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「魅惑の心理」マガジンvol.251(2024年、人はどう変化しているのか)

人の性格や行動・思考パータンはゆっくりと変化を続けています。よく言われるのが「最近の若いものは」と表現される若い世代の変化です。時代の変化による行動・思考パターンは、若い世代から変化しているような文脈、それもネガティブな切り口で語られますが、ポーポーが調べる限り、若者だけでなく他の世代の人も変化をしており、見えやすいこと、分かりやすいこと、変化しやすいことに加え、固定観念からネガティブな引用をされ、「最近の若いものはなってない」のようなことを言われます。実際は、様々な影響を受けて、あなたも私もみんな変化しているのです。

人の変化を観察してきたり、様々な業界から寄せられてきた「人の変化」、人に関する相談をまとめて、今回の魅惑の心理マガジンは、人はどのように変化しているのかに迫りたいと思います。

(目次)
1 情報に対しての受け身姿勢と自己完結化
2 低下する認知機能、想像する力
3 他人の視線を意識できない人の増加
4 目立ちたくない人
5 お客様は神様症候群


1. 情報に対して受け身の姿勢と自己完結化

世の中はとても便利になりました。スマホの登場により、私たちは様々な情報が溢れ、情報の鮮度は「その日」から「とのとき」に変化しています。リアルタイムで更新される情報の中で私たち生活しているのです。感度の高い人のその中で、興味があるものをさらに詳しく調べたり、詳しい情報をとりに行く人もいます。人は自分が興味ある情報に敏感になる一方で、あまり興味のない情報が増えてくると、それを空気化(気にしなくなる)する傾向があります。一般的な情報に対して受け身的になり、積極的に調べたりするようなことをせず、情報の受け身の姿勢が進みます。脳は全ての情報に反応してしまうとかなり疲労してしまいます。これは過度に脳に負担をかけないための防衛反応とも言えるかもしれません。このような現象は映像作品などを見る際にも、必要なものだけ見て、その他のものを見ないようにする現象でも現れることがあります。

この傾向を助長してしまう仕組みもあります。インターネットでは、アルゴリズムがネット利用者個人の検索履歴やクリック履歴を分析し学習し、個々のユーザーの見たい情報(興味があると思われる情報)が優先的に表示され、その他の情報は次第に隔離され、自身の考え方や価値観の中に孤立するという情報環境が出現します。これがフィルターバブルと言われるもので、私たちはその環境をさも世の中の姿であると誤解します。

この与えられた情報でものを判断するようになり、手の届くもので判断をするようになってしまうのです。そうして疑問を持たずに自分の都合の良いように自己完結する姿が見られるようになります。

確かにこの傾向は若者に多く見られますが

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