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給与制度の歴史を見れば、人事制度の歴史もわかる

こんにちは。PaymentTechnologyのPR担当です。

明日から振替休日で4連休とのことで、25日分の給料の振込をしなければいけない人事・労務担当の方がドタバタしているという話をSNSで見かけました。

さて給料といえば、給与制度がどのように変化してきたかについてご存知でしょうか?

今回は給与制度の歴史について解説します。給与の歴史を追えば人事制度や働き方の歴史も理解できるので、人事制度の仕組みを作る上で参考になるかと思います。


給与の語源とは?

給与の歴史に入る前に、まずは給与の語源についてです。

語源を知ることで、給与という言葉や概念がいつどのように生まれたかがわかります。

給料(salary)の語源は塩(salt)だと言われています。

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厳密には、ラテン語のsal(塩)が、古代ローマで兵士に俸給として供給されていた塩が大元だと考えられています。

はっきりとした文献が残っておらず諸説あるそうですが、給与に近しい概念が古代ローマ時代からあったことは確かでしょう。

給与の歴史を15年ごとに見る

給与制度は時代の時代の流れとともに変化してきました。

おおよそ15年単位で分けて、制度の変化を追うと非常にわかりやすいです。

1945年~1960年代:制度を作るべく模索

給与に近い概念があったのは古代ローマ時代からですが、現代に近いような雇用制度が生まれたのは戦後間もない1945年ごろでした。

「働きの報酬に対して給与を支払う」という考えはあったものの、人事制度時代は未だ整備されておらず、企業制度時代が発展途上だったこともあり、「社員の生活費に応じてその時々で支払う」ことが一般的でした。

どれだけ労働者側が売り手市場になったとしても今では考えられない制度かもしれません。

1960年~1975年代:年功序列という概念が登場

戦争から15年経つと、人事制度が整い始めて、企業も成長を遂げていきます。新しい業務に対応するためにも新たな人材が必要となるため、企業は年功序列制度を整えました。

1960年頃から出生率が右肩上がりになり始め、人口が増える時代だったため、年功序列制度は適しているものでした。給与も年功給で決まりました。

1975年~1990年代:年功序列から職能性へ

1975年のオイルショックを機に、企業の売上は激減し、出生率の減少、情報化社会によるビジネス形態の変化が重なり、人材を抱えきれず年功序列は崩れ、職能性に変化していきました。

1990年~:職能性は時代に合わせて進化する

1991年のバブル崩壊を機に、保有する実力に応じて給与を支払う職能給は合理的ではないと考えられるようになりました。成果給・職能給という考え方が一般的になってきています。

退職金が生まれた経緯

一定規模以上になると、退職される方に対して退職金をお渡ししている企業も少なくないと思います。

退職金は当然最初から設けられた制度ではなく、暖簾分けの延長線だと言われれています。

時代は第二次世界大戦よりも遥かさかのぼり、江戸時代。奉公人として雇われていた労働者の雇用期間が終わる際に、使用者が独立の手助けのために暖簾を現物で支給する習慣がありました(すなわちその商家が築いてきたブランドや信頼を引き継ぐことを意味します)。

しかし時代の流れとともに暖簾分けが難しくなると、今度は長年の奉公への報酬として、退職する労働者に金一封を贈る習慣が生まれたと言われています。

そのため、退職金は退職する労働者を応援する気持ちの表れだと考えられます。

給与の支払い方が振込になった理由

一部の会社を除いてほとんどの会社が給与を振込で行っていると思いますが、元々はATMもネットバンキングもなかったため手渡しが一般的でした。

労働基準法にて「給与は原則手渡しでないといけない」という内容が定められています(今でも残っています)。これに加えて例外措置として労働者の合意があれば振込でも良いという規則になっています。

実は振込が一般的になったきっかけが1968年12月10日に発生した三億円事件と言われています。この三億円事件で盗まれたのが東芝府中工場の従業員の賞与だったため、様々な企業は安全性の観点から手渡しから振込へと切り替えを行ったのです。

また、翌年1969年に日本初のCD(キャッシュディスペンサー)を設置されたことも、振込支払いが一般的になった後押しになったと言われています。

給与の未来

手渡し、銀行振込と変化してきた給与ですが、今まさに電子マネーで給与を受け取る給与デジタル払いの制度について政府で議論が進められています。

キャッシュレス化推進の一環として進んでいますが、時代の変化とともに給与の当たり前も変化していくと考えられます。

弊社でも給与デジタル払いに対応するエニペイというサービスを展開しており、今後変化する人事制度を追いかけていきたいと思います。

本日の記事は以上です。

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