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欺瞞も真実に─『令嬢アンナの真実』が魅せる偽NYハイソサエティドラマ
今日は大好きなのはNetflixの感想文☺️
だいたいの背景とあらすじはこっちね
この事件で一番注目すべきはアンナの人に対する圧倒的心理的操作であろうと思う。そこを描ききれてなかったのは少し残念ではある。
劇中で言うように「とりあえず人を上から見る」という態度が徹底してるのだろう。そうでないとこれだけの人物がぞろぞろ騙されるわけがない。
例えば自分のクレジットカードが通らなくても、自分のカードに否はない。そういう確信がある。
「そのクレジットカードのセキュリティシステムが狂ってるのよ。私を待たせないで」
みたいな態度でプライベートジェットにお金も払わずに乗ってしまうのだ。
このシリーズは、ドイツ人の相続人であるアンナ・デルヴィと名乗るロシア生まれのドイツ籍の詐欺師がNYの金融機関まではいりこみ、自分の稚拙なビジネスプランで投資を煽りまくり、それまでに何度も騙されてきた人たちの回想録といえばいいだろう。
ただ、このドラマでは騙された人はみんなアンナにおごってもらってたし、了承済みで、この人を上から見るぞんざいな態度におののき、かしずいてきたNYの上流と呼ばれる人たちなのだ。だから視点を変えるとかなり気持ちのいいシリーズでもある。
ただこのドラマはタヌキとキツネの化かしあいだけではなく、しっかりと人種やマイノリティの扱いについてもスパイスのように触れていることがSATCと違うところであり2020年以降のテイストになっている。
アンナの元ボーイフレンド、アンナの弁護士、トレーナー、ホテルのコンシエルジュの友人、ドイツの通訳。。。と登場人物にマイノリティ配役を置いている。一見、意識してないように見せかけるが、必ずどこかのシーンでマイノリティを演出する仕掛けをする。実際のNYならもっとマイノリティ率が高いのかもしれないが、マイノリティの扱いに、ほぼ主人公であるジャーナリストが無神経なのも非常にあるあるで腹立たしい。
だから今までのように100%正義のジャーナリズムを応援できない観客がいるのだ。
だからこれはマイノリティ視点で見ると見方が変わるとおもう。同情か憎悪か。唯一残った友人の存在が不思議ではあるが彼女は黒人のホテルコンシェルジュだった。
ご存知だと思うけど、日本語を話し、日本語を解する、東洋顔のあなただってNYにいけばマイノリティ。それを忘れずにね。マイノリティ視点で見るともっとこのドラマに一つの回答が見えないことがわかるかもです。
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