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沼津・太鼓判ライブのすゝめ
沼津ラクーンよしもと劇場で行われている「沼津週末寄席〜太鼓判ライブ〜」は、中堅以上の実力派芸人5組が2本ずつネタを披露する90分で1000円のライブである。
ザセカンドのための合宿とも呼ばれている #太鼓判ライブ は、ガクテンソク、金属バット、ザ・パンチなどをはじめ、ルミネやNGKで活躍しているような実力派芸人のネタが10本も見られる。
過去にはKOCチャンピオンのサルゴリラも出演していたり、漫才・コント・ピン問わず、色んな芸人さんが出演している。
そんな太鼓判ライブについての話は、前回の記事に書いている。
今回はもっとディープな太鼓判ライブの楽しみ方についてまとめてみる。
2公演見たら4本、2DAYSしたら8本
太鼓判ライブの良いところは1公演で2本ずつネタが見られることだ。お得な上に、2本見られるので好きなネタに出会う確率が上がる。1日2公演なので2公演とも見れば1組につき4本になる。
そして、太鼓判ライブは通常土日の2日間行われていて、2日とも見た場合、全部で4公演になる。
泊まりで2日とも出演する芸人さんも多いので、その場合1組につき8本ネタを見られることになる。もはや単独ライブの本数だ。なので推しがいる人にはめちゃくちゃおすすめ。
土曜と日曜で同じネタをする芸人さんもいるが、違うネタを披露してくれる芸人さんも多い。
私の好きなところだと、うるとらブギーズや吉田たちは色んなネタを見せてくれてとても楽しい。
ちなみに、太鼓判ライブで新ネタを披露する芸人さんも多い。ファンにはかなり嬉しい。
ガクテンソク・奥田さん曰く「2日間全てのステージを見るお客さまもいるため、前日と同じネタはしづらい」とのこと。同じネタでもネタを磨くために内容を一部変更していることも多く、その変化を見られるのもまたおもしろい。
それと、忘れてはいけないのが2日楽しんでも4000円なこと。4000円でネタが40本見られるわけだ。ちなみに、見てる側も結構疲れるので注意が必要。
沼津で愛されているコンビ・ツーナッカンの中本さんが言うには「(2日で4公演見てる人は)俺らよりお笑い好き」とのこと。お笑い玄人にはおすすめ、2DAYS。
ネタに影響するアンケート
お笑いライブに付き物のアンケート。見終わった後にお客さんが書くあれだが、このライブでは他のライブ以上に意味を持っているような気がする。
先ほども書いたように、ザセカンドに向けて芸を磨く場所でもある太鼓判ライブ。公演の後に芸人さんと作家さんとで、ネタについての意見交換会があるのも太鼓判ライブの特徴らしい。
それだけにお客さんのアンケートもしっかりと読んでネタに生かしてくれる芸人さんが多い印象で、ガクテンソク・奥田さんも「アンケート参考にしてます」と話していた。
実際にアンケートに書いた内容を参考にネタをしてくれていた芸人さんもいて(とはいえずぶの素人なので簡単な内容しか書いていないが)、とてもアンケートに答え甲斐があるなと思った。
最前列でお笑いを浴びる
沼津はとにかく舞台に近い。まだまだ穴場の太鼓判ライブは、最前列に座れることが結構ある。というかほぼ座れる。大体いつも最前列で見てる。
(※こちらについて12/24に追記しました。記事の一番最後に書いています)
最前列はこちらも緊張するほど舞台に近いが、その分舞台上の熱をそのまま感じることができる。時に目が合ったり、時に話しかけられたり。そんな距離の近さが堪能できる。
ルミネやNGK、マンゲキや無限大の最前列では味わえない近さ。大宮では味わえるかもしれないけど。
ただ、自由席なので後ろの方や端の方に座るのも自由。なんなら公演の途中に挟まれる5分の休憩で移動するのもありかもしれない。好きなように楽しめるのが良い。
1000円なので
知らない芸人さんも見てみる
太鼓判ライブに出ているのは芸歴を積んだ実力派芸人さんばかりだが、正直まだあまり知られてない芸人さんもいる。
例えば、太鼓判ライブで配られたうちわを見ても、お笑いファンでも名前がわからない芸人さんがいるかもしれない。
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でも知らなくても見てみたら「なんでこんなおもしろい芸人さんを知らなかったんだろう」と思うことがある。
私の場合、お笑いにハマってすぐに行ったので知らない人ばかりで、ガクテンソク、ザ・パンチなんかも太鼓判ライブで初めてそのおもしろさを知った。
ほかにもさっき書いたうるとらブギーズや吉田たち、あとはLLRもそう。前から知ってた2丁拳銃、モンスターエンジン、ハイキングウォーキングも久しぶりに、そして生で見たらこんなにおもしろいのかと驚いた。
そしてそれがたったの1000円。
初めて行った時は、正直安すぎてめっちゃコアなネタやってたり、おもしろくなかったりするのかなと思ってたけど、ちゃんとおもしろいので(たま〜〜にコアなネタの人もいるけど)、行ってみる価値は十分にあると思う。だって1000円だし。
調子の悪ささえお笑い
「1000円なんですから、ネタ1本100円で見れるわけですから、そっち(お客さん)も頑張ってくださいよ」なんてMCをしている芸人さんに言われることがある。もちろん冗談なわけだけど、たまに垣間見える1000円ライブのゆるさがまた味わい深い。
基本的にはザセカ合宿なのでちゃんとネタが見られるが、神保町や無限大と違ってなにせ中堅以上のキャリアを積んだおじさんたちが出ているので、おじさんたちが愚痴っていることもある。
特に土日泊まりだったおじさんの日曜日1本目。芸人さんの言葉を引用すると軽ゲロ状態なことがある。沼津の街にテンションが上がったおじさんたちが飲みまくり、顔をむくませてネタをやっていることがある。
でも、それがおもしろい。
これは贔屓目でもなんでもなく、私が先述の通りどんなもんかと心配しながら初めて太鼓判ライブに行った時にそんなコンビが出ていた。ツーナッカンだった。
今では沼津でファンミが開催されるほど大人気のツーナッカンだが、その日、ボケの中本さんが顔をパンパンにして出てきて愚痴を言っていたら持ち時間が終わった。これは支配人に怒られると言っていたが、それがまあおもしろかった。
そんなツーナッカンは太鼓判ライブの常連なので、よく見ていて今ではすっかりファンになったと言っていいと思う。沼津での活躍もあってかぐんぐんファンが増えている様子のツーナッカン。そんなコンビが見られるのも太鼓判ライブの良さかもしれない。
ザセカンドと太鼓判ライブ
M-1前の無限大は熱い。
それと同じように、ザセカンド前の太鼓判も熱い。
この前のTHE SECOND 2024のファイナリスト8組中のうち、5組が太鼓判ライブに出演していたコンビだった。
王者ガクテンソク、準優勝のザ・パンチ、タモンズ、ラフ次元、金属バット。このうち、金属バットを除いた4組は実際にザセカ直前に劇場で見ていた。
お笑い初心者ながら、違いをひしひし感じたのを覚えてる。ほかのコンビと明らかに取る笑いの量が違うし、ネタを磨き、調整し、仕上げてるんだと感じた。
特にガクテンソク。一語一句、そしてタイミングを精密に調整している感じがとてもあった。
テレビで放送されるグランプリファイナルのネタを一足先に劇場で生で見られるなんて、その熱量を生で感じられるなんて。本当に1000円でいいのか?
よくわからないけど、とにかく機会があったら見に行ってほしい。
沼津でしか見られない太鼓判ライブを。
追記:何時に行けば最前に座れるのか
初めて来る方や、遠方から来る方は気になると思う。
特に人気のある芸人さんがいる時には、劇場が開く時間(大体公演の1時間前)に合わせてお客さんが並んでいたりする。
その時間から待ちたい場合は、エレベーターは劇場が開いてからでないと動かないので、ドトール横の入口から入ってエレベーターの先にある階段から4階に上がり、シャッター前に並んで待つのがベスト。
ちなみに、劇場が開く時間は確定ではないので注意。(劇場公式サイトにはお問い合わせくださいと記載があった)
参考までに、ザセカンドで優勝後のガクテンソクが来た日、M-1決勝前日にダイタクが来た日なんかは後ろから2〜3列目まで埋まっていた。聞いた話では金属バットの日は完売したとのこと(と風の噂で聞いた)。
ただ、基本的に普通の日は開演30分前に着いてもプレミアム会員なら十分最前に座れる。なんなら誰も待ってない日もあった。
なのでそんなに慌てることはないが、張り切りたい方はせっかくなので並ぶのもありかも。参考までに。