天使の涙-55g

髪にオイルは良くないのか?

お客様からこんな質問をいただいて・・・・
そして添付されていたURLをたたいてみると

オイルは良くない。

髪にオイルを付けなければ、広がらなくなるって言っている美容師さんのブログを見ました!


オイルを付けた後ドライヤーやアイロンで熱を加えると髪は酸化してしまって傷みが増す^^

たとえて言うなら唐揚げやてんぷらの油と同じく熱を加えると油自体が酸化するのと同じように。
酸化した油が蓄積するから髪のトラブルになるんだとか(笑)

さらにこう付け加える。
油を大量に使った料理の後片付けが大変だと。

少量を使ったとして毎日つけたら蓄積する。
何度シャンプーしても取れなくなる・・・

何チャラっていう電子を含んだ水を付ければオイルはいらないと締めくくってある。
まあこれは置いといてこの油っていうのは何を指しているのか?

シャンプーで洗っても落ちない油ってたぶんだけどシリコーン油のことではないかと。シリコーンはセンチストークス(C/S)と表記するんだけど、さらさらなミシン油のようなものから、100万センチストークスと言われる水飴状のものまであって、確かにシャンプーでは取れないのかも?

手についてしまったら石鹸で洗っても取れない^^
でもこれは原料ベースのお話し。
ヘアケアにそこまで高配合は誰もしないと思う、現実として考えると。

確かにボタ〇ニ〇トは美容師さんの中にはアモジメチコンが残りすぎて、ベトベトしているってよく聞く話。
確かに中にはそういった原料もあります。

べっとりと水飴状のものもあれば、コーヒークリームのようなべとつかないエマルジョンタイプのものまであって、一概にアモジメチコンだからっていうのはないんだよね^^
シリコーンも全く同じで、信越さん、東レダウさん、日光さんを含め最近では外資のモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズのものがお気に入りですが、各社シリコーン製品と呼ばれる原料、どれくらいあるのだろうってくらいあります。
数千種類?もしかしたら数万種類あるのかもしれない(笑)


部分的に切り取って、酸化してしまった油を想像させて例えていったら、何も知らない消費者はやっぱり信じ込んでしまうと思う。
これだけインターネットで情報が氾濫してしまうと本当のことなのか、ただ商用に利用されているものなのか?
普段仕事をしていて”あららっ”ってことが多々あります。


まず、油って何を指しているんですかね?
電子が云々というのであれば、油の何が悪いのか?

まず油の定義は次のようなもの。

油(あぶら、ゆ、oil)とは動物や植物、鉱物などからとれる水と相分離する疎水性の物質。 一般に可燃性であり、比重が小さく、水に浮く。 常温で液体のものを油、固体のものを脂と使い分けることがある。

元々子供の髪をはじめキレイな髪、正常な髪は水と馴染まない疎水性なんです。
でも傷んでくると、表面からつやを与えてくれている油がなくなり、水を含みやすくなるんです。

そうすると、くせが出やすくなり、髪が広がり、ごわつきやパさつきが起きるのが傷んだ髪のメカニズム。

逆にトリートメントやスキンケアでベースとなるクリームも高級1価アルコールと脂肪酸のエステルである蝋も油になる。
要するにスキンケアに使われるクリーム類もみな油という事になる(^^)

油がすべて悪いものって決めつけるのはどうかと思っています。
なぜなら、食用の油と天使の涙の油は基本的に違うものと考えているからで、それを連想させて電子がどうのとかいう水を売りつけるものとは違うという事。

仮にサフラワー油を例にとると、この油自体熱を加えただけではそうかんたんには酸化しません。
酸化するのはこの油で肉や野菜を揚げるから起きる現象で、酵素や微生物などに寄って起きるの。

もちろん天使の涙には酸化しないようにトコフェロールといってビタミンE類を添加しています。
そうすることによって熱で加温しても油が酸化しないような処方をしていて、まして揚げ物油のような臭いも発生しませんのでご安心してください^^


油って本当に大きなくくりで、僕たちの使用する化粧品に対して、油と脂があって、これは滑るものと滑らないものの区別があります。もう少し詳しくしていくと飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸のに別けられ、その中にも一価の油や多価の油。具体的に上げれば子供の髪がつやつやな理由としてキューティクル表面に存在する18MEA。

また今度18MEAについてご紹介しますが、類似の脂肪酸としてステアリン酸をはじめリノール酸、オレイン酸、パルミチン酸などすべて油という事。

近年お医者様の中でもごく一部が着目しているEPA(イコサペンタエン酸)とDHA (ドコサヘキサエン酸)などは健康を維持していくにはとても大事な油ですね?

最後に腐りかけた揚げ物油を髪につけてるわけではなく、18MEAという脂肪酸がカラーリングなどで剥離してしまうという事実があって。これは誰が何と言おうが何らかの類似的な油を付与しないと逆にダメージが進んでしまうという事だけは曲げられないんじゃないかな?


髪につけて熱を加えても酸化はしませんのでご安心ください。



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