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ソフビけもの道(その8)絶望的に売れない…
初のソフビ、シルバー仮面が完成した!
6パーツ
全高30cm
レトロソフビとしても大きい方。
他の方が進めていたタイタン星人に合わせた大きさ。
そもそもそのタイタン星人を作っていた方が地方在住のためなかなか意思疎通が難しく、大きいものになっていた。
怪獣軒のシルバー仮面シリーズはヤモマークさんが大半を担当していたと聞く。
その頃のサイズは旧スタンダードサイズの24cm程度。
それに合わせるつもりが大きくなったので、サイズを合わせる形となった。
さて、問題である。
ソフビブームが完全に去ってしまった状況で始めたソフビ。
関わった全ての人が売れるとは思ってはいなかった。
自分でもかなり苦戦するよ、と言われておりまあその辺の期待はできまい。
しかし遊びでないので売り上げを上げないといけない。
怪獣軒は結構呑気で
『いやーHPで宣伝したんだけどさあ…全然だねえ』
当たり前である。
1年近く開けたところに新作情報をHPに載せたところで何になるのか?
とにかく話題にすらならない。
予約を始めてもとても製作費をペイできるとは思えない。
そうなると、原型代は『現物支給』とならざるおえない。
販路に関しては怪獣軒が全く機能していない。
それはそうだ、ブーム時は黙っていてもお客に囲まれる。
そういう状況で商売をしてきたというのと元来の彼のお金のルーズさも交えて全くのお手上げ状態。
予約もほぼお情けで友情買いが入る程度。
予約の状態では全くの赤字である。
どうするか…と。
おおさかさんを交えて緊急会議を始める。
この段階で怪獣軒には好きにやっていいか?と念を押しておいた。
もちろん公序良俗は守る。
『まずはイベントだ』
ということでスーフェス参加を決めた。
スーフェスとはスーパーフェスティバルの略でアートストームが運営するTOYイベントである。
ソフビと古物がかなり強い。
会場は九段下の科学技術館。
あのダイヤ型?の複雑な構図を持った会場である。
我々はソフビで参加しなかった(そもそもシルバー仮面しかソフビはない)というのもあって配置は出口付近。
配置は確かに悪かった。
ソフビメーカーが集まっているホールは入り口付近。
その中でシルバー仮面を引っ提げて参加した。
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結果は…
惨敗である。
2個
たったの2個しか売れなかった…
場所の問題はかなりのものだったと思うが、それにしてもこんなに売れないものか…
帰り道、夕日で真っ赤になった九段下の歩道をがっくり肩を落として帰った…
このことは一生忘れないだろう。
おおさかさんと今後どうしようか?
ネットでも売れない、イベントでも売れない…
それでもお互いに意見を出し合った。
売れなければ次はないのだ。
どうしたら売れる!
できることはなにか…
とにかくアイディアを出して意見交換した。
大々的に宣伝などできるわけもない。
今ほどショップもなく…と言ってもすこい前のブームではトイショップはかなりの数があった。
しかし次から次へと店は消えていく…
もう商品のやり取りはヤフオクなどに全てをうばわれ、リアル店舗は苦戦していた。
そして大半が店を閉じた。
そんな中でできることなど思いもつかない。
おおさかさんとは以下のアイディアを出した
・造形に特化したブログを書く
・ショーケースを借りて道ゆく人に見てもらう
・怪獣軒としてイベントに出る
これらを遂行することにした。
当時はまだブログが主流だった。
そもそも漫画や同人誌などのブログをやっていたのでそれを造形重視にするようにした。
それと中野でショーケースがブームになり始めていた。
通路側のケースが借りることができたらもっと広く見てもらえるかもしれない。
怪獣軒は嫌がったがいイベントにはちゃんと出るべきだ…
金もコネもない我々にできることはこれくらいだろう。
とにかくできることから始めることにした。