「魅惑の心理」マガジンvol.92(コロナ禍での行動傾向〜行動経済学〜)
東京では連日2,000人以上の感染者数が出て、首都圏では非常事態宣言が出ていますが、沈静化まではしばらく時間がかかりそうです。新型コロナは様々な影響を与え、経済活動にも大きな影響を与えています。
私たちはしばらくコロナと共に生きていかなくてはなりません。そんな環境下で人は合理的に動くかというと、そんなことはありません。様々な影響を受けて不合理な活動を取ることが知られています。行動経済学はそうした不合理な人の経済活動ほ知るのに役立つものです。行動経済学とは理論ではなく人のリアルな経済活動を研究する学問です。表現を変えるとリアルな人の行動を考える経済心理学ともいえます。2021年1月16日(土)には「コロナ禍で生きていくための行動経済学」と題して、オンラインセミナーを実施し、コロナ禍で生きていくための行動経済学、経済心理を考えてていきたいと思います。
セミナーの案内、招待状のリンクはこちら下記をご覧ください。「魅惑の心理」マガジンを定期購読していただいている方は、無料で見ることができます。↓(セミナー参加予定の方、後日セミナー動画を見ようと思っている方は定期購読のお申し込みをお勧めします)
そして今回は「魅惑の心理」マガジンでは、1月16日のセミナーの予習として人がとる「コロナ禍での行動傾向」をまとめていきたいと思います。この知識を知ると知らないでは、大きく生活スタイルが変化するはずです。
○コロナ禍の人の行動傾向
・危険を安く見積もる(正常性バイアス)
私たちは大きな危険に遭遇したときに、「これは異常事態だ」と考えることよりも、「そんなことが起きることはない」「たいしたことない」と正常の範囲内のことだと考えてしまう思考、認識の偏り(バイアス)が働くことがあります。これを正常性バイアスといいます。端的に言ってしまうと「平和ボケ」です。たとえば水害がある危険を告知されても根拠なく「まあ大丈夫だろう」と考えたり、感染の危険性を伝えられても「自分は大丈夫」と思ってしまいます。
非常事態宣言が発令しても、今そこにある危機に対して深刻に考えることなく「自分はコロナにかからない」「かかっても大丈夫だろう」と危険を安く見積もる人が多くいるのです。
ここには危険に対して麻痺をしてしまっている人の感情があります。「危険だ」という思考を常に持つと心が辛くなります。そこで心を和らげるためにも楽観的な思考を選ぶようになるのです。また恐怖や不安が強すぎると、それを受け入れられなくあえて、無視する心理が働いてしまうのです。
現代人は非常スイッチが入りにくくなってしまったといえます。原始人なら火山噴火の兆候などは、温度、動物の行動、匂い、微妙な日常の変化から察知できたと考えられます。しかし、現代は情報が溢れすぎていて、人はなんでも知っている気になります。ところが多すぎた情報は無視されているだけで、人は敏感さを失ってるのです。情報が多いことは必ずしも良いことではないのです。
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