見出し画像

「魅惑の心理」マガジンvol.256(コスプレをしたくなる心理と見たくなる心理)

今年も10月31日のハロウィンになると街にはコスプレをしている人で溢れました。若い世代が友達同士でしている人もいれば、親子でしている微笑ましい光景も見かけました。私も恥ずかしながらおじさんのコスプレをして過ごしました。はい1年を通しておじさんのコスプレをして過ごしています。

ハロウィンのお祭りでは、魔女や吸血鬼、ゾンビなどの仮装をする風習があり、日本でも広く仮装をしてお祭りを楽しむ人が増えてきました。いつからこのような仮装が始まったのかは、諸説ありはっきりとはわかっていません。はるか昔、古代ケルト民族が収穫祭で悪霊から身を隠すために仮面をかぶったことがその由来ではないかと語られています。ハロウィンはキリスト教の万聖祭の前夜祭を由来としますが、万聖祭を祝うことはありませんから、前夜祭だけが残っているような形です。面白いイベントです。

メイクのひとつである口紅も古代では、昔は口から悪霊が入らないためのまじない、装飾が発端と考えられていていましたから、悪霊と仮面、仮装の関係は信憑性を感じます。

日本のハロウィンは1970年代ごろから商戦のひとつとして普及し始めていきました。最初はあまり馴染みがなかったと記憶しています。私が20代の10年前はまだ普及しておらず、あれ、20年、ん、もう少し、もっと前かもしれませんが、その頃は一部の盛り上がりのみで、それからテーマパークなどが本格的にイベント化する中で、今ではすっかりと定着したイベントになりました。10月末は年末のクリスマス商戦の前に商業施設を盛り上げるのにとても都合が良い時期でもあるのです。

このハロウィン、コスプレを趣味としている人でなくても、ハロウィンになるとコスプレを着る人が増えます。これはどういう心理からきているのでしょうか。また、自らが着るだけでなく、コスプレを見るのが好きという人もいます。これもまたどのような心理なのでしょうか。コスプレを「する」心理はよく語られることがありますが、「見る」心理はほとんど語られることがありません。そこで、今回はコスプレをしたくなる心理を解説しつつ、「コスプレを見たい」という人の個々の人の心の奥を探っていきたいと思います。すると面白いことに、コスプレをしたいと考えている人と見たいと思う人の間に不思議な関係が生まれることが見えてくるのです。人の心の奥が見える「魅惑の心理学」、今回はコスプレをしたくなる心理と見たくなる心理を解説します。

ここから先は

4,274字 / 1画像

¥ 300

期間限定!Amazon Payで支払うと抽選で
Amazonギフトカード5,000円分が当たる

いつも応援ありがとうございます。 みなさまからいただいたサポートは研究や調査、そしてコンテンツ開発に活かしていきます。 ミホンザルにはバナナになります。