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医師のキャリアを考える
最近SNSで"医師のキャリアを考える"というテーマをみた。それに影響され、久しぶりに何か書いてみようと思ったのがきっかけ。
「前提:医師免許をとれた。」で書いてみます。
1. 医師免許をとって臨床医をする
王道。ストレスがそこまで仕事してストレスがかからない科、自分が人よりも秀でていると思う分野の科、楽しいと思える科を選べれば安泰である。医者は人を笑顔にしてお金をもらえる数少ない職業である。
医師免許と臨床研修修了登録証があれば、喰っていけない心配はなくなる。
-専門医(+学位)コース
教育施設(大学教員)、機関病院--1
開業、フリーランス--2
日本や地域に貢献できる。慣れたところに母国語で働ける。やや給与が低い傾向があるとはいえ、生活に困らず、与信もある。1の限界は給与所得である点。税率が高い。ただし、給与所得の高低が言われるが、地域の社宅に安く住めたり、住居費、交通費など手当がもらえたり、雇われでも見入りがいい場合もあると思う。
有名病院など、研修前提ならば学歴フィルターは感じない。しかし、教授、病院長になるのは学歴や経歴が関係している。なんらかのフィルターがある。
教授、病院長の給与所得はぱっと見低いように見えるかもしれない。ただし好きなことでき、名誉職で、尚且つ報酬(給与所得でない)がもらえかもしれないのでよきと思う。(製薬マネーデータベース:https://yenfordocs.jp)
パワハラセクハラモラハラができるかもしれない(普通はやってはいけません!)
給与所得が嫌なら2のルートだろう。組織のトップになりたくなるのが人の常だが、教授、病院長の縁がないと感じてこちらの道に行く場合もある。バイトでも十分に稼げるが、それは給与所得になってしまい税率が高い。それぞれ自分の科のパイセンに聞いた方がより解像度は高いだろう。
一時期に流行った訪問診療やコロナ診療のPCRなど、を利用した開業や企業系もこちら系か。時代のニーズや保険診療の歪みを利用しての社会貢献もこの選択肢だろう。ただし、保険点数や法整備で突然ハシゴを外される場合がある。誰もやらないのはなんらかのリスクや理由があるからで、だからこそ高い給与・報酬がある。
臨床研究、アウトカムリサーチはこのグループなら十分にできる。最先端の研究で生み出された薬、治療デバイス、新たな術式、珍しい合併症、新たな治療の新たな合併症を臨床的視点から査読論文で報告する。
一般的な研究医というイメージではないかもしれないが、これらを行うことも
立派な研究医の類だと思う。
-初期研修+産業医 or -初期研修+産業医+専門医
企業の社員の身体と心の安全を守る大切な役割。産業医大が派閥を持っていると思う。大企業の専属、講演のコンボで報酬(税率が異なる)がもらえるので熱い。精神科と産業医のコンボが良いと思う(気がする)。労働衛生コンサルタント(保険)なども面白そうだ。
一般的なイメージする患者を診たり、手術したりがない。しかし、欲を出さなければ、企業などでよい生活ができる。一般会社員としても夢はある。
ハンコ貸しは良い子は真似しないこと。夢や闇があるようだ。筆者は産業医資格持ちだが、勤務歴がないのでこの辺りで終わり。
-海外挑戦
いきなり海外、初期研修+海外、-初期研修+専門医(+学位)+海外だろう。海外の定義:アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア、カナダ、アジア...
日本の医学部を出たなら、日本で初期研修を終わらせて海外挑戦したらいいと思う。海外出身や語学が現地人レベルならいきなり海外でも良いと思う。
日本の研修は母国語(日本語)で受けられるのが最大のメリット。日本で臨床医としてやっていけるなら国外に出ても余裕だと思う。医師個人の臨床レベルはそこまで変わらないと思う。
海外で日本の専門医や学位は、ある程度自分のレベルの保証として役に立つ。自分が人を受け入れる側と考えるとわかるだろう。
米国-
海外は研究員として2年程度暮らした。USMLEは最低点合格でもいい。初期研修はしなくても後期研修だけで働ける場合がある。とそこで思った。ただし競争激しい分野もあるので良い点を取ろうとするのはいいことだと思う。
専門医や学位を持って渡欧する方がいい理由は(母国語で勉強、トレーニングできる)だろう。日本のシステムがわかるので目線が変わる。臨床レベルは確実に米国が優れているとは限らない。
米国は、施設によっては研究サポート(統計家、査読者レベルの共著からのアドバイス、研究試薬、研究内容)が良いのでたくさん論文が出せる。基礎研究も資金が違うのでビックなことができそう。
米国臨床医での成功者の待遇は夢がある。ただし、下積み時代は365日無休で数年は働いたなど、かなりの成功バイアスがある。自分の科では日本で臨床医として働いていた方が、待遇が良いと感じた。
ヨーロッパ、オーストラリア、カナダ-
現状、語学だけでよさそう。ただしネイティブ一歩手前まで求められる。現在の筆者はドイツ語圏にいるが、B2やC1が必要だ。大学入学レベルとのこと。ドイツ語のB2は1、2年で取得可能な例を見ているが、C1をとった医師は身近にいない。
繰り返しになるが臨床レベルは海外が優れているとは限らない。日本で専門医レベルまで臨床が行えているのなら、働くだけなら、語学以外は問題ないだろう。外国発の新薬やデバイスは導入が早いかもしれない。
アジア-
ややカタコトの英語でもいけると思う。インフラが気になるところ。日本はアジアに属している。アジアの成長に貢献するのは良いことだと思う。
中国や韓国などの情報はわからない。
中東-
その昔、産油国から、英語できる前提での医者として働けるオファーが来た。給与非課税。さすがの産油国である。待遇は、少し良かったような気もするが、日本でポジションがあるなら、好んで選ばなくてもいいようなレベルだと感じた。
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日本の発展のために海外に挑戦して、それを日本に持ち帰って、育った日本に還元する!これは良いことだと思う。
世界から日本をみることは海外に身を置かないとできない。海外組ならばいつか日本になんらかの形で貢献して欲しいと思っている。
「日本の発展のために力を貸してくれ!!」みたいな感じでアプライすると、先方も見ず知らずの極東の臨床医を雇う、よいモチベーションになりそうだ。
初期研修-後期研修-大学院-留学...でその後どうする?っていうのは常に考えてしまう。
40歳を超えて、子供の教育、日本の家族、相続など問題が出てくる。海外に住んでいると家族の死に目に遭えない可能性が高い。日本に職を求めようにも40歳くらいで日本と繋がり0で、日本でそれ相応のポストで帰国できるか。日本と海外の給与の差は満足できるか。日本でオピニオンリーダーになりたい!!って人は40歳くらいの年齢から帰国を意識するようだ。
とりあえず、ご飯美味しい、安全、公共交通機関が綺麗...など日本は最高だと思う。
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ちなみに海外挑戦での最も大事なものは資格や勉強ではなく、スポンサー(かね)の有無だ。勉強、移動、滞在など、どれも非常に金がかかる。もし海外挑戦を試みているなら早くからお金のことを考える必要がある。周りの留学経験者は皆、最低限のスポンサー(かね)がある。帰国後は知らないが。
2. 医師免許をとって研究医をする
自分は、研究医になりたいなと思いながら、専門医までとった。なんと、簡単にとれるような研究費レベルならば自分の専門性を売りにすれば稼げてしまい、現状では研究専従になるモチベーションがあまり湧かない。ほどほどに研究してほどほどに臨床して。。。まぁそれも良いと思う。
研究費を何千万円もとったりは自分には無理。それをやりながら臨床医もしている人もいて尊敬している。
海外のポスドク給与は自分が見ている範囲では研修医以上、専攻医未満の待遇だ。毎年か数年に一回グラント申請を行わなければならず、求められる水準が高い。
臨床医をある程度やってしまうと研究医を選ぶのは難しいとも感じるが、臨床現場を知っていないとできないような研究もあるのは確かだ。研究系のルートを考えてみた。
-ベンチャー代表、起業
上場ならリボミック、ファンペップ、セルシードなどがイメージしやすいか。非上場ならCardio Flow Designだろう。(現在利益相反なし)
もし自分の理論や研究で新薬ができて特許がとれ、世界中の患者が笑顔になったら...入ってくるお金もすごいし、社会貢献もすごい!!トップはどこも優秀で、学閥でくくるのは失礼だろうが、おそらく学閥があるような気がしている。ベンチャーとコラボするには有名大学との関わりが必要と思う。
保険診療に詳しくなってくると歪みやニーズを狙って起業が視野に入っていく。しかし、闇落ちとのせめぎ合いだろう。高い倫理観が必要だ。なんとかドクターとか...良いようにはいくらでも言える。やりすぎんなよ(笑)と思う。
-Principal Investigator (PI)
研究費をとってきて、研究アイデアを形にしていく。リーダーがPIだ。研究医になる一つのゴールは自分の研究室を持つことだ。
誰も気がついていない機序を自分で発見すると脳汁が出るほどの快楽?を感じるらしい。
給与は施設による。臨床医かつPIも可能で、経済的にも恵まれていると思う。狙って慣れるようなものではないような気がする笑
-医系技官
地域の保健所、市役所、官庁、自衛隊、海上保安庁など。
給与は一般の給与にそうはず。一定数この道がいる。病院で働くのに疲れたのか、待遇が優れているのか。未知の感染症が起こる、他国との戦争になった...などの場合に大変そうだ。しかし地域や国を守るために働けるのは幸せであると思う。(右寄り発言か?笑)
臨床ができれば、金銭面で生活に困ることは無くなるので、医師免許+臨床研修終了しておいて良かったと感じるだろう。
3. 医師免許をとって自由診療をする
-初期研修+美容 (直美) -初期研修+専門医+美容
「百円のボールペンを10万円で売る」
「客はお金を使うつもりで来ているから持っているお金を全部使わせる」
...ような業界。
自分がイケメン、美人、特殊手術スキル持ちでなければ長くこの業界にはいれないだろう。木村拓哉、反町隆史、金城武、山下智久くらいじゃないならおとなしく保険診療医、専門医ルート考えた方が良いと思う。
今YouTubeにいる美容系医師は半分以上消えると思う。若い人にしか需要がない。そもそも脱毛クリニックに40歳以上のプレイヤーがいない。(みたことある?)
ED薬の自動販売機、あなたの代わりはいくらでもいるの。比較的高い給与だが、どこからでているのかを考えてみると怖い。しろいたま点滴、ビタミン点滴、エクソソーム、血液クレンジングなどを笑顔で提供できる?
光の当て方、撮影角度、保険診療では散々処置前後で揃えろと教えられたはずのことが、商売になった途端に光の当て方や化粧で誤魔化す。
お金の力は怖く容易に闇堕ちする。
以前、自由診療クリニックのスタッフ?のオファーが来た。研修医目線ではきっと高いとは思うが、ある程度臨床スキルがあり、仕事がとれる年代になっていた自分にはびっくりするほど安かった。そんな値段で自分の診療科の人間を引き抜けると思ったら大間違いですよ!!笑 と伝えた。やっている人も知っているがスレスレな気もする笑 保険診療でも給与所得で十分にいく。
専門医を取って残念ながら満足する待遇が得られなかった外科系医師が保険診療以外の手術術式で責任持つ気なら選択すれば良い。成功すれば結構待遇はいいとは思う(初期研修+専門医+美容の場合)
でも患者を笑顔にする!という根本がないといつか壊れると思う。
客層が闇。繰り返すが、お水業界だと思う。
3. 医師免許をとって他業種をする。初期研修をしない。
初期研修医の2年間、いろいろ吸収できるゴールデンタイムかもしれない。しかし、すでに才能、スキル、財産がある人が選択できる道がこれ。才能あるなら、さっさと初期研修しないで以下をしたらいい。2年は勿体無い。そして、初期研修はいつでも開始できるが、その年齢での挑戦はその時にしかできない。
ちなみに自分は医学生の頃、銀行に就職しようと6年生の夏に動いていたら、すでに募集時期が終わっていた。5年生の頃に動かなければダメらしい。
それぞれの収入は知らない。
-デリヘル経営
-寿司職人
-カフェ経営
-駐車場経営
-証券会社
-音楽家
さてと、コーヒー1杯飲んでもいいよという方がいたらここからは課金してください。もちろん、有益なことは全く書いていません。
もう一度やり直せるなら...
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