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【散文】櫻坂46『UDAGAWA GENERATION』感想【2025/02/21】

 「宇田川ってなんだよ!?」
シングルの発売が発表された時に誰しもが思っただろう。
またヘンテコなタイトルの歌を秋元康が作ったぞと
困惑しているフォロワーさんが見える。
しかしフタを開けてみれば、
至極真っ当な現代を生きるギャルの叫びだった。

 宇田川、つまり宇田川町(渋谷)のお話である。
「SIBUYA GENERATION」じゃイカンかったのか?
そっちの方が解りやすいし、手に取るヒトが多そうな気もするが、
それではあれかダサいのか?
秋元康がそうするのならばそっちの方がマーケティングに正しいんだろう。

 第一印象は、可愛い歌だなと思った
渋谷に、ギャル文化に憧れて田舎が出てきた女の子が、
現代の政治に束縛された渋谷に行場を無くし寂しい思いをする楽曲。
特に一人称が「私」から「うちら」に変化していく流れが
素敵だなと感じた。
ギャル文化に精通している訳ではないが、ちょうどギャルを
テーマにしている朝の連続テレビ小説「おむすび」は、
毎日かかさず見ている。
このドラマではギャルは格好ではなく、
生き方であるとそのドラマでは説いている。
そして確かに彼女たちは自分たちを「うちら」と呼んでいる。
個人である「私」からチームの「うちら」になるのが
ギャルの精神なのだろう。
ギャルサーの掟にもあった
「ダチのピンチには何があっても駆けつける」だ。
歌詞の女の子にも居場所ができたのであろうと少し安心する。
間奏が終わったところで歌詞の力強さが格段に上がるところも勇ましい。MVのラスサビ部分のメンバーの奇抜なファッションも、
ギャルが奇抜なファッションで社会から自分を守り戦うために行っていた
武装なのかもしれない。

 聴いているうちに時代の流れによって
失われていくアイコンのようなものへの物悲しさを
歌った楽曲なんだなと感じた。
昔から存在した様々な場所の象徴、ランドマーク、
概念が時代やヒトの流れによって姿を消していく。
渋谷は、あまり得意な街ではないのであまり行ったコトがないが、
全盛期の勢いというか、迫力は凄まじいものがあった。
ギャルを始めとした様々な文化が生まれ広がり薄れていった。
浸透していったと言う方が正しいのかもしれない。
その最後に生まれたのが歌詞にも歌われているような
ハロウィンなのだろう。
規制に次ぐ規制に縛られ自由を失った街、
もう渋谷から新しいものは生まれないのではないかとすら
感じてしまう悲しさだ。
しかしそんなコトは関係なく彼女たちは生きていくし、
ギャルの精神でたくましく成長し歩いていくんだろう。
それを応援する楽曲がこの「UDAGAWA GENERATION」なのかもしれない。

 メンバーに関しては、印象的だったのは藤吉夏鈴のあまり見ない
感情豊かな表情、これは彼女が映画に主演して何か掴んできた結果なのか。とても魅力的にMVに映っていたので、そのギャップを活かして
これからも見続けたい。
 次に的野美青、1メロから登場した瞬間に目を引く。
その時のメンバーが身長低めの子が多いからか、
スタイルが良く、力強く、若干男性的というか、イケメンなのに
女性的なしなやかさも持ち合わせていて、とても目立ってカッコよかった。
 そして最後に守屋麗奈、大砲で発射される彼女の姿は
この曲一番のインパクトだ。
その点もあるが、曲のラストでセンターである森田ひかるの後ろから
ひょっこりと顔を出してフォーメーション位置に戻っていくのが、
とても可愛い。
大砲で発射されたけど無事でした的な演出なんだろうか。
 あとは推しである初選抜の向井純葉が
終始楽しそうな表情でとても良いです。
村山美羽もデコ出しで最高でした。

そんな感じで。

「UDAGAWA GENERATION」で一番好きな的野美青。

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