これからのジャムの話をしよう
ここ何ヶ月か前線を離れていましたが、そろそろジャム作りを再開しようと思います。
自分はジャム作りが結構好きで、
どれくらい好きかというと、
新しいジャムを作り終えたあと、
「またつまらぬジャムを作ってしまった…」と
ツイートしようとしたものの、
作ったジャムに失礼だと思い直してツイートを取り止めるくらいには好きです。
完成間近のジャムの画像と共に、
「Jamming soon…」ってツイートしようとした時も結局やめました。
これはシンプルに面白くない気がしたからですが。
別に「つまらぬジャムを〜」も特別面白いと思ってるわけではないけども。
とにかく、ジャム作りは良いです。
簡単な上に、工夫の余地が沢山ある所が最高です。
第一に、扱う果物。
市販のジャムならイチゴ、ブルーベリー、マーマレードくらいが相場ですが、自家製なら珍しい果物もジャムに出来ます。
あなたは、マンゴーのジャムを食べたことはありますか?
自分はあります。作ったから。
じゃあ、ラフランスのジャムを食べたことはありますか?
自分はあります。2回もね。
ドラゴンフルーツはどうですか?
自分はあります。当然でしょ。
分かって頂けたでしょうか。
ジャムを作るだけで人はイキれます。
その一点だけでも、オススメです。
マンゴーの種、サーフボードみたいでおもろいですよ。
工夫の余地はそれだけではありません。
第二に、果物の組み合わせ。
複数の果物を組み合わせることも自家製ジャムなら自由自在。可能性は無限大です。
それぞれの果物の相性もあるので簡単にはいかないことも多いのですが、それもまた奥深さです。
味のバランスはもちろんですが、例えば、
バナナは煮込み方次第でバナナ臭が強烈に残ったり、赤いドラゴンフルーツは色素が強くて他の果物の色味を消してしまったり、パインはタンパク質を分解する酵素を持っていて入れるとジャムが固まりにくかったり、果物には一癖ある奴がそこそこいます。
そのような個性を踏まえつつ、果物のキューピットとしてカップリングを考える訳です。
イチゴ×リンゴは相性良いんじゃないか、とか。
ミカン×リンゴの方が相性良いかも、とか。
リンゴ×ミカン表記の方が良いな、とか。
同人誌書いてる人と脳の使い方は一緒なのかもしれません。知らんけど。
一時期、良い果物の組み合わせを研究するために、クックパッドのレシピを読み漁っていた時期がありました。
ポケモンのパーティ構築を研究するために
ポケモン徹底攻略に張りついている、
みたいなことです。
そういう意味では、どちらかというとポケモンガチ勢と同じ脳の使い方をしているのかもしれません。
こっちも知らんけど。
ただ、オレンジピールはどの果物にも合うので、
オレンジピールはあの頃のガブリアスです。
それだけは分かります。
工夫の余地、実はまだあります。
第三に、味付け・調理方法。
普通にジャムを作る場合、果物に砂糖と水を入れて煮込めば完成なのですが、、
煮込み時間を変えれば、果肉感の残るジャムができます。
扱う砂糖の種類を変えれば、同じ果物でも風味が変わります。
果物以外にも様々なものを入れることも可能です。チョコフレークやドライフルーツなど、食感すらもアレンジできます。
ここで、自分が過去に作ったジャムをいくつか紹介させてください。
・葡萄と梨のジャム
秋の塊みたいなジャムを作りました。葡萄の皮は繊維がしっかりしてるので普通に煮込むと筋が残って食感が良くないのですが、一度皮ごと冷凍すると繊維が断裂して食べやすくなります。このような、伊東家の食卓みたいな教養も得られるジャムです。
・イチゴの黒糖ジャム
グラニュー糖じゃなくて、黒糖を使ってイチゴジャムを作ってみたら、意外にも合いました。食べてみたことない味なのに、クセになるような感じです。
グラノーラに入るようなナッツとかも細かく砕いて入れたので、朝食特化型のジャムでした。
・洋梨とバナナのジャム
これ相性がとても良かったです。仕上げにラム酒を入れたのですが、これで風味や香りが引き立ちました。パンに乗せるのも良いですが、バニラアイスに乗せるのも贅沢感があって良かったです。なによりお洒落ぶれるのが評価高いです。そんな、よそいきジャム。
・グレープフルーツとみかんのマーマレード
自分が作ったジャムの中で過去一インスタ映えするジャム。グレープフルーツとみかんのそれぞれの層を作り、ピンクとオレンジがグラデーションになるよう瓶詰めしました。グレープフルーツの苦味とみかんの甘さの相性も良かったのですが、このジャムは見た目先行で作ったので完全に偶然の賜物です。
・柑橘とジンジャーの蜂蜜ジャム
喉に良い果物と喉に良い蜂蜜を使った喉に良いだけのジャム。味もすごく良かったです。生姜を入れたのは賭けだったのですが、良いアクセントになりました。勝手に特定保険用食品だと思っています。
・イチジクとバナナと焦がしキャラメルのジャム
文字だけでかなり美味しそうなジャム。実際美味しかったのですが、まだ上手に作れたと思うので、また作ってみたいジャム。キャラメルを焦がす時、水蒸気がかなり出て火災報知器が鳴る可能性があるので、かなりドキドキしながら作りました。
さて、どうでしょうか。
先生には分かります。
ここまで読み進めた時点で、あなたたちのジャムを見る目つきが変わってきていることに。
ジャム作りのアイデアが湧き出て止まらないということに。
さぁ、今こそ、
あなたのジャムアイデアを聞かせてください。
「リンゴと一緒に紅茶の茶葉を入れて煮込めば、アップルティーみたいな甘さ控えめのジャムが出来るかも!?」
素晴らしいアイデアですね!
モンドセレクション金賞あげたい。
「さくらんぼのジャムに食用の桜の花びらを少し入れたら、春を瓶に詰めたようなジャムになるかなぁ?」
現代人とは思えない風流心!
グッドデザイン賞あげたい。
「長年グリーンスムージーを飲んでるんだけど、その材料で砂糖控えめのジャムを作れば、長生き健康ジャムが出来そうだけど、間違ってるかな…」
ジャムに正解はありません!
紫綬褒章あげたい。
ジャムは小さな夢の具現化であり、
生活の差し色です。
ジャム作りは、取るに足らない、
とても些細な変化しかもたらしませんが、
色で味で食感で、確かに感じられる幸せの形だと思います。
先生は皆さんにジャムを作ってくださいとは言いません。ただ、どこかでジャムパンを食べた時、「パンにジャムを塗る」という小さな贅沢を忘れないでほしい。そこを見失わなければ、目の前の幸せに疎くならずに生きていけると思います。
先生は、皆さんのジャムライフを応援しています。
皆さんのこれからのジャムライフに幸あれ!
まぁ、先生はごはん派なのですが。