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凡庸”聖域”雑記「CP+」
いけないと言っていたのに行ってしまった
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今年も行けないと嘆いていたのに、それをダラダラ書いてしまったのに、今年のCP +に行ってしまった。お恥ずかしい。
ずっと出張が続いて、気持ちの余裕も無く、行けないと思い込んでいた。が、落ち着いて考えると、出張は24日の土曜日まで、25日日曜日は自由の身。と言うことは、CP +に行ける。
そうなると、やも盾もたまらず、移動手段と時間を調べ、いざパシフィコ横浜へ。となった。
なるべく交通費を節約するため、横浜駅からぶらぶら歩く。そこそこ距離はあったが、日頃スナップ撮影で鍛えた身体、たいした距離じゃありません。ただ、けっこう雨が降っていののが辛かった。
会場に着き、入場者の列の末端に。かなりの人の波に流されて、中に入る。
何はなくともNikonブース
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入る前から直行する場所は決まっている。Nikonブース。
さすがCP+、かなりのスペースを取って展示をしている。Interbeeなど他の展示会では、SONYやCanon、Panasonicの影に隠れて、日陰者のように展示しているのに、一世一代の晴れ舞台。さすが、CP +では、寂しい現実の企業収益をかなぐり捨てて、巨大企業と遜色の無い、いや、それ以上の趣向を凝らした展示をしいる。
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Nikon信者の贔屓目だろうが、ふんだんに今Nikonが持てるカメラや、技術、サービスを惜しげもなく出し、鼻先分他のメーカーより先んじている。ような気がする。
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それに何よりも、アマプロ問わず、Nikonへの熱量が熱く感じる。(贔屓目だろうけど)セミナーで登壇する写真家や、それを見るユーザーが何とも言えん一体感を醸し出し、胸が熱くなる。(書いてて少し気持ち悪か?)
結果、訪れては離れ、離れては戻り、かなりの時間をNikonで過ごす。
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質の高いセミナーに興奮
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初めての、そして、最後かもしれないCP+。いつもの展示会ではやらないことをしてみたい。その一つとして、公式やメーカー独自のセミナーに参加。
時間が限られていたり、同時期に3つのブースで行っているので、泣く泣く取捨選択をしなくてはならない。怪しい企業コンサルが言うところの選択と集中だ。
僕が選んだのは、初めから心に決めていたのは、2b channelを配信している渡部さとる氏が登壇するセミナー。名前なんだっけ?忘れて思いだけないが、いつのもいい声で渡部氏が博識をしゃべりまくり、ほんと、感銘を受けた。色々と勉強させていただきました。
どうも、技術系のYouTubeは、飽きてしまうのだけど、それともそんな機材が手に入らないことや、自分の才能のなさを知ってしまうのが恐ろしいせいか、見なくなるのだけど、渡部氏の話は、単純に写真が上手くなる云々じゃない、深みがあって惹きつけられる。
Z8は紛れもない未来を創る(らしい)
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それから、見たのはと言うと、別所氏のNikonZ8を絶賛褒めるセミナー。
これは、何気なくおもしろそうだったので、何気に立って、そのまま最後まで見続けてしまった。Z8をガッツリ使った作例をふんだんに出して、HDRの素晴らしさを謳いつつ、これからはこれが主流になる。そして、これを叶えるのはZ8だ!と訴えていた。
もし、僕の手の上に百万円を、どこかの金持ちがボンと置いてくれれば、ライカM11じゃなくて、間違いなくNikonZ8とプラナーを買ってしまうだろう。
それにしても、関西弁で矢継ぎ早に語るから、おもろいおもろい。足の痛さも忘れてもないが、痛さを我慢しつつ、楽しんだ。ちなみに、伊丹空港(今はそう言わん)の近くの飛行機離着陸スポットの写真が紹介しれていて、懐かしのも楽しかった。
ちょいと立ち話程度で上田夫妻を見る
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それから、上田夫妻がやっていたエプソンのプリンターで印刷に使った、紙を紹介していたセミナー。印刷することなんて、皆無だけど、紙を選んで印刷すると、写真の命はより輝く。なんて、詩的なことを思いながら、最後まで立ったまま見るのはあんまりにも辛く、そのまま、さよなら。
個性的なのは本人以上に写真だった
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最後は、なぎら健壱氏。
これも、事故みたいなもんで、次、こんな有名人が登壇するんだと、時間前に近くに行くと、結構時間があったのに人がずらっと並んでいる。さすが名の知れた人は違う。
それに当てられたのか、ふらっと、最後尾に並んでしまった。いい加減根がミーハーなんだから。
もうそろそろ座ってゆっくりコーヒーでもと思っていたのに、再び、疲れ切った体を引きずって、登壇の時間を待つ。
約20分待って、ようやく疲れた体を椅子に落ち着け、しばらくすると、どこかで見たことのある顔が、舞台袖から現れる。かなり声が枯れていて、調子が悪いよう。だけど、話は絶好調。プロだから喋りが上手い。
撮った個性的な写真を次々出しつつ、毒舌を吐きつつ、見ている人間を惹きつける。勝手に芸能人だからと思っていたが、かなり、こだわって真面目に写真を撮っていた。
ちなみに持ってきていたのは、NikonのZfだった。多分。それに、変態レンズを着けて、皆を沸かせる。彼の写真がよく雑誌に載っているが、観光写真を嫌悪しており、完全に市井の風景を削り取る。
居酒屋で撮った写真がよく雑誌で載っているが、あれは、完全に見ず知らずの人を適当に撮っているみたいだ。それも、撮りますなんて声をかけない。これも嫌悪していたのだけど、声をかけると、必ずカメラ目線でピースをしてしまう。これでは写真が台無しになる。撮った後に、目配せをしながら、撮りましたよと挨拶するらしい。
時たま、肖像権がウンタラカンタラと、クレームを入れられるよう。
ハービー、京都、上田、その他もろもろ見たかった
ハービー山口氏や、京都ボーイズ面々、上田夫妻、その他色々見たいものはあったけど、時間が許さないので、どうしようもない。このCP+が他の展示会と圧倒的に違い、素晴らしいのは、数々の有名無名写真家や関係者が、熱く深く登壇してくれること。全部見たかったと悔しい想いに囚われる。
醍醐味は歩いていたら見知った人々と会うこと
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それから、絶対的にこの展示会が素晴らしいのが、フラフラ歩いていると、いつもYouTubeや雑誌、テレビで見ている写真家が、歩いていたり立ち話をしていたり。こんなところに上田夫妻が立ち話している。上田の旦那はあんな巨漢なのか。ちょっとした中小企業の社長みたい。
京都ボーイズが、あそこに並んでたって、写真を撮られとるやないか。
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イルコさんが、フラフラ歩いてる。あの金髪とガタイのでかい黒眼鏡は老人と文学者。その他、諸々いつも見かける方々が普通に生きているのが、不思議な異世界。
ユーザーへの展示会だけでなく、写真業界全体のお祭り感が高く、生半可な展示会じゃないと痛感。誰も彼もCP+、CP+、CP+!と言うだけあるわ。
魔法のようにピントが追いかけるZ8に驚愕
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この辺で機材の話も。
実際、あんまり機材やカメラなんてことは、よくわからないから、深く説明ができないけれど、経験したことをつらつらと。
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まずはNikon。今回、Z8とレンズを組み合わせ、テスト撮影が出来る。暇だったので、せっかくだからと挑戦。選んだのはZ8と50mmf1.2。本当はプレナーを選びたかったが、他の人が使っていて時間がかかりそうだったので、諦める。
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驚いたのは、モデルさんを写したんだけど、ピントが合うあう。モデルかんの顔に向けると、勝手に魔法のように目にピントが動く。全く何にもしていないのに、なんちゅうこっちゃ。こいつを持っている人はこんな思いをしているんかいなと思うと、嫉妬してしまう。
ほんまおもろかった。誰か、僕の手のひらに百万円置いてくれんかなぁ。
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なんでこんなレンズを出さんのやろう
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それから、これもNikonがらみで、レンズ。
コシナのレンズ。フォクトレンダー。
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このレンズはとても貴重。Nikonが意地でも絶対的に出さないだろう絞りレンズ付きのレンズ。ピントはマニュアル合わせだけど、それも味。標準でZマウントあり。
これこそZfの標準レンズ。そのために生まれたような素晴らしきレンズ。こんなのをどうしてZfを作ったのにNikonは出さないんだろう。それは、言ってはいけないことかも知れない禁句かも。
比較的人も多くなく、特にZマウントは空いていたので、置いているレンズを片っ端たらZ6につけて撮影。艶があって精彩な絵は、普通に賞賛。誰から僕の手のひらに百万円ともう百万円置いてくれたらZfを追加で買って、このレンズの50mmを買うだろう。
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ハッセルブラッドも堂々生きている
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驚いたのが、ハッセルプラッドが出いてた。ちっちゃいけれど、ひっきりなしにお客が来て、かなりの熱量。昔のハッセルに付けて、デジタル化できるデジタルパックや、新製品が置いていて、なかなかおもしろい。
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俳優の井浦新氏がセミナーをするようで、見たかったけど、渡部氏と重なっていたので、諦めた。残念。
ちなみに最近人気が甚だしいライカは、展示会に参加していなかった。ハッセルが出てるのだから、出て欲しかったなぁ。
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シグマの写真館に驚愕
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ちなみに、三脚やライト、マイク、その他もろもろ機材が展示されていたけど、興味がなかったのでスルーして未確認。
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ごめん、メーカーはNikon以外は、あんまり興味がないので、さほど確認せず。ただ、シグマは会場全面に写真集が展示していて、それを自由に見れるのが、壮観。ちなみにシグマに行くと、いつも言ってしまうのが、ZマウントのArtシリーズを出して欲しいと。
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結果、スタッフに苦笑いされていつも終わるのだけど。
これこそ写真好きのサンクチュアリー
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もしかしたら、午前中には見終わって、トボトボ雨の横浜を歩くことになると思っていたら、最後の最後5時まで遊んでしまった。展示を見るだけでなく、とにかく質の高いセミナーがあちこち行われているので、時間がいくらあっても足りない。
一生に一度で結構と思ったが、帰る頃には、この世界から現実に戻りたくない、再び訪れたい。そんな想いに満ち満ちて。現実世界に戻れるか不安になった。単なる展示会では収まらない、写真付きの聖域だと痛烈に痛感して、雨の横浜を駅に向かって歩いていく。
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