最近見たエンタメの話 #3
ここ最近いろいろ忙しくてなかなかまとめられなかったので、今回は最近と言いつつ少し前の内容にはなりますが、その分ボリューム多めでお届けしようと思います。
※一部ネタバレを含むのでご注意ください
※既に配信終了となっているコンテンツを含みます
あの夜を覚えてる
ニッポン放送のオールナイトニッポンが今年で放送開始から55周年となることを記念して行われた、“生配信舞台演劇ドラマ”です。
実際のニッポン放送の社屋を使い、ラジオブースから普段はなかなか見られない制作フロアまで縦横無尽にキャストとカメラが駆け巡りました。
通常の舞台演劇では見られないカメラのカット割りや演出、そして通常のドラマでは感じることのできない生のドキドキ感があり、新しいお芝居の形を見ることができたと感じています。
千葉雄大さんが架空の番組「藤尾涼太のオールナイトニッポン」のパーソナリティ藤尾涼太を、髙橋ひかるさんがその番組のAD植村杏奈を演じましたが、二人とも素晴らしい演技でした。
途中植村さんが番組の評判を嬉しそうに藤尾さんに伝えるシーンがあったのですが、その時のひかるちゃんの表情が本当に嬉しそうな笑顔で凄くよかったです。千葉さんは終盤でリスナーにこれまでの事実を打ち明けるシーンの演技が圧巻でしたね。
その他のキャストの皆さんも本当に素晴らしかったです。放送中の作家さんやディレクターさんの笑い声や動きも本当に忠実に再現されていて、実際にラジオ番組を聴いているかのような感覚になることができました。
あと三四郎相田さんの演技も凄くよかったです。そこそこ重要な役どころだったのですが、演技未経験とは思えないくらいナチュラルに作品の世界に馴染んでいました。
自分も1視聴者であると同時に、リスナー役として作品に参加しているような気持ちにもなりました。ラジオとはパーソナリティとスタッフ、そしてリスナーがいることによって初めて成立するものだというメッセージが非常によく伝わりました。
キャストはもちろん、この作品に関わったスタッフさん全てから熱いラジオ愛を感じましたし、それと同時に自分もラジオが好きでよかったなと思える素敵な作品でした。
単純に一つの作品として楽しめるようにはなっているのですが、本編とは直接的には関係ない部分にも様々な小ネタが詰められているので、ラジオが好きであればあるほどさらに楽しめるようになっているのも非常にいいバランスだなと思いました。
このシーンはあの番組のエピソードが元になってるのかなとか、あのキャストはあの番組のあの人がモデルなのかなとか、そういった楽しみ方もできました。
主題歌の「ばかまじめ」もラジオの良さが詰め込まれているのと同時に、毎日頑張っている人の応援歌のような曲にもなっていて、ラジオ好きに関わらず全ての働く人にオススメの一曲だと思います。
自分もここ最近いろいろと気が滅入ることがあったり、気合いを入れなければいけない機会が多かったのですが、その度にこの曲には救われました。
この曲がかかるエンディングの雰囲気が本当に素敵で、大団円とはまさにこのことを言うんだなと感じました。
Red Bull SoundClash 2022
Red Bullが主催でこれまでに世界各地で行われてきた音楽イベントが初の日本上陸。ヤバイTシャツ屋さんと岡崎体育の2組が4ラウンド制の音楽対決を繰り広げました。
会場の前後にステージが設けられ、Red Stage側には岡崎体育のファン、Blue Stage側にはヤバTのファンがそれぞれ背中合わせに入る形となっており、他のライブではなかなか見られないユニークな形のステージ構成となりました。
先攻岡崎体育、後攻ヤバイTシャツ屋さんの順に各ラウンドが行われ、その度に観客は体を180度回転させて対決を見届けました。
1stラウンドは「The Clash」。各自のオリジナル楽曲を25分の制限時間内で披露していきます。ワンマンライブではないことや時間が短いこともあり、披露楽曲は各自の代表曲が中心となり、フェスに近い感覚でした。
自分は岡崎体育さんのライブは今回が初めてだったのですが、知ってる曲ばかりだったので1曲1曲流れる度に嬉しくなりました。どの曲も凄く楽しくて、岡崎体育のライブの真骨頂が凝縮された時間だったと思います。前々から行ってみたいと思っていたので、生で体感することができてよかったです。
「Quick Report」では文字通り“観客のボルテージは一気に最高潮に”上がり、「FRIENDS」では最近音楽業より俳優業の活躍が目立つ自身の自虐も飛び出しました。
ヤバTのライブはこれまでに何度も参戦しているのですが、今回は会場が幕張メッセということで普段のライブハウスとはまた違った感覚を味わうことができました。しかも今回は席が前から2列目という神がかり的な運によりメンバーの姿を間近で見ることができたのもよかったです。
「NO MONEY DANCE」は最近のライブではすっかり定番曲となり、今回もイントロからめちゃくちゃテンションが上がりました。歌詞の中にレッドブルが出てくる「あつまれ!パーティーピーポー」をこのライブで見れたのは一番嬉しかったですね。
2ndラウンドは「The Cover」。2組が同一の課題曲を披露するというもので、その課題曲は当日までシークレットとされていました。
今回課題曲に設定されたのはAdoさんの「うっせぇわ」。それぞれの個性が表れ、全く違うアレンジになっていました。
2ndラウンドの後には番外編の「マスコットクラッシュ」が行われました。ここではヤバTもRed Stageに移動し、岡崎体育のキャラクター“てっくん”とヤバTのキャラクター“タンクトップくん”がダンス対決を繰り広げました。
3rdラウンドは「The Takeover」。相手の持ち曲をカバーするというものです。
体育さんはヤバTの「肩 have a good day」を披露。まるでアメフト選手のようなインパクト抜群の衣装で登場し、会場を湧かせました。
ヤバTは岡崎体育の代表曲「MUSIC VIDEO」を披露。「YouTubeで一番回ってる曲なのに本人が全然ライブでやらないから自分達がやった」というこやまさんのコメントもありましたが、普段のライブでは見られないレア曲の披露に体育さんのファンも喜んだのではないでしょうか。このためにもりもとさんがわざわざロケに出てVTRを撮影していたのも手が込んでいて良かったです。
Finalラウンドは「The Wildcard」。それぞれがスペシャルゲストを呼び、コラボパフォーマンスを行います。ゲストが誰かは観客はもちろん相手にも当日までシークレット。一体誰が来るのかワクワクドキドキでした。
体育さんは地元の京都府宇治市を代表するバンドでヤバTの事務所の先輩でもある10-FEETを召喚。体育さんの楽曲「なにをやってもあかんわ」を10-FEETの演奏で披露しました。出番わずか3分のために前乗りで来たという話に会場一体が驚愕しました。たった1曲のため、しかも自分の曲ではなく体育さんの曲の演奏のためだけに大先輩を呼ぶという贅沢さとそれを快諾してくれた10-FEETの後輩への愛に思わず興奮しました。
ヤバTのターンでは芸能界の“レッドブル”といえばこの二人ということでテツandトモが登場。なんでだろうをヤバTとのコラボverで披露し、会場は大盛り上がりになりました。途中でテツさんが幕張メッセの会場をダッシュで往復し、さらに巨大なRed Bullの缶をアゴに乗せるパフォーマンスも披露しました。今年で52歳になるテツさんの体力の凄さを感じました。
最後には2組がBlue Stageに集結し、このライブのために制作されたコラボ楽曲「Beats Per Minute 220」を披露。お互いの楽曲の要素が混ざり合った最高にかっこいいパフォーマンスが見られました。ここまでのパフォーマンスでは面白さや楽しさもありましたが、この曲はとにかくかっこよかったですね。今後この曲が披露される機会はなかなかないだろうというレア感も相まって興奮度は最高潮でした。
この日のライブを一言でまとめると、とにかくめちゃくちゃ楽しい!!そして、最高に興奮した!!これに尽きると思います。(二言になってしまいましたが...笑)
通常のツーマンライブやフェスとも違う全く新しいライブイベントを見ることができ、とても贅沢な体験を味わうことができたと思います。とにかく大満足のライブでした。
「菅田将暉のオールナイトニッポン」 最終回
2018年4月にスタートし、毎週月曜の深夜を彩った当番組が2022年4月4日をもって5年間の歴史に幕を閉じました。
当初は3月28日に最終回を迎える予定でしたが、菅田さんの新型コロナウイルス感染に伴い1週延期とされました。
本編の中でも「人間・菅田将暉劇場」という言葉がありましたが、最終回を聴いて「菅田将暉ANN」という長い長い1つの作品がこれで幕を閉じたんだという感覚になりました。これまで様々なドラマや映画に出演してきた菅田さんですが、5年も続いた作品はこの番組が唯一でしょう。
この番組での菅田さんは「ラジオの菅田将暉」というキャラクターを演じ続けていたように感じます。
普段テレビなどで見る菅田さんといえば大人気俳優で現代のカリスマ的な存在ですが、ラジオになるとそれが一転して近所の面白いお兄ちゃんのような親しみやすさがあったと思います。そのように感じることができたのも菅田さんの演技力と表現力の高さが表れていたんだと思います。もちろん自分を偽っていたわけでも本心を出していないわけでもないとは思いますが、ドラマでも映画でも見られない「ラジオの菅田将暉」という新たな顔を見せてくれた場所だと思います。
オールナイトニッポンの中でも一番リスナーとの距離が近かったのがこの番組で、常にリスナーを巻き込んで盛り上がり、リスナーと一緒に作り上げてきた番組だったと思います。
最近の回だと餃子にニンニクとニラを入れるかどうかという正直どっちでもいい話題に対してTwitterも活用してリスナーを巻き込んでいった回はこの番組の色が凝縮されていたと思います。
そんな菅田さんが最も本当の素を見せたのが、小松菜奈さんとの結婚を発表した当日の放送だと思います。
この回はリスナーもスタッフも想定外の涙から始まりました。演技ではない本当の菅田さんの涙からはこれまでの日々の辛さや今の環境のありがたさ、いつも応援してくれるファンやラジオリスナーへの感謝、そして一生のパートナーと巡り会えた嬉しさなど様々な感情が伝わってきました。
普段はあまりプライベートの話をしない菅田さんがこの日だけはプライベートの質問OKとしたものの、結局リスナーからそのようなメールは一切来なかったあたりもこの番組らしいなと思い、同時にリスナーやスタッフさんの菅田さんへの愛も感じられました。
最終回は相変わらずプレゼントガチりすぎてスタッフさんに引かれるフリートークから、ラジオがきっかけで生まれたCreepy Nutsとのコラボ楽曲「サントラ」、めちゃくちゃで終わったエンタメアカデミー、菅田さんからリスナーへの感謝のメッセージ、そして最後のダイジェストと実にこの5年間を締めくくるに相応しい放送でした。
番組公式ブログも素敵なのでぜひ見てください。このnoteより何倍も熱い内容になっています。
真夜中のデパート自由に使えたら
3月末にテレビ東京で2週にわたって放送された特番で、 深夜26:05〜というとんでもなく深い時間に放送されていたことも特徴的です。
こういう深夜にひっそりとやってる番組をフラっと見てみたら凄く面白かったみたいなことがたまにあるのですが、なんか嬉しくなりますよね。
内容は営業時間終了後の真夜中のデパートに3人の芸能人を放ち、誰にも見られない、何をしてもいい状況で一体どんな行動をするのかをデパート内に設置された多数の定点カメラで観察するという実験的なものになっています。
マヂラブ野田さんはデパート内に基地を作り自分にとって最高の住環境を整え、ザ・マミィ酒井さんは自分の活躍した番組を肴に酒を飲み号泣、松村沙友理さんは炊飯器で大好物の白米を炊くという3人それぞれの個性が非常によく表れていました。
こういう夢のようなことができてしまうのはまさにテレビならではだなと感じました。
少し大袈裟にはなってしまいますが、コンプライアンスが厳しくなり、YouTubeなど他のメディアも台頭してきた今の時代でもまだまだテレビにやれることはあるなと希望を感じることができました。
企画の性質上どうしてもVTR内は無言になってしまうのでその分モニタリングの腕が問われますが、そこでバナナマンを起用したのも完璧でしたね。
あまりダラダラ説明するよりも実際に見てもらった方が面白さが伝わると思うので、Paraviに加入している方はぜひご覧ください。