オペアンプによるオーバードライブの基本回路
多くのオーバードライブエフェクターは、
オペアンプによる回路で構成されています。
一般的に、オペアンプの基本回路は限られており、
それに基づいて多くのエフェクターが作られています。
オーバードライブ回路に使われる基本回路は
下記のようになっています。
この回路では、バッファードバイパス仕様で使われる
初段と最終段のバッファは表記していません。
<電源設定>
エフェクターの駆動には一般的に+9Vが使われます。
オペアンプは両電源仕様のものが使用されるため、
エフェクター回路では+9Vから+4.5Vを生成し、
それを疑似GNDとして利用しています。
<初段オペアンプ回路>
初段のオペアンプ回路の主な機能は下記の通りです。
a. ダイオードクリッピングによる歪み生成
ダイオードにより信号レベルを制限することで
出音が歪み、オーバードライブトーンを生成します。
上記回路図ではダイオード1段の対称クリッピングと
しました。ダイオードを両方2段にした2段対称
クリッピング、一方のみ2段にした非対称クリッピング
に設定されたエフェクターもあります。
b. ハイパスフィルター
回路中のR2とC2で低域周波数の制限値を設定します。
これによりトーンの低域のキャラクターを設定します。
c. 信号を増幅する
この回路は増幅回路となっており、ダイオード
クリッピングの効き具合をコントロールします。
信号が大きくなるほど歪みが大きくなります。
<ローパスフィルター>
回路中のR1とC1で高域周波数の制限値を設定します。
これによりトーンの高域のキャラクターを設定します。
<後段オペアンプ回路>
この回路図ではバッファを設定しました。後段接続に
よる信号劣化を防ぐ機能があります。エフェクターに
よっては、この回路にトーン調整機能を持たせたり、
増幅機能を持たせるものもあります。
<ボリューム回路>
出力レベルの調整を行う回路です。
上記がオーバードライブ回路の基本構成となります。
次回は回路のチェック方法については説明します。