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凡庸雑記「考えず撮る」
森山大道書籍を買う
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つい出来心で写真家の森山大道氏の本を買ってしまった。Kindleでセールを行なっていたので、おもしろそうだと気がついたらポチッていた。
金もないのにまた無駄遣いをしてしまった。反省。でも、得たことも多かったから損はない。
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大きいカメラは頭を使う
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本の中、書れていた森山氏の言葉にドキリと胸がときめいた。
内容を要約すると
「大きなカメラを持つと、頭で考えてしまう」
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これとても分かる。カメラを持って、街に出て、写真を撮っている時、本当に忙しなく頭の中であれやこれや考えている。
構図、絞り、シャッター、おまけにズームだと画角。その他光源の具合や、ホワイトバランス、ピントなどなど多岐に決める必要がある。
それが写真を撮すことだと言えば、至極真っ当には違いない。はい、すいませんってことになるんやけど。
時々、みんな放り投げて、頭ん中すっからかんにし、撮りたいもんだけに突進して、ガシガシシャッターを切りたいと思う。
そう言えば、昔そんな撮り方してたなあと、思い出した。
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決めて撮る
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一時期、欲しくて仕方がなかった、念願のリコーGR DIGITALを手に入れ。これ、APS―Cになる前のやつ。
ポケットにいつも放り込んで、いついかなる時も持ち歩いていた。
基本スナップなのだけど、ピントがぜんぜん遅いし合わない。スナップじゃピンボケ連発。メーカーもそこんとこ分かっていて、ピント固定が出きるようになっていた。
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基本ピントを1mに固定。絞りはf8に固定しパンフーカス。28mm広角だから全体にピントが合う。
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これで、街を歩きながら、ひたすら撮る。
これと、感じた瞬間。ピントが合う1mぐらいに近寄って、歩きながらだいたいの構図を決めて、シャッターを押す。
流れるように街をすり抜けて、無我夢中にシャッターを押し続けた。
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自分を超える自分
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すごいむちゃくちゃな撮り方で、ブレるは、撮りたいもんは入ってないわ、ピントは外すわひどいものだったけど、時々、自分の意識の幅、才能の方向を完全に超えていく、治外法権のおもろい写真が撮れる。
自分で撮ったはずなのに、自分では、自分のおつむでは撮れない写真が目の前にある。とんでもなく興奮した。自分を超える自分がそこにあった。
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すべてを捨てて
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ほんとうはすべて捨て、こう撮るべきだと知っているだろうなあ、我が写真魂は。でも、この達観した菩薩のごとく世界には、まだまだ逝きたくはないと抗う我もいる。
今、この瞬間、ポケットに入るカメラ一丁で、写真を撮れなんてなると、手を擦り合わせて、ご勘弁と泣き崩れてしまう。あんまりにも惜しくて、悔しくて。
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当分は両手に重くてデカイZ6を持って、頭の中をクジャグジャにしながら写真道を突き進みたいと思う次第でございまする。
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最愛のGRとの別れ
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ちなみに、そこまで気にいっていたGRとは、わずか一年で別れることになった。
きっかけは、GRではあまりにも有名な、センサーゴミ問題だった。ある日、子供と散歩している時に、いつものようにポケットからGRを取り出し、晴天の空を写した。
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綺麗な空が現れるだろうと、Macのを確認すると、大きく黒いモヤみたいなものが空に広がっている。慌てて、調べるとどうやらGRは、センサーに埃がとてもつきやすいとのことだ。
それも、付いてしまうと、到底自分では取ることができないとも。
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新品で買ったので保証期間が確かまだあった。確認すると失効するまで1ヶ月。急いでリコーに連絡し、修理を依頼。リコーの担当はとても親切で気持ちよかったが、一年弱でセンサーに埃がつくとは恐れ入った。
修理されて戻って来たので、梱包も開かずそのままオークションで販売した。
後々調べると、愛用のGRのセンサー清掃を何回も行って使い続けていると言う、愛情の深い強者がいる。
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分不相応だと知っていても
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手放して今でも時折思うのだけど、GRは修理代も出せない貧乏人には、分不相応なカメラに違いないが、あの純粋に撮ることを専念できる快楽を与えてくれるカメラは、そうありはしないと。
発作的にもう一度手に入れたくなる、厄介なカメラだ。
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今、ゴミ問題はいったいどうなっているのだろう。何せ安くないし、使い始めると麻薬のように取り憑かれるカメラだから、一年ごとに何万円も出して掃除をしなきゃならないなんて、恐ろしくて使えたものじゃない。
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なんだか、最後はGRの話になってしまった。と、言うことはお前には、高い高価なカメラじゃなくて、そいつが一番だってことかもしれない。