14F目で当たって空中ヒットしたりとバラつきます。
さて、ここに霧足入力で最速風神拳を出すと、6n3RPで入力に最短3Fかかり、発生は11Fなので、入力完成から技が発生する……と考えればピッタリ13Fとなり、地上ヒットの硬直に間に合うことになります。
忌怨風のタイムテーブル
忌怨風のフレーム進行を表にあらわすと下記のようになります。
※このタイムテーブルは鉄拳7準拠のもので、鉄拳タッグ2以前では1Fズレます。詳細は前回記事を参照。
忌怨拳の全体硬直は46Fで鉄拳タッグ時代から変わっていません。
カウンターヒット後、硬直明けのフレームで「6」を1F入力、その後「n」を1F、「3RP」を1F……と入力して霧足最速風神拳の完成。13F目で地上ヒットします。
注意点として、霧足(6n)の先行入力はできません。
これは三島使いでも勘違いしていることがありますが、昔からこの仕様で、忌怨風は猶予Fなし、いわゆるビタの入力が求められるコンボです。
なお、「6n」系のステップが先行入力不可能なのは霧足以外でもおなじで、レイの龍声系の技を出すためのステップ(6n)、リーのミストステップ(6n)も先行入力が利きません。
ただし、「6」入力自体を先行入力期間から長めに取ることは可能です。硬直明け1F目にだけ「6」が入っていればOKです。
忌怨風入力のコツ
ビタの入力ということが分かったところで、忌怨風が難しいことには変わりありません。
特にキツいのが「『6n』を1Fずつ入力」という部分で、仮に忌怨風に挑戦して100回に1回成功するとした場合、うち95~98回くらいはこの入力ができていないことによる失敗でしょう。タイミングはある程度数を撃てば当たるものですが、入力自体ができていなければ絶対に成功しません。
※先述のように「6」方向にレバーが複数F入っていても成立するため、「タイミングよくレバーを放す」としてもOKです。
この成功率を上げるためには「6」を1Fだけ入れる練習をすれば良いのですが……困ったことに、鉄拳のプラクティスモードの機能であるキー履歴表示では「レバーやボタンを何フレーム入力したか」という情報が可視化されていません。自分の入力がどうなっているのか正確に知りたければ、キー履歴を60fpsで録画してコマ送りするなどし、「実際に6に何F入っているのか」をちまちま調べるしかないでしょう。
そこで、本格的に入力の練習をしたければ、この情報が可視化されている他の格闘ゲームをプレイする手があります。SteamならばUNDER NIGHT IN-BIRTH、PS4ならばVirtuaFighter esportsなどです。
また、一八の場合は霧足という特殊な技があり、「6n」と入力して「6」に奇数フレーム入っていれば左に、偶数フレーム入っていれば右に軸移動します。このため「6n」をなるべく短く入力してみて、左に軸移動してくれれば1Fだけ入っていると判断しても良いでしょう。
これは体感で判断するしかなく、もしかすると3F入っているかもしれないので、その点は注意が必要です。確認するには60fps録画するしかなさそうです。
実際に練習してみれば分かりますが、最短の「6n」は非常に難しいので、ここからは修練あるのみといった感じです。
仮にアケコンを使って出す場合のレバーさばきですが、馬鹿正直にレバーを端まで倒していてはとても1Fで戻ってくることはできません。ほんの少し、1F分だけ倒すのが大事になってきます。
(もしくは倒した後、気合で引っ張ってニュートラルに戻す)
またレバーには「あそび」がもうけられていますから、微量倒しただけでは入力が入りません。これを利用し、入力が入らない程度、あらかじめほんの少しだけレバーを倒しておき、そこからわずかな動きで1F分だけ入力してニュートラルに戻す、というテクニックが使えます。これはブライアンの挑発→ジェットアッパーでも使われる小技です。
1P側であれば、親指の腹でレバーのヘッドを弾くようにして6に軽く入れ、すぐに手のひらをかぶせるようにして3に入れる、というのもよくある入力方法です。どうせ3F目に3に入っていなければ成立しないので、タイミングは固定して、あとは弾く部分でうまく1Fだけ6に入れるよう練習するイメージです。
なおHITBOXをはじめとしたレバーレスコントローラーはこういった入力に向いていて、アケコンのレバーを倒す(パッドの十字ボタンを押す)操作を、ボタンを押すことで解決できます。このため多少習熟は必要だと思いますが、「1Fだけボタンを押す」練習をしていけば良いことになります。
※正確には「1Fだけ『6』のボタンを押して、放してから1F後にもう一度『6』と『2』と『RP』を同時に押す」操作
(2023/02/14追記:HITBOXの運指について)
HITBOXなどのレバーレスコントローラーの場合、一般に左右入力のボタンを同時に押すとニュートラルとなります(SOCDクリーナー搭載の場合)。つまり、左右方向のどちらかのボタンを押しておき、そのまま反対のボタンを「押す」ことでニュートラルを作ることができるのです。これを利用すると、下記のような入力で3Fでの「6n3RP」を実現できます。
1F目 …… 6
2F目 …… 4+6 ※ニュートラルとなる
3F目 …… 6+2+RP
結局、4ボタンを「1Fだけ」押すテクニックは必要になりますが、6は押しっぱなしでOKです。一例として、1P側では下記のような運指が考えられます。
1F目 …… 人差し指で6を入力、以後入れっぱなし
2F目 …… 薬指で4を入力
3F目 …… 4ボタンを放し、中指で2、右手でRPを同時押し
薬指での入力は1Fしか許されないため、ボタンの端に軽くかすらせるようにして押すことになるでしょう。普通に入力するのとどちらが良いのかは好みかもしれませんが、このような運指を考えるのもレバーレスコントローラーの醍醐味の一つと言えます。
その他
忌怨風のフォローコンボ
忌怨風に失敗しても、最風さえ出ていれば空中ヒットとなり、コンボを継続することができます。
鉄拳7では、とりあえずスクリューまで持って行く意味で「忌怨拳(CH)→最速風神拳→4RPLP(s)~」が簡単で安定するため良いと思います。もっと難しいコンボもあるのでしょうが……。
4WP(蜘蛛切)からも同様のコンボが可能
4WPのカウンターヒット時も、忌怨拳とおなじく地上で13Fまでの技が確定します。霧足最速風神拳で浮かせられる他、忌怨拳始動と同様のコンボが可能となっています。
623RPでの霧足最速風神拳
じつは霧足最速風神拳は、「623RP(ニュートラルを挟まない)」でも出すことができます。発生フレームは変わりません。
これはよくあるコマミスを補填(ほてん、足りない部分をおぎなうこと)してくれる仕様で、救済措置のようなものです。
他にも、一八以外の三島キャラの最速風神拳が、
6 …… 1F
2 …… 2F ※1F以下は一八以外不可
3RP …… 1F
……という、ニュートラルを挟まない入力で出せたりするのですが、この点はまた別途記事にしようかと思います。
忌怨拳の持続ヒット
「忌怨拳のカウンターヒット時は13Fまで地上ヒット」と書きましたが、じつは忌怨拳の攻撃判定には2Fの持続があり、発生15F目でヒットすることが……かつてはありました。
15F目でカウンターヒットするとどうなるかと言うと、相手側は1F遅れでやられになっている一方、自分側は変わらずモーションを消化しているので、相対的な有利不利を考えると1F有利が増える、つまり地上ヒット猶予が14Fに伸びます。
上記動画、よく見ると最速風神拳になっていないのが分かるでしょうか。霧足を使って1F遅れの通常風神拳が地上ヒットしています。
他にもLKLP(発生14F)、忌怨拳などを地上ヒットさせることが可能でした。
この持続ヒットですが、鉄拳タッグ~鉄拳4では軸ズレから良い感じのタイミングでクリーンかつカウンターヒットさせることで、鉄拳5~鉄拳6では右横移動している相手に当てることで、引き起こすことができました。
しかし鉄拳タッグトーナメント2で忌怨拳がホーミングアタックになったことで、ヒット時には相手を正面で捉えるようになり、持続ヒットを狙うことは事実上不可能になってしまいました。
さらに鉄拳7では忌怨拳が「持続なしの14F発生」に統一され、持続忌怨風は消滅していまいました。
まとめ
忌怨拳は発生14F、カウンターヒット時13Fまで地上ヒット
霧足最速風神拳は最短13F発生
忌怨風は猶予0F
「6n」部分が難しい、最速で入力できるように練習するべき
※3風→4RPLP(s)~で99コース
鉄拳5~5DRの頃の一八使いといえば、忌怨風のことばかり考えている人たちで、「俺、忌怨風ミスらないから」とかすぐに言っちゃうイメージでしたが(偏見)、鉄拳6で一八が「普通に」強いキャラになってしまってからは、相対的に忌怨風の重要度も低下し、かつてのカルト的な魅力は若干薄れたような気もします。
いずれにせよ、忌怨風が最高難易度かつ最高クラスの威力を誇るコンボであることには変わりありません。三島使いでなくとも、コマテクに自信のある人は腕試しに練習してみるのも良いのではないでしょうか。
今後も機会があればこの手のまとめ記事を書いていこうかと思っています。取り上げて欲しいネタ、リクエストなどがあればTwitterまでお願いします。