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野球と息子

息子11歳の野球のクラブチーム
6回の表、5−4ここを守りきれば勝ちという場面


うちはここまでにピッチャーを使い果たし、5番手くらいのピッチャーを使っている。でも、1点リードしているし、すでに1アウト取っている。
今日は勝てる!!!
誰もがそんな空気にいた頃、


相手2番バッター、3番バッターに立て続けにヒットを打たれて
ランナーがホームに帰る

5−5同点


ここまでくると完全に向こうが押せ押せの空気だ
とりあえず、ここを同点で抑えて、延長にまで持ち込んで次、点を取るしかない


緊張感が高まる

カキーーーーーン!!!!


ショートのバーシーの息子、ファインプレーでピンチを凌ぐ

次のバッターは5番
2アウト、ランナー2塁


あと1アウトだ


ピッチャーが投げた!


ファーストゴロ
ちょうどいいところにファーストがいる!


しかし、球はファーストの足の真ん中を抜けていった


トンネルだ!!


ボールはその後、フェアラインギリギリをコロコロと転がっていった

時が止まったように感じている頃、
ふと気づくと、大きな声援と共に、すごい勢いで2塁からランナーが帰ってくる


ホームイン!!!!


逆転さよなら負け



勝利の女神は我がチームには微笑んでくれなかった
野球て絶対勝てると思ってても最後まではわからないものだ、つくづく思う


帰り際
私:惜しかったね
息子:ファーストのジャクソンが泣いてた
私:エラーした責任を感じちゃったのかな
息子:わかんない
息子:でも、強襲だったから仕方ないよ
私:(そうかな?ど真ん中だったけど、、)

ジャクソンもこんな風にポジティブにチームメイトから声をかけてもらったのかな
あるいは一人で自分のミスを嘆いて泣いたのか

私:最後の大事なイニングでコーチはなぜあのピッチャーを選んだんだろう?これまでは全然打たれなかったのに、先のピッチャーを続ければ勝てたかもしれないのに
息子:ピッチャーのせいじゃないよ。僕たちは前の段階でもっと点を取れていたはずだ


息子は普段からピッチャーもやっているので、打ち取ることの難しさを理解できるのだろう
しかし、自分は一生懸命アウトを取ったのに、ミスしたチームメンバーを一切責める発想が出てこない息子ってすごいなぁって思った

憧れの大谷の背番号#17

日本の少年野球や甲子園では、バントする姿をよく見かける
自分の役割や責任を理解しているんだろう
チームで勝利を目指すからこそ、みんなで勝ち取った勝利だと実感するし、
その反面、誰かがミスをするとそこに注目が集まるし、責任を感じてしまう


アメリカの息子たちの野球は違う
バントをする選手はほぼ見たことない
打てない子も全員がホームランを狙っていて、いつでも自分が打てると信じている
プレー中にたのしそうにガハハ!!!って笑う姿も見かければ、ダンスしてる子もいる
自分達が楽しんでプレーするっていうのが何よりのプライオリティだ


だから誰もチームメイトを責めないし
自分もチームメンバーもミスを根に持たない


私は、負けて悔しくないのか!どうしてもっと頑張らないんだ!
チームみんな一人一人がもっと必死になってやれば勝てる試合だったんじゃないのか
と言いたい気持ちをグッと押し込んだ


もはや言語のいらないはずのスポーツの世界ですら、私には理解できない


そして、今日もまた、同じような会話を続けている私たち親子だ
息子:ねぇ、僕の最初のヒットみた?
私:え?(ヒットなんてあったっけ?)
息子:すごいいいヒットだった。取られちゃったけど、いいライナーでたね!
私:(それはヒットではないだろう、アウトだろう息子よ、、)

全く後ろ向きな気持ちのないアメリカの野球
あなたはどう思いますか

リードを取る息子

#バーシー #やかましい母 #アメリカ #野球

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