ダメ出し
サッカー経験中学までで、全国大会出場者の多数いるチームに入れてもらって活動をしていた。骨折の影響はさすがに大きく、セカンドボールには最初にタッチできるもののなかなか得点を奪うことができずスタメンから外れていた。チームはかなり強かった。
常に何となくふわっときて、すずーっと行って、ドスンと決めてきたので自分では全く修正が利かない。いけたかと思うとゴールポストに当たっていた。そしてセカンドボールは触れるのだがパスがなかなかもらえない。
ある日の試合は後半からの出場で、ボールは元JFLのひとがさばいていた。なかなかうまくパスがもらえないまま、試合が終わろうとしていた。プレーが途切れたところでちょっと、と呼ばれた。
「あのー、プレースピードが違いすぎてパスがぜんぜん出せないんですけど、このレベルでその速いプレースピードだと誰もついてきませんよ?」
私としては普通のことを普通に処理していたはずで、人のばらけ方や向いてる意識を総合するとパスの出どころや向かう方向が決まってくるのでそうしているだけで、決して何かを考えているわけではなかった。南米の選手だと気持ちよくパスをもらえていたのはイメージが共有できていたからだったのだ。しかし普通にパスをもらっても次に繋がるイメージが全く持てず、後ろに返してしまうことが多い。セカンドボールはこぼれてくるものなので、なるほど、だれも手を加えたいわけではないから私の前に必然的に転がって来るのだ。
そこが高い評価を受けながらも試合には出せないと干され続けたことにつながるのだろう。
結局、少しぬるめに走り出してパスは通ったもののフリーでもらえないため(技術的に)次に繋がらず、これなら大人しくセカンドボールを決めた方がいいなという結論になった。しかしそこが問題で骨折の古傷がなかなかうまく動いてくれないのだった。最初の試合で受けた傷が癒えることはこの先にもなかった。