SIGMA 24-70mm F2.8 DG DNに関する雑記[202009226]
こんにちは。
今回は先日「fpを連れて」の方でしれっと登場させたレンズ「SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN」に関して書きたいと思います。
思った以上に前置きが長くなってしまったので、レンズ自体の話だけ読みたい方は「4.持った感じについて」からお読みください。
掲載している写真は全てカメラ本体が「SIGMA fp」、ホワイトバランスは「オート」、カラーモード「スタンダード」でDNG撮影。現像は露出補正のみにしてあります。
1.なぜ、このレンズの事を今語るのか
購入は今年の3月。発売からかなり経っていたので、使用感とか今更書くのもなにかな、と思っていたら某ウィルス。中々写真も撮れなくなって、記事にする機会を逸したまま今に至りました。
さらに今更感が増してしまいましたが、F2.8通しの標準ズームレンズはいつでも需要があるので、購入の検討材料を探している人もまだまだいらっしゃると思います。
それに、PanasonicからLUMIX S5が発売されて、Lマウント界が賑わって来ているため、レンズ探しをしている方が一層多くなっているかもしれません。
書くなら今かな、と筆を取った次第。
私はレンズに関してもカメラに関してもほぼ素人なので、レンズレビューと言うほど精細な事は書けませんので、使ってみての感想程度ですが、何かしら参考になれば幸いです。
2.発売時に買わなかった理由
購入は今年3月と書きましたが、このレンズの発売は昨年11月。
発売時は購入を見送りました。
というのも、以前一眼レフ用の24-70(SIGMA 24-70mm F2.8 DG OS HSM)を手放したことがあったからです。
非常に優秀で便利だったので、色々な場面で活躍してくれました。
それでも手放した理由は写りでした。
文句の付け所のあまりない一方、尖った印象もない。良くも悪くも「標準」という言葉がはまるようなそんな写りをするレンズでした。
そのため、撮った写真はともすれば面白みのない、平凡な写真になってしまうこともありました。
当時の私は、結局このレンズを使うことに限界を感じて、手放しました。
2年前の夏の事です。
以来、標準のズームレンズには手を出さず、単焦点やマクロ、望遠といった性能やスペックが突出しやすいレンズを選んで来ました。
なので、「SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN」の発売当初はほとんど興味を示しませんでした。
3.購入に至った経緯
きっかけになったのは、会社でのイベントの撮影を頼まれたことです。
私が写真を趣味にしている言うことは社内で知られていたので、白羽の矢が立ちました。
その時の手持ちの装備はSIGMA sd Quattro H、dpシリーズ、fpでした。室内での撮影でFoveonを持って行くのは辛い、とカメラは迷わずfpを選択しました。
レンズの手持ちはSAマウントが50mm、70マクロ、100-400ライトバズーカ、LマウントがSIGMA 45mm F2.8 DG DN一本のみ。
一番取り回し安い45mmで行くことにしました。
当日になって撮影をしてみると、やはり45mmだけでは辛い。
外でのスナップは足で稼げばなんとかなりますが、室内でのイベントとなると、撮影ポイントも限られてしまいますし、何より広角側が辛い。物理的に後ろに下がりきれない、という自体が頻発しました。
予備で借りていた会社のコンデジを使う方が多く、首から提げただけになっているfpに申し訳なさを感じました。
こういう機会が今後度々あるわけでは無いとは思いつつも、この日を境に「やっぱり標準レンズもっておいた方がいいよな」と考えるようになりました。
標準レンズを手放した過去がちらつきましたが、それから2年の月日が経っていました。あれからたくさん写真を撮ってきました。
今なら使えるかも知れない。そっちの気持ちの方が大きかったです。
そして、貯金残高と購買意欲がちょうど良いバランスになった3月某日。
「SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN」を購入しました。
さて、前置きが長くなりましたが、ここからレンズを使ってみての事を書いていきます。
4.持った感じについて
まず、持った感じ。
ずっしり重い。レンズ詰まってるなぁ。そういった印象。
大きさもこの焦点距離・F値のレンズなり。
スペック的には830g(Lマウント。ソニーEマウントは835g)と、以前使ったSIGMA 24-70mm F2.8 DG OS HSMよりも200g軽くなってはいます。ミラーレス用設計の恩恵を受けています。
しかし、特筆するほど軽量・コンパクトになっているかといわれると否、でしょうか。
2.8通しのズームレンズってこのくらいのサイズ感だよね、よりもちょっと軽めの範疇だと思います。
5.機能面について
ズームリング、フォーカスリングにAFLボタン、ズームロックスイッチが着いています。
ズームロックスイッチはズームリングを回すと自動でロックが外れる仕組み。ロックを外す手間が省けてストレスがなく、良いと思います。
ズームリングのトルクは重すぎず、かといって自重で落ちるほど軽くはない感じ。
フォーカスに関しては、オートフォーカスが静かで速い。狙った所に正確に決まります。
フォーカスリングがしっかりした作りなので、マニュアルフォーカスでも使いやすいです。
6.最短撮影距離について
このレンズを使用した方は恐らくここに驚くと思います。
こんなに寄って大丈夫? と思うくらい寄れます。スペックではワイド端で18cm。公式ページ曰く「広角端の最短撮影距離で撮影する際にはフードを外してご使用ください」とのこと。
最短撮影距離が短いと、表現の幅が広がります。
私は寄って撮影するのが好きなので、この性能は特に嬉しかったです。他のレンズより一歩前に出られる、ピント合わせのために後ろに仰け反らなくて良い、もう最高です。
7.写りについて
私が色々と語るよりまずは見てもらった方が良いと思うので、ご覧ください。
いかがでしたでしょうか?
あえて光の弱い状況の写真を並べてみました。
それでもしっかりと光を捉えて、描写していると思います。
今度は近接で撮影した写真を。
ボケも綺麗なのも撮影時にストレスフリーな部分です。
気兼ねなく前後をボカせるのは楽しい。
広角側でビルを撮影。
しっかり直線を描いてくれます。
ガラスに映る空のグラデーションの表現も見事です。
逆光・明暗差の強い状況でも良く写ります。
フレア、ゴーストに対して強い設計になっているそうで、確かに撮っていて気になる機会が減ったなー、と感じました。
どんな場面でも、しっかりと光を編んで表現してくれる。
写りに目立った特色があるわけではありませんが、以前標準ズームに持ってしまった退屈なイメージは感じませんでした。時折、写りの良さに目を惹かれる時があります。
それは、真面目で品行方正なクラスのあの子が、時折ウィットに富んだジョークを放つことのように、魅力を感じます。
・・・・・・なんのこっちゃ。
8.このレンズを使って感じた事
優等生的に何でもちゃんと写して、標準としてしっかり仕事をこなす。
そんなレンズが「SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN」でした。
「何でもちゃんと写せる」というのは写りがいつでも綺麗なのはもちろん、どんな場面でも、ストレス無くスムーズに使える、そういった意味も含んでいます。
そして、このレンズはその部分にも注力されていると感じました。
ズームロックの機構や、最短撮影距離、歪みのない描写、フレアとゴーストの軽減など、撮影する状況を選ばないようにしていく工夫が随所に見られます。
私の中での「標準」が幾段もステップアップしたのを感じました。
素敵なレンズですので、是非皆さんも実際に触って購入を検討してみてください。