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「刺さる」ゆるイラストを考える/絵が苦手でも簡単に描けるイラストの作り方(2)
「イラストを勉強するほどではないけれども、もし、イラストがサラッと描けたら楽しいだろうな」と感じている方に向けて、簡単にゆるキャラなどゆるいイラストを描く方法について説明をしたいと思います。
前回の解説では「刺さるイラストのポイント」について説明をしました。
1. 不安定さと安定感の作り方(作為的なラフさ)
2. モチーフと特徴があると伝えやすい
3. ゆる顔の描き方(ベビーフェイス効果とアニマルフェイス効果)
4. 心理的なキャラ色設定(色と性格の関係)
5. 人に好まれる色の傾向と形(認知心理)
6. 科学的「かわいい」の作り方
こんな感じです。よかったら詳しくはこちらをご覧ください。
今回は「基礎的な描き方手順」「絵心をあげる練習方法」を説明させていただきたいと思います。これはポーポー・ポロダクションが心理学・色彩心理学・脳科学の視点から、考えて実践してきた方法です。「絵が苦手でも簡単に描けるイラストの作り方(1) 」「絵が苦手でも簡単に描けるイラストの作り方(2) 」は、巷の書籍にあるようなものではなく、誰もが知り得ない内容が含まれ、ポーポーの研究の成果でもあるので、有料コンテンツになっております。早速、読んでいただいた読者の方からは
「市販のイラスト指南本にはない内容でとても激しく刺さっております!」「めっちゃ欲しかった話だー!!!!!!」(原文のまま)
という評価もいただいています。知っていると知らないでは大違いです。イラスト初心者をはじめ中級者の多くの方に見ていただけると幸いです。
1回目「刺さるイラストのポイント」
↓
2回目「基礎的な描き方手順」「絵心をあげる練習方法」←本原稿
では2回目の目次です。
○基礎的な描き方手順
1.なんでゆるイラストが必要か考える(「背景」と「目的」)
2.どんなイラスト、キャラを描くか
3.顔を描く、体を描く
4.表情のバリエーションを作る
5.目的別、色の設定
6.下書きから完成まで
○絵心をあげる練習方法
1.円と線を描く練習
2.周りの道具を利用する
3.真似をする
○練習問題(添削サービス付)
○基礎的な描き方手順
1.なんでゆるイラストが必要かを考える(「背景」と「目的」)
ゆるキャラ、ゆるイラストを何も考えずに心の赴くままに描いても良いとは思います。イラストを描きたい気持ちに制限なく描くことは良いことです。でももし、商業的に使いたいと考える場合は、なんでゆるイラストが必要かを考えることが大事になります。
たとえば「自分の個人的に仕事で使うときに使うキャラクターにしたい」「ゆるイラストを自分のロゴみたいに使いたい」など、どう使うかを整理するところから進めるほうが明確になり、使いやすくなります。ここで大事なのは「見た相手がどう感じるか」であり、それを作るために「背景」と「目的」を考えます。
なぜそのイラストを描くのか、背景と目的を考えていきます。そこで、ポーポーが描いた「アマビエさん」と「ウラオモテヤマネコ&シキサイ」という二つのゆるキャラクターを例にすすめてみます。
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アマビエさんを描いたのは、新型コロナウイルスが蔓延する自粛期間でした。ここで世の中が暗く、不安になっているから、その雰囲気を打開して明るくしたいという気持ちがありました。これが制作の「背景」です。そこで見た人を明るい気持ちにする、安心感を持ってもらいたいという「目的」を持つイラストを描こうと考えました。
ウラオモテヤマネコ&シキサイは、『決定版 色彩心理図鑑』に登場するナビゲートキャラクターです。このキャラクターは「色彩心理図鑑」という本を出すという「背景」において、キャラクターを通して色の面白さと楽しさを伝える存在が欲しいというところから生まれたものです。「背景」があることで、何が必要が見えてきます。「目的」があることで、イラストをどう使うか、そのためどういう機能が必要か、どう感じてもらえるイメージが必要かが見えてくるのです。
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