凡庸”ニコン”雑記「営業利益」最近のニコンはカメラ一本で生きていく?
この間、YouTube番組のテレ東ビズで「一眼カメラ」復活! 高額でも品切れ…ハマる“沼”の世界【日経プラス9】」が配信されていた。
ここ数年、高性能なミラーレス一眼カメラが、高価にもかかわらず、品切れになる程順調に売れ、カメラメーカーの映像部門の業績がかなり上がっているとの特集をしていた。
ニコン、富士、キヤノンの3社の19年と24年(予想)の営業利益のグラフを出し、どれだけ成長しているのか説明していた。3社とも映像部門の利益幅が増えて、高級ミラーレス一眼カメラ市場の成長を見ることができた。
で、それは良いこととして、ちょと驚いた、いや、愕然としてしまったのが、ニコンの営業利益だ。
24年の予想が、富士やキヤノンが3000億と4000億なのに、ニコンは400億強。会社としての規模が全く違うので、比べるのは酷なことで会社の元々の規模をとやかく言うことは野暮。
逆に考えれば、富士やキヤノンと格段に違うのに、良くもまああんな素晴らしいカメラを出してくれるのだから、すごいもんだと褒める言葉しか出ない。
で、それならば、別に愕然ってことはない。
どこが、愕然としてしまったのかというと、カメラやレンズを作っている部門。これが、他のメーカーだと他の部門よりも小さいというか、他の部門がかなり売り上げを占めているのだが、ニコンの場合は、その他の部門がほとんど無い、薄っぺらい。
売上がカメラやレンズを作っている映像部門が全て。
Z9やZ8を発表し、その画期的な性能でニコン党のみならず、カメラ業界の全体を惹きつけた。まったく、ニコンのニの字も聞かなかった、YouTubeでもニコン愛を語る人が増えてきた。
これで、ニコンも安泰だな、とは、言えないのは正直な話。
写す環境次々と現状が変化しているし、単なる光学技術だけでなく、コンピューターやプログラムの性能が重要になっていている。ニコンがピントに四苦八苦しているのは、周知の事実。SONYやキヤノンなんかは、Ai技術を駆使して、一歩も二歩も先を歩いている。
世の潮流や技術の変化などを、ちょっと、踏み違えや方向の誤ったりすると、一気に奈落の底へ落ちて行く、不安定で気難しい世界となっている。
こんな世界の中で、カメラ一本と言うのは、なんとも心許ない。他人事とは言いながら、まがりなりにもニコン党。カメラが転けたらニコンも転けるなんてことは、考えたくもない悪夢だ。
19年には他の部門が600億あったのに、いったい何があったのかニコン?と言いたくなってしまう。それが、今じゃすっからかんになってしまったのだから、逆に、良くもこんな状態で、起死回生のZ9や8を出せたもんだと、ニコンの強運に感心してしまう。
かなり背水の陣で開発と経営をしているのを感じてしまう。
で、この間、「老人と文学社」というYouTubeを見ていたら、ニコンのZ8でリコールが発生していると言っていた。ストラップ取り付け部分が外れることがあるみたいだ。
ニコン党の人だったから、基本的には厳しく糾弾することはなかったが、60万ぐらいするカメラなんだからと、何度も言っていた。それに、ニコンの営業利益のことも話していて、無理な効率化とコストダウンの影響が出たのではみたいなことを、やんわりと言っていた。
それにしても、かなりニコンやばいんじゃ無いかと、思ってしまった。だけど、これだけの状況で、あれだけ素晴らしいカメラを出せるとは、奇跡みたいなもんで、光学技術の底時からがとてつもなくあると実感する。
そう言えば、いつもニコンはAEもAFもズームも他のメーカーが早々手に入れて本格化していたのに、いつまで経っても、見劣りするぐらいのカメラを作り続け、いやはやこれでとうとう歴史を作ったカメラメーカーも終わるのかと思っていたら、いつの間にやら復活していた。そんなもどかしいことばかりだった。
今回、なんとかZ9で息を吹き返した感じで、底力と強運を実感しているが、これからカメラ業界の荒波をどう超えていくのか、不安で仕方がない。ニコン党としては。他人事だけど。
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