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凡庸雑記「10年」人生の残り時間を考える

この間、友人と世間話していたら、彼が「俺の友人が58歳で子供を作った」と言い出した。男性だけどよくまあそんな歳で子供を作る勇気を持ったもんだと、驚いた。

Nikon Z6 NIKKOR Z 40mm f/2

どうも、奥さんが「あなたの子供が欲しい」と言ったようだ。

これまた凄いのかなんなのか、愛の力か、何かの力なのか。いやぁこの奥さんもただものじゃぁない。

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友人としみじみと話したのだけど、58歳といえば10年後には生きてはいないかもしれないお歳。成人した子供の晴れ姿を見られないかもしれない。それに、孫なんでもってのほかだ。(そんなことはないかもしれないけれど)

それが分かっていても、古臭い言い方をすれば、二人の愛の結晶を得たかったのだろう。考えるよりも感じろって、プルースリーの世界を二人は、いや、三人は生きたのだ。身もふたもない言い方をすれば、本能ってやつか。

Nikon Z6 NIKKOR Z 40mm f/2

ぐだぐだと、彼の友人のことを話のネタに話していたら、俺らも、10年生きちゃいないかもしれぬ。と、妙な具合に双方息ぴったりに声を出した。

そう、僕は50代後半。友人は60代前半。

Nikon Z6 NIKKOR Z 40mm f/2

体は絶賛ガタガタ中。それを、のらりくらりなだめつつ日々、過酷な労働に勤しんでいる。今のところは、動けてはいるが、これから大病をしたり、大怪我をしたり、する可能性はとんでもなく高い。そんな、お年なのだ。

Nikon Z6 NIKKOR Z 40mm f/2

人と言うは身勝手で、自分の未来はさほど気に留めない。だから、存分に自堕落に今を生きることが出来たりする。だけど、人生は有限なもので、こうして、人の子供がどうのこうの喋くっていたら、改めて、もしかしたらたった、そう、たった10年ぐらいしかまともな人生は送ることは出来ない。そう、知ってしまう。

Nikon Z6 NIKKOR Z 40mm f/2

10年、あっという間だ。さりとて、使い方によっては、自分を変えるには十分な時だ。そう、変えるには。でもだ、10年後、凄い人物と位置と、財宝を手に入れても、その瞬間ぽっくり行くかもしれない。

努力の結果の甘い蜜を、ゆっくりと舐め回すことが出来ないかもしれないのだ。

そんなことを考えてしまうと、ヘナヘナと腰砕けになってしまう。それに、それが、すこぶる上手くいった話であって、迂回や転換の余裕は全くありやしない。

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そんなことをうつらうつら考えていたら、50代ぐらいにクライシスに陥る人が多々あると聞いたことを思い出した。50代になると、さっき書いたように、10年の儚さをしみじみ実感する。

そんな時、自分と他人の差を見てしまう、環境や状況になると、絶対的に時間的に先行する人の背には届かないと、骨身に染みて実感してしまう。もっと上の世代になれば、完全に諦め、もがく精神も朽ち果てて、凡庸に生きることができるが、この、50代という中途半端な年代は、恐ろしいほどの底なし沼に身を浸すことになる。

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いつも見ているカメラマンのYouTubeでも、50代前半の時にかなりきついクライシスに陥ってしまったと言っていた。カメラマンや才能に物を言わせる職業は、努力云々では追いつけない差がある。残りわずかな人生の中、そんなもんを見せつけられると、背筋が凍るしかない。

ちなみに、話をしていた友人も、50代の時に大袈裟な言い回しだが、生きていく勇気が完全に萎え、精神が崩壊してしまったと。彼は図太いのかどうなのか、実際、繊細なところがあるからこんな状態になったのだけど、警察や役所などなどいろんな心あたりに電話をしまくったらしい。

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意外と、真意に話を聞いてくれ他のことで、君も、やばくなったら命の電話とかなんとか、片っ端に電話をしまくったらいい。どうしてみんな、ひどい状態になる前に電話をしないのか、電話口で喚きまくったら、ちゃんと聞いてくれるし、話すだけ話だら、気分はスッキリする。何よりも命が大切だから、体裁を気にしちゃぁいけないよ。と、かなり迷惑をかけただろうなあと思いつつ、彼の武勇伝を聞いていた。

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たかが10年、されど10年。踏ん張って生きてみなきゃと、考えさせられた友人との話だった。

Nikon Z6 NIKKOR Z 40mm f/2
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