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地獄に堕ちたかつての英雄…アルスター伝説「クー・フリンの幽霊戦車」

アイルランド伝承「クー・フリンの幽霊戦車」のガバ訳。地獄に落ちたアルスターの英雄、クー・フリンが聖パトリックの力で蘇り、エーリゥ(アイルランド)の王ロイガレにキリスト教への改宗を迫るお話です。

この物語のクー・フリンは、地獄の苦しみに耐えきれず聖パトリックに許しを請うという、少々弱々しいキャラクターになっています。英雄クー・フリンの活躍を知る人からすれば、「こんなのクー・フリンじゃない!」と思われるかもしれません。

しかし、「クー・フリンの幽霊戦車」は「クアルンゲの牛捕り」と同様、アルスター伝説の原典とも言える写本、『赤牛の書』に含まれる物語。成立時期も10世紀~11世紀ごろと、れっきとしたアルスター伝説のひとつなのです。

無敵の強さを誇った英雄が、過去を懐かしみながらもキリストの教えに反する生き方だったことを悔やんでいる…どこか儚げなクー・フリンも、この物語を読めば彼の一側面として愛おしく感じられるのではないでしょうか。

古代ゲール世界とキリスト教を繋ぐ者として生まれ変わったクー・フリンの物語、ぜひお楽しみください。

誤訳指摘していただけると土下座して喜びます。

元文はこちら


SiaburCharpat Con Culaind
The Demoniac Chariot of Cu Chulaind
クー・フリンの幽霊戦車
12世紀の写本『赤牛の書』より


聖パトリックは、エーリゥ王の信仰を禁ずるためタラに赴きました。タラの王、すなわちNiallの息子ロイガレ、時のエーリゥ王だった彼の元へ。彼は以前にも聖パトリックの説教を受けたのですが、どうしても主を信じようとしなかったのです。

ロイガレは聖パトリックに言いました。

「わしはそなたや神とやらのことなど、決して信じはせんぞ。その威厳の下にクー・フリンを目覚めさせるまではな。物語に記された彼を見られるのなら、ここにいるわしの面前で彼に話をさせられるなら、そなたのことを信じてもよい」

「そのようなこと、神ならば可能です」

聖パトリックは言いました。

その後、神に遣わされた一人の使者が聖パトリックのもとにやってきて、翌日までRathの城壁、すなわちタラの城壁に留まりなさい、そこにクー・フリンがやってくるだろうから、と伝えました。

こうして、戦車に乗ったクー・フリンがロイガレの前に現れたのです。その後、ロイガレは聖パトリックのもとへ話をしに行きました。

聖パトリックはロイガレに言いました。

「貴方の前に、何やらが現れましたかな?」

「確かに、確かに何かが見えた」

ロイガレは言います。

「だが、わしにはそれを話す力がないのだ。そなたの印がなければ、そなたがわしの口を清めてくれねば」

「それはできません」

聖パトリックは言いました。

「我が求めを有するまで、貴方の口に印は付けられません。しかし、現れたものの様子を伝えるためなら、貴方の口から出てくる空気に印を付けてあげましょう」

「あれは、そう」

ロイガレは言いました。

「戦車の坂を越え、平原のSidの丘に向かっていた時だった。Mac Indoc平原の集会所の高原で、二重棘の槍のような、身をつんざく冷たい風を見たのだ。風はわしらの髪をほとんど奪い去り、彼方へ通り過ぎて行った。わしはベネンに風の意味を尋ねた」

ロイガレは続けます。

「ベネンはわしに言った。"あれは地獄の風だ。クー・フリンの前にある地獄の扉が開いたのだ"と。すると、頭上に濃霧が立ち込めてきた。わしはまたベネンに霧の意味を尋ねた。ベネンは、"あれは目の前の平原を横切っている、馬と男たちの呼吸なのだ”と言った」

「今度は鳥の大群を見た。その場所は鳥で満ち、彼らの高さに合うよう天の雲の中にあった。わしはベネンにこの事象について尋ねた。ベネンは、彼らはクー・フリンの戦車の下に生えていた、馬たちの蹄に散らされた芝草なのだと言った。それからわしらは霧の中に、簡素な戦車に乗った男たちと、馬の群れの形をしたものを見た。首領の霊であろう一人の戦車乗りが、集団後方の高い場所に構え、馬たちが小道を駆けていた」

「わしは二頭の馬を見た。同じ大きさで、同様に美しかったが、色と形が異なっていた。調和のとれた動きをする駿馬で、蹄は幅広、背は広く、鋭く、頭は高く、活発で、鼻先は細く、怒りに満ちていた。印象的なほど美しい色、誇り高く苛烈で、たくさんの小さな斑模様。頭は小さく、背は高く、敏捷な動きで目を引いた。胸は赤く、大きな唇に大きな瞳、なめらかで、ぐらつかず、軽々とくびきを持ち上げ、鋭く剛健で逞しく、調和のとれた美しい巻き毛のたてがみがうねっていた」

「二頭の馬の後ろには大きな戦車。二つの固く黒い車輪は、二つの対照的な縁に彩られ、真っ直ぐで硬い剣の軸が掛けられていた。二本の美しくしなやかな手綱に、白銅の小枝が付いた白銀の棒。固く隆起した輝く黄金のくびきに、紫の覆いがかけられた緑の服飾品が備わっていた」

「戦車の中には英雄がいた。頭髪は黒く太く、その滑らかさに、わしはつい牛が舐めたようだと想像した。灰色の瞳は油断なく周囲を伺い、白金の縁に彩られた青紫のチュニックをまとい、胸の上には赤金のブローチが飾られ、二つの肩まで広がっていた。白いフードの付いた外套は、燃えるような赤で縁取られていた。二つの腿の上には黄金の柄が付いた剣が横たわり、手には灰の柄が付いた灰色の槍が握られていた。傍らには攻撃用のダーツがあり、二つの肩の上には、黄金の動物の輪と、銀の輪が付いた紫の盾があった。口の中はまるで真珠の雨が投げ込まれたようで、二つの眉は黒い料理用串の側面より黒く、唇はルビーよりも赤かった」

「英雄の前には御者がいた。大変細身で背が高く、身を屈めたそばかすの男。頭の上には真っ赤な巻き毛、額には白い青銅の枝輪があり、顔に髪がかかるのを許さなかった。両耳の上には黄金の玉があり、彼の髪を束ねていた。翼の付いた小さな外套は、両肘の上に開口部があり、手には馬を急かす赤金の鞭が握られていた。あれはまさにクー・フリンと御者ロイグ、戦車に繋がれているのはマハの灰色とセングレンの黒、わしにはそう見えたのだ」

「これからは神を信じますね、ロイガレ」

聖パトリックは言いました。

「クー・フリンがあなたと話をしに来てくれたのですから、そうでしょう?」

「わしが見たのがクー・フリンだとして、話す時間が短すぎやしないかね」

「神は強大です」

聖パトリックは言いました。

「もし彼がクー・フリンなら、再び貴方の前に戻り話をしてくれるでしょう」

その後も同じ場所にとどまっていると、2頭の馬と、御者であるリアンガヴラの息子ロイグ、戦士クー・フリンが乗った戦車が平原にやってくるのが見えました。

クー・フリンは彼らの頭上、空中で27の妙技を披露してくれました。

9つの音の妙技、すなわちCatの妙技に、Cuarの妙技、Daireの妙技、鳥の盲目の妙技、毒越えの跳躍、勇者の床倒し、蛇腹投げ矢、素早い打撃、激しい咆哮、英雄の雄叫び、車輪の妙技、刃の妙技、リンゴの妙技、音の妙技、縄登り、槍のてっぺん棒立ち、高貴な覇者の拘束、返し撃ち、狙い撃ち。また、御者の手綱握りはすべての言葉をまごつかせました。呼吸と汗にも優るほどです。

クー・フリンは聖パトリックに近付き、会釈して言いました。

「我が願いをお聞き届けください、聖パトリック。
汝の御前にある私を
命あるものの地へ
どうかお導きください」

「神と聖パトリックを信じよ、ロイガレ。さすれば、大地の波がそなたを包むこともないかもしれぬ。そなたのもとに来たるは悪魔ではない。スアルダウの息子、クー・フリンなのだ。あらゆる覇者の世界は法と大地であり、あらゆる沈黙は隠匿であり、あらゆる英雄は地にあり、あらゆる聖は天にある。そなたの思考の全てが悪魔共の秩序であり、そなたが見た戦車は、その世界を順に表しているのだ」

クー・フリンは沈黙し、ロイガレも口をつぐみました。

「Bregaの戦車乗りは誰だ? ロイガレよ。彼らの坂に座るのは誰だ? 彼らの浅瀬を見たのは誰だ? 彼らの妻と駆け落ちするのは誰だ? 彼らの娘が愛するのは誰だ?」

「その質問がわしとそなたの何だというのだ?」

ロイガレは尋ねました。

「昔のことだ、ロイガレよ。私は彼らに囲まれ、駆けまわり、共に生きていた。私は彼らが愛する小さな猟犬、みなと無邪気に戯れていた。それは昔のことなのだ、ロイガレ。私は彼らの偉大なる進撃に加わり、多くの争いに裂け目を作った。私は戦の勝者であった。唸り、喚き、手首から掌まで血に濡れた勇敢なクー・フリン。豊かなムルセヴネ平原にあった男。ロイガレよ、神と聖パトリックを信じよ。そなたの前に来たるは悪魔ではない。スアルダウの息子クー・フリンなのだ」

「ここにいるのがクーならば」

ロイガレは言いました。

「我らに偉大な功績の数々を教えてくれるはずだ」

「確かにその通りだ、ロイガレ」

クー・フリンは言いました。

「私は我が領土の浅瀬の口にいる、人質船の破壊者であった。私は強大な主たちと英雄たちを打ち砕いた。目にも止まらぬ速さで敵軍を狩り、侵入してきた男たちを接戦のすえ殺し、山々に敵の死体の群れが残されるまで戦ったのだ」

「かようの偉業、物語ったことが確かなら、英雄の功績がそなたと共にあるではないか。それらはクーの功績ではなかったのだ」

「真なのだ、ロイガレよ」

彼は言いました。

「私は砦に居座る猟犬ではなく
鹿を狩る猟犬だった。
私は疾走を禁じられた猟犬ではなく
戦に強き猟犬だった。
私は残骸を舐める猟犬ではなく、
軍団に参上する猟犬だった。
私は子牛を見張る猟犬ではなく、
エウァン・ウァハを見守る猟犬だった」

「かようの偉業、物語ったことが確かなら、英雄の功績がそなたと共にあるではないか」

「その通りだ。ああ、ロイガレよ」

クー・フリンは言いました。

「英雄の偉業は私と共にあった」

「私は英雄、私は首領
私は大きな戦車に乗る者。
私は寛大で穏やかで、
汚名には相応の報いを与えた」

「私は我が敵にとっても汚れなき者、我が領土の毒舌であらず。私はウラドの乙女たちのあらゆる秘密の棺桶。私は童らと共にある童。私は男たちと共にある男。懲らしめのために働いた。私は風刺が得意であったが、賞賛するのはより優れていた」

「クー・フリンであるならば」

ロイガレは言いました。

「大いなる恐れの一部を教えてくれるはずだ」

「確かにそうだな、ロイガレ」

クー・フリンは言いました。

I

私は頑健なるコンホヴァルと共に
大軍隊をよく狩った。
異国の領土で各々の勝利を
この目に映したものだった。

II

私は息して戦った
馬たちから出る湯気の上で。
偉大な戦の四方八方が
私の前で砕け散った。

III

私は領土の覇者たちを
数々の争いで討ち破った。
主らを殺した後の私は
血濡れた剣の英雄だった。

IV

私は彼らの剣を
刃の偉業をも打ち破った。
私は大いなる略奪に至った。
炎の戦車駆動によって!

V

また別の旅は、ロイガレよ
たったの一時間だけだった!
北のロッホランドに対し
私は大いなる戦いを仕掛けんとした。

VI

旅に出た後のこと。
ある英雄と出くわした。
彼の背丈はなんと
30キュビットもあったのだ!

VII

私は彼を攻撃し、
3度戦った後、
彼の頭を斬り捨てた。
そうして王は死んだのだ。

VIII

王が倒れ伏した後、
大いなる欠点があった。
決闘ごとに50の7倍、
彼らの数が奪われた時。

IX

それから私は分け前のため
彼らを縛った。
700タレントの白銀
700タレントの黄金
それが貢物だったのだ。

X

私は旅をした、ロイガレよ。
略奪のため、私はスカーの国に旅立った。
鉄の錠がかけられたダンスカー
私はそれの上に手を据えた。

XI

7つの壁がある都市は、
忌々しい砦であった。
それぞれの壁には鉄の防壁に
9つの頭が備わっていた。

XII

防壁わきの鉄の扉も
我らに対する強大な防御にはなり得ない。
私は扉が砕け散るまで
足でそいつを打ったのだ。

XIII

ダンには一つの穴があった。
王の財に関するもの
10の大蛇が飛び出した
それは境界を越える行いだった!

XIV

私は彼らを攻撃した。
軍勢は非常に強大であったが
私は両こぶしの間に
彼らの肉片が付くまで戦った。

XV

ヒキガエルで一杯の館
彼らは我々に吹っ飛ばされた。
鋭いくちばしの怪物共、
私の鼻先に張り付いた彼ら。

XVI

獰猛な竜のような怪物共も
我らによって倒された。
彼らの魔法は強きもの
彼らは馬の部族と説明していた。

XVII

私は彼らを攻撃した。
突撃してきたその瞬間。
私は彼らが両掌の間で
粉々になるまですり潰した。

XVIII

ダンの中には大釜があった。
3頭の牝牛の子牛
腹には30の筋
しかしそれが代価ではない。

XIX

彼らは大釜にしばしば集まり
競争を楽しんでいた。
彼らは大釜の側から決して離れなかった。
それがいっぱいに満たされるまで。

XX

そこにはたくさんの金と銀があった
なんと素晴らしい発見か。
大釜が我らに与えられた
王の娘の手によって。

XXI

我らが運び出した3頭の雌牛
彼らは海を力強く泳いだ。
両肩の上に
黄金の重みを感じながら。

XXII

我らはそれから
北に広がる大海に出くわした。
我がcurach*1の乗組員は
大嵐により死んでしまった。

XXIII

私は危険を承知の上で
仲間を海に浮かべていった。
我が二本の手にはそれぞれ9人
頭や背中の上には30人いた。

XXIV

二本の腿の上には8人おり
みな我が肉体にしがみついた。
こうして私は大海を泳いだ
港に入るその時まで。

XXV

私を悩ませ苦しめたものは何か、
おお、ロイガレよ。海と大地にかけて
私にとってより苦しかったのは
怒れる悪魔との一夜である。

XXVI

私の小さな肉体は
ルガズの勝利と共に傷付いた。
悪魔たちは我が魂を奪い去り
赤い炭に押し込めた。

XXVII

私は彼らに剣を向けた。
蛇腹のダーツもよく働いた。
私は勝利の中にあった。
痛みの悪魔と共に!

XXVIII

我が勇猛は力強きもの
私の剣も硬きもの。
悪魔は私を一本の指で
真っ赤な炭に押し付けた!

XXIX

王は王国を揺り動かす
偉大な力を持っているが、
神の息子の前では役立たず。
しかし(欠文)

XXX

コンホヴァルを取り巻くウラドの主人たち
勇敢なる覇者たちを
悪魔たちは鞭打っている。
地獄で嘆き悲しむ彼ら。

XXXI

王を救え、ネッサの息子。
マリアの息子の争いのため。
地獄の痛みの最たるものは
覇者らの出す蒸気の熱さ。

XXXII

ロイガレ、そなたにもよく伝わったろう。
聖パトリックへの一つの望みを。
彼は私を地獄から救い出してくれよう、
それこそが私にとっての勝利なのだ。

XXXIII

Goedil*2にとって偉大な勝利、
主の声を聞こうではないか。
聖パトリックを信ずる全ての者は
天国で不幸になりはしない。

XXXIV

ロイガレよ、私を信じるべきではないが、
ウラドは聖パトリックを信じるだろう。
(欠文)
(欠文)

XXXV

全ての者に我が教えを
罪と不義から決別せよ。
聖パトリックを信ずる全ての者は
聖人の国へ行くであろう。

XXXVI

王の息子たちよ、聞くがよい。
エーリゥのウラドの王子たちよ。
いち早く聖パトリックを信ずる者は誰か
素晴らしき彼の力を。

XXXVII

聖パトリックに祝福を。
彼らの数が富むように
エーリゥの全ての一点に
彼らの種子があるように。

XXXVIII

Goedilにとって偉大な勝利、
主人は耳を傾けよ。
聖パトリックを信ずる全ての者は
天国で不幸になりはしない。

XXXIX

我が死の後の遥かな道のり
大いなるはその恐れ!
私を蘇らせた偉大な力
部族に出会うための力。

XL

美しい戦車と馬たちと
別れたのはもはや遠い昔。
私を蘇らせた偉大な力
彼らが私を見るための力。

XLI

あれらの馬は、ああロイガレよ。
勝利の道をひた走る馬たちである。
聖パトリックが蘇らせたからこそ
彼らは迅速でいられるのだ。

XLII

そなたは馬たちの後ろで
この戦車を見る。
聖パトリックが作り出した
最も優れた戦車を。

XLIII

礼装と共に、鎧と共に
多くの偉業と共に。
死と別れてから続く
大いなる道のりよ!

XLIV

そなたが集めた
魅力溢れる多くの主人。
聖パトリックは直ちに彼らを殺し
生きることは無いであろう!

XLV

彼は再び彼らを蘇らせる
偉大なるはその運命
絶え間なく続く命の中で
一族の前に立てるよう!

XLVI

私を見るがよい、ロイガレよ。
我が声を聞くがよい。
聖パトリックを信じぬ限り
そなたは痛みに苛まれる。

XLVII

そなたの命が絶えまなく続こうと
この世の美と共にあろうと
より良いたった一つの褒美とは
天国で生ける神の子キリストと共にあること。

XLVIII

我が願いをお聞き届けください、聖パトリック。
汝の御前にある私を
命あるものの地へ
どうかお導きください。

「神と聖パトリックを信じよ。ああ、ロイガレよ。さすれば、大地の波がそなたを包むこともないかもしれぬ。そなたが神と聖パトリックを信じぬ限り、疑いなくそれは来るであろう。そなたの元に来たるは悪魔ではない。スアルダウの息子、クー・フリンなのだから」

これに従い、大地がロイガレ*3のもとにやってくることが証明されました。天国の存在が、クー・フリンによって明かされたのです。ロイガレは今や、聖パトリックの信徒となりました。

それにしても偉大なのは、地中で9回も50年を過ごしたクー・フリンを目覚めさせた聖パトリックの力です。すなわち、コンホヴァル・マク・ネサ(彼はキリストと時を同じくして産まれた者)の治世から、スアルダウの息子クー・フリンの養子であったLugaid Riabn Dergの息子、Crimthand Niad Narの息子、Feradach Find-fachtnachの息子、Tuathal Techtmarの息子、Fedelmid Recht-marの息子、Con Cet-chathachの息子、Art Oen-fherの息子、Cormac Ulfadachの息子、Corpre Liffecharの息子、Fiachra Roptineの息子、Muredach Tirechの息子、Eocha Mug-medonの息子、Niallの息子、ロイガレの治世の終わりまで。


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*1 : アイルランドの伝統的なボートで、木製のフレームに引き伸ばした動物の皮を付けたものらしい。出典wiki

*2 : eDILいわくゲール人のこと。

*3 : これは「ドルイドのロイガレ」のことだが、著者は「王のロイガレ」と勘違いしている。ドルイドのロイガレは王のロイガレと違い、大地に飲み込まれてしまったらしい。この物語は、赤牛の書では「ロイガレの改宗」と題され、「聖パトリックの祈りは、ドルイドのロイガレを大地に飲み込んだ」とも記されている。


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