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「魅惑の心理」マガジンvol.261(ニュースな心理学/2024年12月パート2)

ニュースの中に見える人の複雑な心理を解説する「ニュースな心理学」です。読者の方から、ここで書いたことが「指摘していた通りだった」「予想されていた通りになった」という声をいただき、もっと読みたいという声をいただき、いい気になりまして今月2回目です。

報道されているニュースを心理学の視点で見るとまた違ったものが見えてくるかもしれません。謎に満ちた人の行動、その中に何かしらのメカニズムや本当の感情を見出せば、私たちの日常にも役立てられるかもしれせん。

では今回のラインナップです。

・年収の壁の協議で透けてくる政治家の本音
・中学生殺傷事件の容疑者について
・人はなぜ忘年会をやるのだろう
・前澤さんの新サービスを心理学で解説(追加12/24)

・年収の壁の協議で透けてくる政治家の本音

年収の壁の協議を進めたり、頓挫したり、また再開したりと忙しいですが、政治家の発言を聞いているとたまに本音が出てくるので、そこに注目するようにしたいです。人は緊張状態でいると、言葉にも細心の注意をはらいますが、おごったり、適当に向き合っていると、ぽろりと本音が溢れてきます。

一連の協議で印象的だったのは、自民側が金額123万円を提示し、国民民主が呆れて席立ったことに対し、自民宮沢洋一税調会長は「誠心誠意、対応してきたつもりだ」と話していました。この「誠意」ってなんでしょう。言葉のニュアンスのあげ足を取ることには意味がありませんが、これどう考えても国民民主への「誠意」でしょう。予算に賛成してほしいから、誠意を見せているということを恥ずかしげもなく言ってしまっているのです。この話の本質は「国民が物価高などで困っているから、どうにかしてよ」という話であって、国民民主は起案者であり、国民民主がどうのこうのではありません。そして、壁の設定金額は誠意で生み出すものではありません。税金や社会保険料の負担が生じる一定の年収額の境目が、偉い人の「誠意」で決められているのは驚きですよ。

そしてもうひとつ、中長期で成長を目指す国民民主と対照的に自民は短期的に税収が減るリスクに強い拒絶感が見えますね。消費税を社会保障費と言っておきながら、別な用途に使う人たちですから。使うのは得意でも、お金のやりくりをするのが本当に苦手なんですね。そういうところとリンクして見るとふーんって思ってしまいます。


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