![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/135337869/rectangle_large_type_2_99dc8a3c93a0f4a492f390e78d2fd7ed.jpeg?width=1200)
エフェクターにおけるハンドワイヤリングのメリット
ブティックペダル業界ではプリント基板を使用せず、
ハンドワイヤリングやポイントtoポイント結線で組まれた
回路をセールスポイントとする製品が見られます。
チューブスクリーマではハンドワイヤリング版の
TS808HWという製品も販売されていました。
![](https://assets.st-note.com/img/1711586397945-tcQRLsNaky.png)
エフェクターにおけるプリント基板とハンドワイヤリングの
メリット・デメリットを考えてみました。
<プリント基板のメリット>
・安定した品質
配線長が均一のため個体差がない製品にすることが
可能。
・コスト
機械による部品実装が可能であり、製作の手間が
かからず人件費削減、低コスト化が可能。
・耐久性
レジスト塗布により配線の酸化による信号ラインの
劣化を未然に防止でき、耐久性に優れている。
<プリント基板のデメリット>
・信号伝送のロス
基板配線のインピーダンスや浮遊容量による信号伝送の
ロスが音痩せを発生させる。
プリント基板では、ある程度の音の劣化には目を瞑り、
量産性とコストを優先したものと言えます。
これにより我々はエフェクターを数千円~で入手できます。
<ハンドワイヤリングのメリット>
・信号伝送ロスの低減
配線の低インピーダンス化、浮遊容量の低減が可能で
あり、信号伝送のロスを排除し、音痩せのないヌケの
よいサウンドを実現できる。
<ハンドワイヤリングのメリット>
・不安定な品質
配線長が均一でないため、個体差が発生しやすく、
製品の当たり・はずれが出やすい。
・コスト
手作業による製作が行われるため、人件費が増長し
コストアップ~販売価格が高くなる。
・耐久性
酸化によるダメージを受けやすく、ハンダクラックや
断線、また配線のインピーダンス増長が発生し、製品の
劣化が起きやすい。
ハンドワイヤリングによるものは音の良さが
期待できますが、製品が高価になってしまうこと、
またプリント基板品に比べ故障が発生しやすくなるという
欠点があります。
音質を考えるとハンドワイヤリングが
いいかもしれません。ただし、購入時の価格に納得が
いくものなのかはよく考えないといけません。
今後、人気エフェクターのハンドワイヤリング版を
作ろうかと思います。