見出し画像

小豆餅80's - 小粋な手品師

話を始める前に、以前書いたある濡れた幽霊の話を公開した直後、妻の顔面に痙攣のような症状が発生して、一週間経っても治らず、妻は眼科に行っても異常がないと言われ、脳まで心配し始めていました。話の投稿後、妹にそういった話を公開するのは霊に怒られるから気をつけなと言われたのを思い出し、試しに投稿を非公開にしてみました。すると痙攣が治りましたので、そういう事だと理解しました。はい。

話を変えて本題です。この前夕食の際に、一品料理とご飯で食べるような、ある種質素倹約なメニューを家族5人で啄んでいたのですが、私の中で現在の質素の対比として、過去の、子供時代の裕福だった頃の出来事がふと湧き上がってきました。これは私にとっては特にネガティブな意味もなく、フラットな気持ちで金持ちの食卓を思い出すことがたまにあります。今になっては、質素な食卓を仲良く囲むことに勝るものはないと分かってはいます。

小学生の頃、80'sですが、私は年に何回かフランス料理のフルコースを家族で食べに行っていました。UFOや幽霊関連のイベントに加え、おやじはレストラン企画的なビジネスにも関わっており、浜松にある今は無き某レストランに時々家族を連れて行きました。そこのレストランは一般客エリアの奥の方に離れがあり、そこでは予約客がナイスな環境でナイスなフルコースみたいな料理を食べているのですが、そこに我々家族は何回か通されて舌鼓を打っていました。料理長のフランコさん、元気でしょうか。

ある日、おじいちゃんおばあちゃん、そして私たち家族でフルコースを食べに行きました。特に好きではなかったオシャレなディッシュをペロリと食べて、デザートも食べて、腹をぺんぺんなどとやっていました。私のおじいちゃんは某新聞社の創設者なのですが、そこ頃は引退して手品師になっていました。とはいえプロまではいかず、趣味が高じてNHKの手品番組に出ている事はVTRで確認したことがあります。

そのおじいちゃんはフランス料理のフルコースが終わると、私の前にクシャクシャに丸めたティッシュペーパーのようなゴミを置きました。なにこれ?という私に向かって、フッと息を吹きかけてごらんと言います。私はよくわからずに息を吹きかけます。するとその紙が一瞬でボワっと燃え上がります。(レストランで何やっとんねん)驚く私が目を瞑り、そして気づくと燃えカスの代わりに一万円札が置いてあるのです。手品師のおじいちゃんによる小粋なお小遣いだったのでした。

私の子供達にはそんなおじいちゃんはいません。おじいちゃん自体いないのです。フランス料理もなければ、手品も一万円もないのです。誠意はあります。誠意って何ですかね?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?