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dp3 Quattroを連れて(思い出増やそう等々力渓谷編)
こんにちは。私です。
そしてこちらが今回撮りに行った時の木肌!
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私のカメラ歴の中で一番使っていて、お気に入りの一台を選ぶとしたら、タイトルにもなっているSIGMA dp3 Quattroを選びます。
フルサイズ換算75mmという焦点距離は先代のDP3 Merrillから好きでした。
自分の肉眼で見るよりもグッとクロップというか、着目した部分にクローズアップできる長さ。それとFoveonセンサの解像感が相まって普段見ているのとは違った写真が撮れることがとても楽しくて、ずっと使っていました。
更に、Merrillシリーズと比較してバッテリーの持ちと処理速度が格段に向上したことで使い勝手も良くなり、常に持ち歩くハードルが下がったため、どこへ行くにもdp3 Quattroと一緒でした。
しかし、私が写真を撮らず、カメラの情報も仕入れないうちに、気づいたらdp3 Quattroが生産終了しているではありませんか!
これはかなりのショックでした。sd Quattro Hが生産終了になった時にも結構な衝撃を受けましたが、現行メインであるはずのAPS-CサイズのFoveonセンサ搭載機にもその波が押し寄せてくるとは⋯⋯ 。
フルサイズFoveonの話もしばらく聞きませんし、このままFoveonは伝説のセンサになってしまうのか、なんて杞憂もしております(杞憂であってくれ)。
Foveonセンサ搭載機はsd Quattroとdp0、dp1は販売継続とのことで、センサの供給が無くなることはないようですが、問題のdp3の生産が終了になるということは、いずれ修理対応も無くなっていくでしょうし「今のうちに使っておかないと」という使命感から、今回dp3 Quattroとの思い出を増やそうと久しぶりに持ち出しました。
しかし、現行のfp Lに慣れてきた身としては、dp3 Quattroのレスポンスの遅さは改めて驚きがありますね。オートフォーカスもそうだし、記録してから画像再生できるまでの時間もそうだし、久々にFoveon機の洗礼を受けている気がします。
背面ディスプレイも昨今の機種から比べればかなり荒いです。まあ、dp Quattroシリーズの発売は2014年ですから、仕方ないことですけれど。
そういえば、その背面ディスプレイをアクセサリ(LCD VIEW FINDER LVF-01)で無理やりファインダーにしてしまうという荒業を成したことも驚きでした。もう「その発想はなかった」感満載だったのですが、意外とこのビューファインダーの没入感が高くて好きでした。ただでさえ不思議な形をした本体が更にすごい形になるのも今となっては愛おしい。
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さて、前置きが長くなりましたが、ここからはdp3 Quattroで撮影してきた等々力渓谷の写真をご覧いただこうと思います。
それではどうぞ。
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はい。というわけでやってきました等々力渓谷。
いきなり写真と関係ない話で恐縮なんですが、結構足元不安定なのに、履き慣れてない靴で来てしまっていたのでここに来るまでの段階で二度ほどコケてます。
いや、川にダイブする羽目にならなくてよかった。
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閑話休題しまして、こちらの写真をご覧ください。
この解像感!
枝の一本一本、更にわずかに残った木の葉の一枚一枚までもしっかり描写してくれています。この描写力、ベイヤー配列換算3900万画素相当を謳うだけある。
今じゃそれくらいの高画素機あるじゃん、と思う方もいるかと思いますが、もう一度言います。このカメラ、発売が2014年ですからね。4000万画素超えるSONYのα7RⅡ(こちらはフルサイズでdpシリーズはAPS-Cですが)の発売が翌年なので、その凄さがわかってもらえるかと。
ちなみに更に前世代のDP Merrillシリーズは2012年発売でベイヤー換算4600万画素相当だったりするのですが、この辺の話をするとFoveon信者内でも紛争が起き始めるので、ひとまず置いておきます。
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それよりこれ!
こちらの写真をご覧ください!
そしてFoveon好きなみなさんならここから何をするかわかりますね?
そうです。
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拡大して楽しむんです。
この植物の細かい毛の一本一本まで丁寧に描写されているのがお分かりでしょう。
また、ベイヤー配列の高画素機にはない独特の立体感があるように感じられないでしょうか?
これがFoveon機が未だに熱狂的なファンの心をとらえ続ける所以です。
更にdp3の良いところは寄れるんです。
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最短撮影距離が22.6cm。下手なマクロレンズよりも寄れます。
普段使いする上で「寄れる」ことは正義です。
何を撮るか決まっていないような散歩写真撮りにとって、いざ撮ろうとした時に寄れることは使い勝手のアドバンテージになります。
本当にいいカメラです。
なのになぜディスコンに⋯⋯ 。焦点距離か⋯⋯ 、75mm悪くないとおもうんだけどな⋯⋯ 。
気を取り直して次の写真。
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Foveonセンサはとにかく質感の表現が得意だと思います。
なので、単なる水の流れを撮っただけでも、こう水々しさというか、水分感というかが伝わりやすいと思うんですよね。
乾燥した今の時期に、この水感が届いていることを願います。
もちろん弱点もあります。
先ほど話したレスポンスの悪さや、AF速度、高感度耐性の低さ、画像ファイルの重さ、RAWファイルが独自形式な上にそれを現像するソフトが激重(その話は最近Twitterでつぶやいたのでそちらも見てくださると嬉しいです)。
そういった取り回しの面だけでなく、画質の上でも弱いところが⋯⋯。
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逆光に弱いんですよねー。色被りしやすいです。
こういう時は下記のようにします。
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これで解決します。モノクロだったら色被りも気にならないね!
⋯⋯すみません、良い方法あったら教えてください。
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Foveonは質感表現が得意と先ほどから申し上げておりますが、その質感表現が良く現れる被写体を「Foveon物件」と一部で呼んだりしています。
そのFoveon物件の一つがこの「錆」ですね。Foveonセンサ機を持つと撮りたくなる。それが錆。ああ、世の中のものもっと錆びないかな⋯⋯。
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もう一枚錆写真です。錆に錆を重ねていきます。
サビ繋がりで脱線するんですけど、音楽のラスサビで半音上がる曲ってめっちゃテンション上がりますよね。
あと、個人的にはCメロがある曲が好きです。もはやサビ関係ないけど。
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さて、そろそろ終盤に入ります。
今日は終日お日様に薄雲がかかった感じでした。ISO感度100が常態のFoveon機使いとしては少し弱りましたが、日向には柔らかい光が降り注いでおり、写真はその光の恩恵を受けたものが多く撮れたと思います。
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というわけで、今回はSIGMA dp3 Quattroを使ってきました。
Foveonセンサに加え、最適化された設計のフルサイズ換算75mmレンズを搭載したこの機体。
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dpシリーズの中でも特にFoveonと相性が良い長めの焦点距離と最短撮影性能を持つ最強クラスのカメラだと思っています。生産終了品となり、手に入れるのが難しくなっているのですが、もし機会があれば触ってみてください。
気づけば3000文字近くも書いてしまいました。
まだまだ足りない部分もあるのですが、もしFoveon沼の淵で出会った際にはお声がけください。存分に語り明かしましょう。
それでは。
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