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宗教人種社会階層司法制度批判すべてを辛辣に盛り込んだOrange is The New Black

これにハマりだしてからもうほぼ1ヶ月で一気に完走。ブリジャートンやSquid Gameが出るまでこのドラマがネットフリックスのドラマの再生回数のトップを誇っていたわけがわかる。

レズビアンですがなにか?
マイノリティですがなにか?

ドラマのポイント

気になりすぎて何回も見返しそう。女囚ものといえば、友情かな嫉妬かな、と思う程度だったのですがそれだけではない魅力がありました。 まず

バラエティに富むアメリカの宗教観のオンパレード

宗教人種社会階層ごとの常識と常識をぶつかり合わせる

  • 新教徒(プロテスタント) (パイパー)

  • カトリック (イタリア系ローナ)

  • イスラム (エジプトの女性割礼ネタも入れて)

  • ユダヤ (食事や洗礼やロシアンドールの彼女)

  • モルモン (看守)

  • アーミッシュ (ラリってる白人)

  • 狂信プロテスタント.. (初期のペンタスキー)

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  • ニューエイジ

  • リアルヒッピー (ノーマ)

  • 非暴力主義 (ソーソー)

  • リッチヒッピー (ハイパーの弟)

とか本当によく集めたよなぁ。。。と。バラエティに富みすぎ。(最後の3つはライフスタイルだけど

しかもユダヤに至っては改宗式のための会を特別作ってたり(かなり甘い部分はあるにせよ)、行事や、食事を自虐も入れながらもとりあえず監督から多くの役者がユダヤ系だからというもあるけど・・エンタメ界はユダヤすごい。フランスのネフリドラマもユダヤネタ多すぎ

また、アーミッシュもあの18歳のお試し社会生活の若者たち

モルモンの特異性、イスラムの女性割礼はネタとは言え(あまり聞かないんだけど).…(ルクソールをラスベガスの高級ホテルと勘違いするネタも忘れず)

もちろんそれに準ずる人種による分類、そして社会階層による分類ああおなかいっぱいすぎるほどわかりやすい

肌色による分類

S1では肌色で部族がわかれ、食事のときも混ざることはない。これはほんとうによく見る光景。多くの日本人がパッと海外の大学なり語学学校に行くと韓国人や中国人から友だちになるように、人間は外観的に似ている人種を最初に味方としてゆるい連帯を作り、(もしかしてこの行為は本能的な行動)そこから部族政治が始まることを描いている。

S1で囚人代表を決めるときに部族代表から決めなさいと看守に言われ、このやり方にユダヤ人ニッキーが「何世紀の話だよ?」というのも彼女がゆうと皮肉っぽくておもしろい

肌色分類でアジア人白人ハーフがでてくるんだけど、いつも彼女は全然ムーランじゃないのに「ムーラン」「どっちもつかずのアジア人」と言われ、純アジア婆さんからは「アジアの血が一滴でも入ると、白人にとっておまえは白人じゃないんだよ」と、言い放たれる。

このドラマには吊り目しぐさこと出ては来ないけど、このハーフをいじるシーンがやたら多く出てくるんだけ決して大げさではないので、辛くもある。またジョージフロイドの圧死事件や #BlacklivesMatter よりだいぶ前にその話を出してきたり、プレディクティブでもあり、脚本の先見の明にもびっくりする。

衣装メイクがミニマル


普通女優はメイクをし、衣装を着て演技をする。それをすべてなくしたら。。の実験ドラマであるのです。女優は化粧を落とし、衣装は全員同じ囚人服を着用し、その中での演技や個性勝負。

演技力人間力をカメラに撮る。普段の逆。ごまかしがない。だからオフカメラの彼女たちのほうがもちろん女優だから綺麗なんだけど、囚人服では本質を出さないとカメラテストにパスしないのでかなりみんな真剣。

見た目が90%というように人間は見た目で決まる。それを全くフラットにした実験ドラマなのかもしれない。


女性ならではの現代の問題ぜんぶつめこむ


LGBTはもちろんのこと #METOO から不妊治療から、全部詰め込んでいます。女性であることはいくらマジョリティの白人でもセクハラにあってしまうということ(お料理家の婆さんはセクハラしてたけど)や例えば刑期中に出産した場合、母親とは一緒にいられず0歳でもすぐ赤子と離されることは初めて知った。。赤子は刑務所にいる必要はないけど、すぐ引き剥がされる事も知った。

そして囚人、入管の施設と隣合わせになるところでみんなが目をそらしている現実に目を向けさせるあの手法には参ったね。民営化の弊害も描く。

私のお気に入りはやっぱり、クレイジーアイズ。彼女の役の飲み込み方もすごい。脚本家の腕もあるのだろうが、彼女の役への理解と編集のうまさというか。彼女が話す台詞はすべて真実であってメタフォー。最初の怖いストーカーから、だんだん物語を心の目で見る役に変わっていく脚本も良かった。顔を白く塗るシーンは鳥肌モノ。


そして白人の中産階級裕福層出身の天然ボケの彼女が「なんで私が刑務所の中でこれだけ嫌われるの?」と呆然と黒人囚人に聞くシーンも印象的

「あんたはね、私達の望むもの全部持ってるんだよ」

いやー、楽しめました。もしかしたらこのドラマは私が女性でありマイノリティとして生きてるから余計に響いたのかもしれない。特に宗教分類は楽しめました。アーミッシュx薬と中絶クリニックxキリスト教とかアメリカならではの問題定義のあたりは実感なかったけど、アジアハーフの下りはとてもしみました。。


日本のネフリ製作チームも企業に忖度せず自由な視点でこういう辛辣エンタメをお願いしたいものです。

皆様のビジネスのインスピレーションになれば幸いです。

今後もいろいろ書いていきます。イイネとフォローいただけると嬉しいです。

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