#16 はじめての採卵!急性骨盤腹膜炎に…
採卵時の痛みはいかに…?!
採卵日当日はいつもより早起きし、いざ採卵へ!
病院へ向かう道中、やっぱり採卵痛いのかなー?何個ぐらい採れるんだろう?元気なたまごがたくさん採れるといいね、と夫といろいろ話したり、ちょっと笑える動画を見たりして不安を紛らわせました。
病院に着くと、前々日のhCG注射の時に見かけた夫婦が他に2組。
みんな同じような毎日を送ってきたんだな、と励まされるような気持ちになります。
なかなか不妊治療をしている知り合いが周りにいないので、こういうときに勝手に元気をもらっています。
看護師さんに呼ばれて、処置室に夫と2人で入ると、じゃあ奥さんはここで手術着に着替えてもらって、ご主人はこちらにお願いしますねーと採精室に案内されていきました。まさかここでお別れと思っていなかったので、がんばってね!と最後にお互いねぎらいあうことなく、そのまま採卵へと向かいました笑
紫外線がカットされた黄色い部屋に通され、台に上がると両足を開いた状態にしてベルトで固定されます。内診の時以上に恥ずかしい恰好ですが、もう数えきれないほどの治療でそういった恥じらいは捨てました(泣)
心電図や点滴などを看護師さんが取りつけてくれた後は、感染症を防ぐために膣内を洗浄してもらったり、局所麻酔を打ってもらったりするのですが、内膜症があるため、この処置に痛みで悶絶しました。痛すぎて腰がひけると、看護師さんに容赦なく押し戻されます笑
もっと楽にして!力ぬいてゆったり腰つけて!と言われても、痛すぎて自動的に力が入っちゃうし楽にできんって!!そばにいてくれる看護師さんに必死の形相で助けを求めました…。
その後、少し眠気の作用がある薬を入れてもらったのですが、正直私はあまり効かず、酔った時みたいに頭がふわーっとする程度の意識があったので、採卵しているときの先生の声はばっちり聞こえてきました。
麻酔も効いていたせいか、採卵するときの痛みはほとんどなく、むしろ採卵する前の下準備である洗浄(入り口を広げるため、少し痛みがあるそうです)と麻酔が最強に痛かったです。
もちろん個人差はあるようなのですが、内膜症のある方は注意です!
その後、感染症予防のため抗生剤を点滴で入れてもらい、2~3時間ほどベッドで横になってから採卵結果を聞き、帰宅となるところなのですが、ここで思わぬハプニングが起こりました。
採卵後、かつてない激痛に襲われる
採卵後ベッドで休んでいる間、なんとなく軽い生理痛みたいな鈍痛があるなと感じていました。
針をさしているし、やっぱりちょっと痛みはあるのかな、とそのまま収まるのを待っていたのですが、一向に痛みがひく気配はなく、生理2日目のような重い痛みに変わり、そしてなぜか時間が経つにつれて下腹部の痛みはそのまま右のわき腹や肩、上半身へと広がり、どんどん息が苦しくなっていったのです。
夫もそばにいてくれたので、すぐにナースコールで看護師さんを呼んでもらい、痛み止めの点滴を入れてもらいましたがそれでも収まらず、今度は座薬。しかし、2回痛み止めを入れてもらっているにも関わらず呼吸が苦しくなり、自力では起き上がれないほど腹痛がひどくなっていました。
採卵後、トイレに一度は行く必要があったので、何とか夫の力を借りてベッドから起き上がり、トイレに行きましたが、排尿するのも激痛が走ります。
同じタイミングで採卵をしていた他の人は2人とも、痛み止めをもらうこともなく、すぐに立ち上がってトイレに行き、そのまま帰っていきました(ほとんどの人はそうらしいです)。
周りがそんな状況なので、自分がただ我慢強くないだけな気もしたのですが、どうがんばっても腰をかがめないと痛みがお腹全体にひびきわたり、うまく歩くこともできません。
かろうじて採卵結果(今回は6個採れました)を聞いてタクシーで帰宅しました。
先生には、卵巣に針をさした際にチョコレート嚢胞にさわってしまっているため、そこから出血した血液がお腹の中にたまっているため、通常だとしばらくすると体内で吸収されていくはずだけど、まだ腹痛が続くようならすぐ病院に来てくださいと言われました。
急性骨盤腹膜炎に
家に必死の思いで帰り着きましたが、お腹が痛すぎて自力でベッドに横にもなれません。頭を少しあげて枕の位置を調節しようにも、すこしでも腹圧がかかるとお腹に激痛が走るため、夫に頭を抱えてもらって枕を動かしてもらいました笑 もう完全に介護状態です。
卵巣過剰刺激症候群(OHSS)かな?と思ったのですが、症状を調べてもあまり当てはまることがありません。
上体を起こした姿勢の方がまだましだったので、ベッドの壁にもたれかかり、呼吸を整えました。途中からは話すのもしんどくなり、このままではまずい、と夜間救急外来に駆け込みました。
すぐ診察室へ通され、お腹の様子を超音波で見てみましょう、といつものように内診台へ。
椅子がどんどん上がるにつれて、もともと苦しかったわき腹やみぞおちのあたりが猛烈に痛みはじめました。痛いので止めて下さい、と先生に伝えるより先にあまりの痛みに夜の病棟に響きわたる声で絶叫していました。外で待っていた夫は、はじめ私の叫び声だと思わなかったそうです笑
今となっては笑い話でしたが、後々の血液検査で信じられないほど高い値の炎症反応を起こしていたことが発覚しました。
慌てて椅子の動きをとめる先生。
ちゃんと内診台にあがらないときちんと診察できないからがんばろう、と説得されかけましたが、断固拒否し、楽な姿勢で診てもらうことになりました。
結果、採卵の際にチョコレート嚢胞から出血した血液が、横になっている間に横隔膜の方まであがり、強い炎症を引き起こしたことによる急性骨盤腹膜炎だったことが分かりました。
そのまま即入院となり、その日から点滴で大量の止血剤と抗生剤を入れてもらう毎日が続きました。
はじめの頃は、痛みでひとりでは全く身動きがとれなかったので、看護師さんに何回も手伝ってもらいました。2~3日で退院できそうでしたが、回復に時間がかかり、ようやく家でゆっくりできるようになったのはそれから5日後のことでした。
いきなりの入院になったので、夫に入院で最低限必要なものをとりに行ってもらったり、その後も平日は15分だけ面会ができたので(コロナの関係)、仕事帰りに追加で荷物をもってきてもらったりと、2人で採卵後の余韻にひたる間がないぐらいバタバタした1週間になりました。
採卵後の副作用として、卵巣過剰刺激症候群はよく聞きますよね。
実際、採卵後に腹膜炎を起こすケースはわりと珍しいようですが、チョコレート嚢胞がある方は特に、採卵の際はそんなこともあると知っておいてもらえたらと思います。
念のため、すぐ入院できるセットを用意しておいた方がいいかもしれません!
今後のこと
今回の採卵結果次第で、もう一度採卵をするのか、先にチョコレート嚢胞の手術をするのか決めることになっています。
チョコレート嚢胞の手術をすれば、生理痛や排便痛など様々な痛みが少しは緩和するのですが、それとひきかえ卵子の数が減ってしまいます。ただし、妊娠する前に手術して取り除かないと、今度は妊娠中に破裂する恐れもあります。
そのため、採卵してある程度の受精卵が凍結できたら、移植する前にチョコレート嚢胞の手術を受けることが前々から決まっていました。
先生としては、なるべく手術前にたくさん受精卵を凍結させておきたいところ…なのですが、次回の採卵でまた腹膜炎になったらと思うとそれだけは避けたい!泣
とにかく、今はたくさんたまごたちが元気に育ってくれるのを祈ります。
幸い、入院中は同じ病院にいたので、たまごたちも一緒にがんばっているような、そんな気持ちになりました。
受精卵の凍結結果については、採卵日から1週間後の診察で聞くことができたので、次回お話します。
つづく>>