ものまね芸人の闇
最近寒すぎ。
雪が降った日に少しの間外に出たら、眼鏡に雪が積もりました。ワイパーが無いのでなす術なし。
体調管理気をつけていかないとですね。
そんなことより、
よよよちゃんが心配です!!
すみません取り乱してしまいました。太字で。
みなさん「よよよちゃん」って知ってますか?
主にYouTubeなどで活躍していて、最近ではテレビの出演も増えてきている女性ものまねタレントです。歌ものまねを得意としていて、沢山のレパートリーを持っていながら、質の高いこと高いこと。
また、2000年生まれとあって、Ado や Lisa、あいみょんや Aimer など若い世代の歌手をレパートリーに持つのも他と被らない武器の一つ。
確実に、今後のものまね界を引っ張る存在となるでしょう。
そんなよよよちゃんが心配です!!
すみません取り乱してしまいました。太ゴシックで。
なにをこんなに心配してるのかって
これはあくまで僕の感覚の話なのですが、
なんかこういった、本格派ものまねの人って謎に消えません??
あんなに露出多かったのに、急にテレビから消えちゃいません??
例えを出すのも申し訳ないですが、
例えば、青木隆治さん。
美空ひばりのものまねがあまりにも有名ですが、徳永英明や KinKi Kids など、多くのレパートリーを持つ本格派。性別を超えてものまねが出来るのはほとんど神業の域です。
僕もね、字面だったら、女性のモノマネ出来るんですけど。
パラレルワールドのにしおかすみこのモノマネ。
「市役所〜、勤めだよ〜」
ほら似てる。
けど、そっくりな声は出せません。あくまで字面のみ。これが出来る青木隆治さんはとてもすごい。
もう一例。再び例を挙げて申し訳ないですが、
例えば、荒牧陽子さん。
オーディション番組で突如現れたモノマネ界の歌姫。カラオケのガイドボーカルを歌っていたこともあり、モノマネ以前に圧倒的な歌唱力。観る人に感動を誘うモノマネは唯一無二です。もちろんレパートリーも豊富で、レディーガガもモノマネできるとか。すご。
自分もね、にしおかすみこならモノマネ出来るんですけど。
ルーツを語るにしおかすみこのモノマネ。
「父親〜、譲りだよ〜」
ほらそっくり。
でも、多分これは荒牧さんもできます。それも圧倒的歌唱力で。その上で数多のレパートリー。敵いません。
こんな実力派のモノマネ芸人2人ですが自分の記憶が正しければ、不自然なくらいテレビに出てなかったような気がします。モノマネを極めた者が辿るルートみたいなものがあるのでしょうか。
そしてよよよちゃんもこの2人に迫るほどの実力派。杞憂かもしれませんが、心配です。
よよよちゃん、消えないといいけど、、、
ーーーーーーー202X年 東京ーーーーーー
あたしの名前はよよよちゃん、駆け出しのモノマネタレントです!今日はとあるネット番組のオーディションを受けに、現場に向かっています!
ようやくテレビの出演も増えてきて、ファンの方から応援される機会も増えてきたし、今回も頑張らないと!
けど、あれ?指定された会場、ここであってるかな?どう見てもここ、、、
「廃工場?なんですけど、、」
まぁでも、マネージャーからのメールを見る限りここで間違いないし、とりあえず入り口に向かうか。あそこに見える、黒い服を来た人がいっぱいいる所が入り口かな?
歩みを進めた、その時でした。
「お嬢ちゃん、ちょっと待ちな」
誰!?振り返っても、誰もいない!?
「そっちじゃなくて、工場の裏のほう!ほら隠れて!」
言われるがまま、薄暗い工場の裏に向かうと、
「いや、驚かせちゃって申し訳ないわね。私のこと、知ってる?」
暗がりから現れたのは、
み、み、
「ミラクルひかるさん!?」
「ちょっと、大きな声出さないの。あの黒服たちに見つかったらどうすんの」
「黒服って、あの入り口にいるスタッフさんですか?」
「スタッフさんって。そんないいもんじゃないわ。いい?単刀直入に言うけど、このオーディション、やめときな」
「なんでですか!若手にとっては一回のチャンスがとても貴重で、、」
「そんなことは分かってる。でもあなたのためを思って言ってるのよ?」
「でも、、」
「よよよちゃん、あんた、モノマネ芸人連続失踪事件って知ってる?」
モノマネ芸人連続失踪事件?
「その顔は知らないって顔ね。じゃあ教えてあげるけど、驚かないで聞いてね。実は、モノマネ芸人の技術を狙ってる秘密結社がいるの」
ひ、ひひ、
「秘密結社!?」
驚いてしまった。
「誰だ!そこに誰かいるのか!」
見回りの黒服!?
「ニャー、ニャーーオ」
「なんだ、ただの猫か」
猫のモノマネ出来て助かったーー!
「さすがのモノマネ、私たちが見込んだだけあるわ」
「ん?何か言いました?」
「なんでもない、続けるわね。モノマネ芸人を狙ってる組織がいるっていうのは、前々から噂にはなっていたんだけど、ここ最近になってその動きが活発化してきてね。このオーディションも、組織がモノマネ芸人と接触するための口実だと私はにらんでる」
「ちょっと待ってください!なんでその組織はモノマネ芸人を狙っているんですか!」
「最近の科学の進歩は凄くてね、外見や音声くらいならそっくりのアンドロイドが作れるの。でもね、そんなアンドロイドにも無いものがある。なんだか分かる?」
「全く、見当もつかないですけど、、」
「人間の脳よ。アンドロイドがいくらその人らしい見た目で、その人らしい声を出せても、その人らしく振る舞うことは未だ出来ない。そこで組織は、人間の脳を持つモノマネ芸人に目をつけたってわけ。きっと組織はモノマネ芸人の技術を用いて、各国の要人のそっくりさんを創り上げる。そうなれば世界は組織の思うがままね」
「思うがままって?」
「さぁ?でも少なからず、戦争は起こるんじゃない?」
「戦争!?」
「誰だ!そこにいるのは!」
「僕たちは〜燃え盛る〜」
「なんだ、ただのLisaか」
Lisaのモノマネ出来て助かったーー!
「流石じゃない」
「いえいえ、ていうか、私の知らないところで、そんなことが、、」
「水面下では色々なものが渦巻いてるものよ。ほら、青木隆治って覚えてる?」
「そりゃ、覚えてますよ」
「荒牧陽子は?」
「もちろん。この前YouTubeでコラボしました」
「あの人たち、不自然にどこにも露出してなかった時期があるでしょ?」
「確かに、そう言われてみれば」
「あれはね、組織に拘束させられてたからよ。組織はあの頃から、実力派に目をつけてたの。実力があり過ぎるのも不幸なものね」
「そんな。陽子さん、何も言ってくれなかったですけど」
「脅されてる可能性が高いわね。私もコンタクトを取ったけど、口を閉ざしたままだったわ」
「なるほど、、」
「だからね、こっちから動くしかないのよ」
「でも、そんな組織に1人で立ち向かうなんて、ひかるさん危険ですよ」
「心配してくれてありがと。でも大丈夫。あたしがなんでテレビではふざけてモノマネしてるか知ってる?」
「え?まさか」
「そう、そのまさか。組織の目を掻い潜るためよ。本当だったら、もっとそっくりなモノマネが出来るけど、そんなことしたら組織に狙われちゃうしね」
「そうだったんですね!」
「テレビではやってないけど、本当はもっとマニアックなモノマネとかしたいんだけどね」
「見てみたいです!」
「じゃあちょっとだけやってあげようか」
「はい!」
「ウチな〜、春からな〜、ランドセルガールやねん」
うわ!ランドセルのCMのエヴァちゃんだ!ハーフなのに関西弁で可愛いんだよなー!
「タスケロ!」
うわ!ドレスを脱げのちゃんMARIだ!なんであんなにカタコトだったんだろう!
「大人になっても!パピコ!」
うわ!大人AKBの塚本まり子だ!AKB48が2014年にいきなり30歳以上のメンバーを募集して、熾烈なオーディションの末選ばれた塚本まり子だ!
てか、ひかるさん、そっくりなのもさることながら、2000年生まれのあたしに刺さるネタを選んでる!
すごい!これがプロか!
「凄すぎますよ!!ひかるさん!!」
「誰だ!やっぱり誰かいるだろ!」
「君が〜いなくなった日々も〜」
「なんだ、セルフカバーの猫か」
あいみょんのモノマネ出来て助かったーー!
「ちょっと、テンション上がり過ぎよ」
「すみません、つい。あたし、ひかるさんがここまで爪を隠してたなんて気づきませんでした!コメディに振ったモノマネ芸人はロールモデルとして見れなかったので!」
「よよよちゃん、あなたよく正直って言われない?」
「うーん、どうでしょうか?」
「まぁいいんだけどさ。それで、私があなたに接触した理由は他にもあるんだけど、、、」
「相棒、そこに居たのか!探したぜ!」
やばいまた誰かに見つかった!モノマネしないと!
ってアレ?
黒服じゃないし、なんか見たことあるような?
「遅かったじゃない!AKIMASA!」
AKIMASAって?あの?
「原口あきまさ!?」
「なんだテメー?いきなり呼び捨てかよ!」
「あんたもテメーって言ってるわよ」
「それはいいじゃねぇかよ、相棒!」
「それより、何か成果はあったの?」
「それはもうバッチリよ。黒服1人捕まえて脅したら情報吐いてくれたぜ。このオーディション、間違いなく組織が絡んでるぜ」
「やっぱりね。で、どうするつもり?」
「決まってんだろ、ぶち壊してやるよ!」
なになに?全く状況が掴めないんですけど!
「久しぶりに開放するか!行くぜ!
《本人登場》!加藤浩次 召喚!」
原口さんが力を貯め始めた!?
原口さんの背後に、赤い狂犬のオーラが見える!?
「私も続くわ!
《本人登場》!JUJU 召喚!」
ひかるさんの背後には、漆黒の魔女!?
次の瞬間、あたしの目の前に広がった光景は、信じられないものだった。原口さんのパンチ、ひかるさんの魔法が、工場の壁をぶち壊した。
逃げ惑う若手モノマネ芸人。銃や刃物で応戦する黒服たち。涼しい顔で攻撃を続ける先輩2人。
一瞬にして、辺りを爆風が包んだ。
「終わったか?」
原口さんがそう呟く。
砂煙が晴れ、現れたのは、
巨大な戦闘ロボットだった。
「こんなこともあろうかと、戦闘兵器を用意しておいたのさ!我が組織に楯突く者は、消え去れば良い!」
「ひかるさん、こんなのに勝てっこないですよ!逃げましょうよ!」
「よよよちゃん、危ないからそこ、どいてて」
「え?」
「早く!」
急いでその場離れた次の瞬間、
どーーーーーーーーん!!!!!
突如上空から、巨大ロボが!
「来たぜ、俺らのボスが!」
ボス?まさか、このロボ、、
「チギリ、マスカーー!!」
巨大五木ロボ!?
いや、コロッケさん!?
「うちのボスはな、モノマネが上手すぎるあまり、巨大ロボになれるんだ!」
「チギリマスカーー!」
コロッケさんはけたたましい雄叫びとともに相手のロボに掴み掛かると、相手ロボの胴体を一瞬にして千切ってしまった。
「なんだよお前ら、何者だぁ?」
「俺たちか?ただのモノマネ芸人だよ」
ドカーーーーーーン!!
「私があなたに接触した理由、まだ話してなかったわよね?」
「あ、はい、、」
「よよよちゃん、あなたの才能を見込んでお願いがあるの。私たちと一緒に、世界救わない?」
あたし、とんでもないことに巻き込まれてる!?
ひょんなことから、世界を救うエージェントの一員になったあたし。初任務で地方のテレビ局に潜入したものの、なにかとクセの多い先輩たちに苦労しっぱなし。そんな中現れたのは、、
羽生ゆずらない!?
第二話、「ゆずれない戦い」
次回も、そっくりそっくり!!