RPのすゝめ 初級編
まえがき
お疲れ様です。Rです。
書きたいことがまた湧き出てきたので書かせていただきます。
今回はRPについてのお話です。「初級編」と銘打ちました通り、初心者さん向けの内容のつもりです。
※この記事の内容は主にCoCでのRPに関する内容です。他システムについては考慮しておりません。
「PL」と「PC」って?
突然ですが、「PL」と「PC」という言葉をご存知でしょうか?
恐らくこの記事を読んでいる殆どの方がご存知かと思いますが、念のため。
PLはPlayerの略で、TRPGをプレイしている人その人を指します。感覚的には「中の人」に近しいですね。
うちの動画で言うところの「ぱってん」「R」「御御御付」などが該当します。
PCはPlayer Characterの略で、セッションにて実際にシナリオの中に存在している人物のうち、PLが操っている人物を指します。いわゆる「探索者」というやつです。
うちの動画だと「アズ・ノーウィン」「物部詩葉」「羽根田渦」あたりですね。
(良ければ動画の方もご視聴ください)
ゲームをプレイする上で把握しておくべきこと
突然ですが、ゲームをプレイしているPLとして最もやってはいけない行為はなんでしょう?
様々な意見があるとは思いますが、私は「ゲームを進めることを放棄すること」だと思います。
少々深掘りしましょう。ソロでやるor敵対しているならば話は別ですが、複数人でプレイしている場合、CoCは基本的に他者と協力してシナリオをクリアするゲームです。
そこで、自分のやりたいことを優先しすぎるあまり、ゲームとしての進行が滞ってしまったらどうでしょう?
あなたのその行動は、自分自身のキャラを含む参加探索者全体の首を絞めることとなり、同卓者全体に迷惑をかけていることになるのです。
もちろん、特定の拘りや執着があり、「どうしてもできないこと」はあるでしょう。
しかし、絶対にできないことと決めつけ、その行動を頭ごなしに否定してしまうと、シナリオはその先に進まなくなってしまう可能性があります。
そのような時は同卓者に一言相談するだけでも変わると思います。
卓における脳みそはあなただけではありません。他者の助けを借りることも立派な選択です。
長々と話しましたが、この先に記載されている内容は、「PLがシナリオを進めることを放棄しない」と言う前提のもと記載していますので、よろしくお願いします。
PLとPCを区別しよう
さて、用語としての意味は皆さんご存知かと思いますが、実はRPをする際、これをごっちゃにしている人が多いのです。
例えば、あなたが使用しているPCが「人と群れることを好まない孤高のアーティスト」という性格だったとしましょう。
そして、KPからシナリオの導入にて以下の文章が読み上げられたとします。
「そんな探索者の元に、突然数人の男たちが訪ねてきます。
彼らが言うには、『我々と共に、ある作品の合作に参加して欲しい』とのことです。」
さて、この際、このアーティストPCはどのような反応をするでしょうか?
あくまで私見ですが、少なくとも一度はその男たちを拒絶するような反応を見せると思います。
そもそも、突然複数の男が訪ねてきたと言う時点で怪しさ満点ですし、他者との関わりをあまり好まない性格ならば一度突っぱねてもおかしくはありません。
「突然やってきて、合作に参加しろ?
君たちは何を言っているんだ?できるわけがないだろう。」
口調は適当ですが、こんな風に返すのではないでしょうか。
もちろんPLの視点ではこれがシナリオの導入であることがわかっており、この誘いに乗らなければシナリオが進行しないことは分かりきっていると思います。
しかし、あくまでそれはPL視点での話。PC視点ではそんなことは全く知らないのが当然でしょう。勿論、ゲームの進行に関わるかどうかなどPCの思考にあるわけがありません。
「しかし、男性たちはそれでもとしつこく食い下がってきます。」
というKPの誘導を経た上で、
「…仕方ないな、見るだけ見てやるか。」
と、PCは渋々承諾し、シナリオ本編に入る、というのが自然な流れではないでしょうか。
RPの基本は、「キャラクターを演じる」ことです。
そのためには「このPCはどのような人格なのか」「何を知っているのか」などの、PCについての理解が必要不可欠となります。
その理解がなければ、そもそもRPができません。
同じ事象でもPCによって反応は変わる
AとBという二人の探索者がいたとしましょう。
AもBも、ステータスや技能値は全く同じです。異なるのは、置かれてきた環境、もとい歩んできた人生のみです。
Aはバリバリに裏社会で生きてきたヤクザ。人を殺したこともありますし、銃器や日本刀が飛び交う戦場に身を置いたこともあります。
一方のBは普通の高校生。都内の私立高校に通っており、それなりの成績。暴力沙汰などには巻き込まれたことすらありません。
そんな両極端なPCがカルティストに襲われている時に、目の前に偶然拳銃が現れたとしましょう。
Aは何の躊躇もなく拳銃を取るでしょう。
カルティストどもにも、多少の警告はするでしょうが、警告に応じないとなれば同じく躊躇せずに発砲するでしょう。
しかしBはどうでしょうか。実銃なんて見たこともないでしょうし、使い方も「トリガーを引けば弾が出る」くらいしか分からないと思います。
咄嗟に取ってしまうかもしれませんが、少なくとも「本当に持っていて良いのか?」という疑念は浮かぶはずです。カルティストどもに発砲するかどうかも、かなりの葛藤があるでしょう。
と、このように、ステータスや技能値が同じで、更に置かれている状況が同じでも、探索者の歩んできた経験によって反応は変わります。
これを理解せずに、「カルティストに襲われているんだから」ということの一点のみで、探索者の性格や経験を顧みずに拳銃をバンバンぶっ放す探索者が非常に多いのです。
普通の人間はピンチに突然拳銃が現れたからと言って、ノータイムでカルティストを躊躇なく撃ち殺したりはしません。
一度、そのPCならどう動くか?を考えるのが大切です。
PC視点にこだわりすぎると破滅する
…と、ここまで散々「PC視点からものを見ろ」と書き続けてきましたが、実はPC視点にこだわりすぎるのも、とても危険な行為です。
物語を進めるためには、多少のメタ視点は必要です。
例えば、「暗いところが苦手」な探索者がいたとして、「目の前の暗所に情報があることが確定している」状況だとしましょう。
その際に、「暗いところが苦手だから情報を見て見ぬふりをする」というRPをしてしまうと、その情報を得る手段がなくなってしまいます。
システムにもよりますが、少なくともCoCにおいて情報はとても大事なものです。
この場合、ゲームクリアや生還を目指すなら、「暗いところは苦手だが勇気を振り絞って足を踏み出す」というRPをしてKPに判断を仰ぐか、或いは近くに仲間がいるならば「暗いところが苦手だと仲間にカミングアウトして協力を仰ぐ」というRPもできるでしょう。
何れにせよ、ゲームクリアや生還を目指すならばRPにはメタ視点も必要となってきます。
もちろん、探索者によっては、過去の出来事から絶対に超えられない一線があったり、信念として絶対にやることができない行動があったりするでしょう。
そこを破ってまでゲームクリアに固執しろ、とは言いません。そもそもTRPGをやっている以上、演じるべき対象は血の通っている人間であるべきです。
しかし、だからと言ってクリアすることよりもキャラクターロールを優先しすぎると、得るべき情報や助けるべき存在を拾えず、それどころか自らの行動により破滅に向かってしまうことも多々あります。
少なくとも、「このシナリオの終着点をどこにしたいか」を意識しておくと、そこまでどのような道筋を辿れば良いのかが見えてきます。
過度なメタプレイはセッションをつまらなくしますが、目的も何も無しにぶらぶらとやるセッションも、集中力が切れてしまいます。
特にRPというのは一人の人間を理解し演じる行為ですから、余計な体力を使わないためにも目的を決めておくことは重要です。
健全なコミュニケーションのために
CoCに於いては、情報を得るという点や、PC/NPC問わず他人からの信用を得るという点で、他の人間との健全なコミュニケーションが非常に重要です。
キャラクターロールはTRPGの醍醐味であるとはいえ、不健全にやりすぎてしまうとシナリオの進行に影響を与えるだけでなく、同卓者に多大なる迷惑をかけることにも繋がります。
もちろん、キャラごとの人格の違いや個性を無視し、どんなキャラを使っていても全く同じようなRPをすることも問題です。
キャラクターロールとメタプレイのバランスは卓内の雰囲気やメンバーがどこまで許容するかにもよりますので、遊びながらバランスを探っていくのが最善でしょう。
あとがき
いかがでしたでしょうか?
今回は、RPをする上で意識すべき点を簡潔にまとめてみました。
システムによっては、メタプレイを一切せずとも、PC視点でキャラクターロールをすることに集中すれば物語が進むものもあります。最近はCoCでも「エモシ」や「初心者向けシナリオ」、「一本道シナリオ」などでそのようなシナリオが増えてきていますね。
しかし、少なくとも公式サプリに掲載されているようなシナリオは、多少なりともメタプレイをしなければクリアできないものだと思います。新規探索者が神話的事象に遭遇した場合、キャラクターロールに拘るならシナリオが進まなくなることの方が多いでしょうしね。
というわけで、この記事が皆様のCoCライフの助けになることを祈っております。
中級編はまた気が向いたら執筆すると思いますので、よろしくお願いします。
では、またどこかで。
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