見出し画像

少女の気丈な純情 または私は如何にして世界征服をやめて今日のご飯を考えるようになったか

声帯「もうだめだ〜」

皆さま、ご機嫌麗しゅう。なんちゃってボーカロイドこと、ぱすてろいどこと、さぼりーまです。

あたおかみの強いタイトルなので、内容を先に説明してしまうと、先日投稿した歌動画についてのチラ裏をまとめた制作後記になります。ちなみにタイトルは、某映画の邦題のパロディです。

さて、昨年お知らせしておりました歌動画ですが、2月にやっとの思いでアップロードいたしました。

楽曲は、私の選曲ではお馴染みとなっている相対性理論の「バーモント・キッス」です。タイトルはご存じなくても「『世界征服やめた』の歌」といえば、耳にされたことがある方もいるかもしれません。

今回の記事は、制作こぼれ話なんですが、いままで私は作品語りみたいなことをあまりやってこなかったんですね。理由としては、単にめんどくさいのが半分、そもそも自分の成果物に対して言及することにあまり興味がないのが半分といったところです。

それではなぜ今回こんな記事を書いているのかというと、身も蓋もない言い方をすれば、成果物の出来に納得していないからです。それをどうにか誤魔化したくて、こんな柄にもないようなことをしております。

総評

成果物への自己評価としては、オケは合格点、動画は及第点くらいだと思っています。問題は歌で、こちらはかろうじて赤点を回避したくらいの出来です。

もう何年も聴き続けている曲ですし、日常的に歌うことも数え切れないくらいあったので、まさかこんなに難航するとは思いませんでした。1か月以上に渡って、なんとか時間を作ってはリテイクしたんですが、ついに納得できるものにはなりませんでした。

歌を聞いてくださった方なら気がつかれたかもしれませんが、いつも以上にロボット感が漂っていますよね。本当はもっと、ふんわりした感じの歌い方をしたかったのですが、とにかく思うように声が出せなくて。

そうこうしているうちに、だんだん暖かくなってきてしまったので、とりあえず収録だけは済ませてしまおうと、思い切り平坦な歌い方にしたせいでこうなりました。これはひとえに私の技量不足です。

あとは、ボーカルがちょっと大きかったですね。私のモニター環境で聞くと、もうちょっとバランスの良い音になるんですけど、iPhone にイヤホンをつないで聞いてみたら、ボーカルが前に出すぎていてびっくりしました。もう少しスケジュールに余裕があったら、ミックスも追い込めたと思います。

選曲

この曲を選んだのは、私にとって寒い季節の定番だからです。相対性理論は、どの曲もイントロクイズができるほど聴き込んでいて、いまでも定期的に「日常的に再生しているプレイリスト」に入る楽曲がたくさんあるくらい好きなバンドです。

某ユーミンの詞を借りると、「私の青春そのもの」みたいな感じです。相対性理論と出会ったのは学生のときだったんですが、楽しいときもつらいときも、ずーっと彼女らの曲をそばに置いていました。

「バーモント・キッス」は、寒い季節には必ずプレイリストに追加される楽曲で、「四角革命」のカバーを歌ってからは、冬には絶対この曲をカバーしたい! と、強く思っていました。

ゆえに、とにかく寒い季節のうちに、若干見切り発車でも公開したかったんですね。ギリギリアウトかと思いきや、私の住んでいるところでは、公開後も降雪があるくらい寒い日がそこそこの頻度であったので、ちょっと安心しました。

オケ制作

収録の出来に反して、オケ制作はかなりスムーズに進み、そして満足の行く結果となりました!

私は音楽理論全く分からないマンなので、大抵コード進行はすでに割り出されているものを調べて、その通りに打ち込むだけの写経スタイルです。いつかは曲を聞いただけで「あ、このフレーズ○○進行だ」と直感で判断できるようになりたいものですが、今のところはカノン進行と Just The Two of Us 進行(別名 丸サ進行)がなんとなく分かる程度です。もうすこしがんばりましょう。

バーモントは、「U-fret」というサイトに掲載されていたコードを見て、その通りに打ち込みました。思いのほかずっと同じコード進行の繰り返しで、「こんなに同じ進行を繰り返してても、いい曲ができるんだなぁ」と、音楽の神秘を感じました。

アレンジは、原曲と大きくは変えていません。もともとシンセ系の音が主体のシンプルな編成なので、できる限り原曲の音に寄せました。シンプルでありつつ薄い音にはしたくなかったので、地味すぎず派手すぎず、と考えながら音色を決めました。

私はとくにギターの打ち込みが苦手かつ、あまり気に入っている音源もないので、ロック系の楽曲は大抵、ギターがシンセに置き換えられ、テクノ系にアレンジされます。四角革命はまさにそういうアレンジでした。

後半のリフレインに入る直前には、効果音系のワンショット(ガラスが割れる音)を入れました。原曲でも、このパートに入るところでガラッと雰囲気が変わる印象があるんですが、ここでちょっと遊んでみたくなって、何かいいワンショットはないかしら、とあれこれ試していたんです。

そのときに、たまたま入れた音の一つがこの音だったんですが、初めはちょっとわざとらしすぎる気がして、いまいち気に入らなかったんですね。それで、他にいい音が見つかるまでの仮置きのつもりだったんですが、何回か聞いているうちに「これは結構かっこいいのではないか」という気がしてきまして、結局この音を正式テイクに採用することにしたんです。

完全にガラスパリーンサウンドなんですが、この曲に入れると氷が割れるようなイメージになって、とても気に入っています。ちなみに、この音は衝撃音系のワンショットに含まれていたものの一つで、ガラスの音の後ろにシンセ系の「ドゥオーン…」という感じの重低音が入っています。

動画制作

動画は、四角革命と同様に、いい感じのフリー写真を拾ってきて、そこに歌詞を流すというお手軽スタイルです。今回も、いつもお世話になっているぱくたそさんの画像を使わせてもらっています(元画像)。

本音を言えばスタイリッシュなミュージックビデオも作りたいところですが、私はそこまでマルチなスキルは持ち合わせていませんので、基本的にはお手軽な作りにしています。

冬の楽曲、ということで、雪の要素は入れたいと思っていたんですが、詞に「世界征服」とか「破壊工作」とか入っている楽曲で、ただの雪原の写真というのでは芸がありません。どうしたものかと写真を漁っていると、なんと偶然にも謎の電波塔が立っている雪原の写真が! もうこれしかない、ということで、ほとんど一目惚れで写真を選びました。

ちなみにこの写真の場所は、危ない施設などでは全くなくて、長野県の美ヶ原という場所にある「美ヶ原送信所」という施設でして、電波塔もただのテレビのアンテナですよ!

編集後記

「制作後記めんどくさーい」と思っていたはずが、実際書いてみると結構楽しくて、なかなかの長文になってしまいました。

やっぱり歌は気に入らないですが、オケ動画と記事のタイトルは気に入ってるので、渋々ながらもよしとします。

動画本編は、正直あまり見てほしくないんですよねぇー。というか、わざわざこんな記事を読みに来てくださる方々なら、記事内に動画を掲載する必要もないかなぁ、とも思いますが…。せっかくここまで読んでくださったので、念のため貼っておきます。むしろ私の歌なんて聞かなくていいので、相対性理論の原曲を聞いてください。