「第1回アゾリウス評議会」を読み解く
「第1回アゾリウス評議会」とは
「第1回アゾリウス評議会」は朧霞(@obrgsm)様の企画したチャンピオンズカップで結果を残した【青白コントロール】をメインで使うMTGプレイヤーによるnoteの記事の連動考察企画である。
メインの参加者はそれぞれが2022年の「チャンピオンズカップJAPAN & KOREA」また2023年の「チャンピオンズカップJAPAN & KOREA SEASON2」において店舗予選、またはエリア予選そしてチャンピオンズカップファイナルでパイオニアの青白コンにより結果を残した競技プレイヤーであり、パイオニアの青白コンについてNoteでの記事を書いているコラムニストでもある。
そんなパイオニアにおける青白コンの最前線である3人に加え青白コン研究に熱心な有志によるデッキリストの解説、2023年5月現在また今後のメタゲームにおけるパイオニアの環境考察がこの企画の趣旨である。
そんな連動企画を読み解き記事を比較することで多く経験値を稼ぎ自身の知識を広げられないか、という自分向けまとめである。
今回は連動記事の主導者である3名の記事からその共通点を考える。
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なにか問題あればTwitterにご連絡いただければ即削除いたします。
es:パスタ
企画の内容について
朧霞様の用意した「議題内容」こと記事の内容は大きく4つである。
①現在のデッキリスト
記事主の現在のデッキリストと、採用カードの特徴についての解説。
②現在のパイオニア環境考察
③今後のメタについて
それぞれ現状のチャンピオンズカップなどにおける強いデッキ、注目すべきデッキをまとめている。また一部5月12日発売の「機械兵団の進軍:決戦の後に」の入った環境の考察も含まれていた。
④その他
フリースペース。記事主の個性の出しどころである。
この記事では先に前提となる②の「現在のパイオニア環境分析」から考察していこうと思う。
考察「②現在のパイオニア環境分析」
まず参加者が前提として上げた環境のTier1が【ラクドスミッドレンジ】である。
【ラクドスミッドレンジ】は現在のパイオニア環境における王者であり、青白コンが最も意識すべきデッキであるというのがすべての記事での共通見解であると読み取れた。ただし、環境自体が【ラクドス】を意識して包囲網を敷いている状況からも数としてはそこまで多くなく、意識しすぎるのも問題であるとの意見も見られた。
一方で2番手についてはそれぞれ意見が分かれた。晴れる屋のHPのメタゲームでの上位や自身の意識したデッキとして【緑単】【青白コンミラー】【アブザンパルヘリオン】【アトラクサ踏み倒し】などの名前がそれぞれ上がっている。
【緑単】は「機械兵団の進軍」から得た新戦力である《ポルクラノスの再誕/Polukranos Reborn》や《イクサランへの侵攻/Invasion of Ixalan》を得たとに加え【ラクドス】に対してもともとカードのスケールで勝てていることが大きな理由とされた。
【ラクドス】に対してそのフィニッシャー力で同じく有利である【アトラクサ】踏み倒しデッキはトーナメントにおいて一定の数がいる、または人気なデッキであるとされた。
記事主それぞれがエリア予選のメタゲームを予測し実際に大会に挑んだ結果、やはり上位宅にはこれらの名前が並んだとしている。
結果として現在のパイオニア環境は【ラクドス】が最有力を占めているものの2番手を複数のデッキが争う状況であり、【青白コン】としては【ラクドス】へのプランを用意しつつ【緑単】【青白コンミラー】【アブザンパルヘリオン】【アトラクサ踏み倒し】などへマスカンを見極め堅実に勝っていくことが求められる。
考察「③今後のメタについて」
「機械兵団の進軍」からのカードの追加により今後増加する可能性のあるデッキとして【ローナコンボ】と【青黒ローグ】の名前が複数のプレイヤーから上がった。
また「ワームゼナゴス」、「アトラクサ」に次ぐ踏み倒し先として《奔流の機械巨人/Torrential Gearhulk》と《マグマ・オパス/Magma Opus》を据えた【UR独創力】もエリア予選や「シーズン3」の店舗予選で見られたことから増加が予測されている。
また「機械兵団の進軍:決戦の後に」後の環境では【ラクドス】の増加によって減少するとの予測もあった【白単人間】に新戦力として《銅纏いの尖兵》が追加されることも挙げられていた。
青を採用した【攪乱系コンボ】の増加が見込まれ、「決戦の後に」からは【人間】以外の影響は現状予測できない。
考察「①デッキリスト」
参加者の青白コンのデッキリストはそれぞれ個性的で細部が異なるものだったがいくつかの共通点が見られた
共通点1.土地の枚数の増加
以前からパイオニアの青白コンの土地枚数は26枚とされることが多かったと筆者は認識しているが、今回の参加者のデッキレシピではほとんど土地が27枚、中には両面カードにより土地の枚数を割り増しているプレイヤーも見られた。さらに上記の両面カードも含め確定タップインの土地である《灌漑農地/Irrigated Farmland》や《啓蒙の神殿/Temple of Enlightenment》を採用している一方アンタップインできる《連門の小道/Hengegate Pathway》/《霧門の小道/Mistgate Pathway》を採用していないことから、「長期戦を見越し、安定して土地を延ばすことを意識。アンタップインにこだわらず、土地の副次的効果からバリューの大きいものを選択している。」と考えられる。
また次の項目ともつながるが今回の参加者には《軍備放棄/Lay Down Arms》を採用し平地を多くとったデッキはいなかった。
共通点2.単体除去の減少
「兄弟戦争」で注目された《魂の仕切り/Soul Partition》が前環境より【グルール機体】のようなミッドレンジがいなくなったこと、またラクドスに弱いことから採用を大きく減らした。戦場に出たPWに触れる単体除去がデッキで1枚のみの構築が多く、PWを使ったデッキの減少の影響を感じる。
一方でアーティファクトやエンチャントに触れる単体除去と全体除去が多くなっている。
共通点3.2マナカウンターの増量
3マナのカウンターである《吸収/Absorb》の枚数を3に抑え2マナカウンターが7枚近くとられている。
共通点4.フィニッシャーの減少
テフェリーの枚数が3枚に抑えられている。ラクドスに対して除去されなければ強く出られるカードであるがコンボデッキの増加もあり、出すターンを遅らせることが多くなったためか減少した。また、前環境より【グルール機体】のようなミッドレンジがいなくなったことから《放浪皇/The Wandering Emperor》の枚数も3枚に抑えられている。
共通点5.除去置物
青白コンの除去置物(ここでは戦場に出た際にこのカードが離れるまで一時的に相手のパーマネントを追放するカードを指す)として参加者のレシピではメインから《一時的封鎖/Temporary Lockdown》または《ポータブル・ホール/Portable Hole》がとられている。対象を2マナ以下に限定しているが、これは苦手なデッキである白単人間に強いだけでなく、【ラクドス】のメインデッキに《苦難の影/Misery's Shadow》や《勢団の銀行破り/Reckoner Bankbuster》が多くとられ始めたことも影響していると考えられる。
共通点6.踏み倒し対策
メインデッキ、サイドデッキ両方で踏み倒しデッキへの対策が多くみられる。メインから《神聖なる月光/Hallowed Moonlight》、またサイドから《封じ込める僧侶/Containment Priest》や《敬虔な新米、デニック/Dennick, Pious Apprentice》が多くとられており、【アトラクサデッキ】や【パルヘリオン】が強く意識されている。
新戦力
朧霞さんの採用した《割込み/Cut Short》、へいかさん採用の《方程式の改変/Change the Equation》、また「PHC」の二人の採用した《金属の徒党の種子鮫/Chrome Host Seedshark》が[MOM]からの新戦力である。テスト段階かこれからのレギュラーになっていくかは筆者からは判断できないためほかの場所での結果と合わせて観察すべきだろう
考察「④フリースペース」
参加者個人個人の自由な書き込みでありあまり触れるべきでないかもしれないが参加者の多くが話題に出していたためせっかくなので触れておきたいのが調整チーム「PHC」についてだ。
横浜を中心に活躍し、チャンピオンズカップでも多くの予選突破者を輩出している、現パイオニアの調整チームの強豪PHCの名前は2022のチャンピオンズで知れ渡ったように感じる。
筆者にとってレガシーやモダン、またはプロの世界では存在していると聞いていた調整チームの存在を自身がプレイしているフォーマットで感じたのは初めてであるが、その実績と情報量には感動を覚えた。個人の情報よりも集合知が大きな力を持つのは常であるが、強いモチベーションを持った集団の力はすさまじい。
これからのパイオニアは個人よりもチームで戦う環境となっていくのかもしれない。
締
以上が私が「第1回アゾリウス評議会」で現在投稿されている記事より読み取った内容である。
読み込みが足りない点、間違って読み取っている点、また私の表現が悪く間違って伝わってしまっている点などあるかもしれないので元の記事を読んでいただくことをお勧めする。
自身の勉強のためこの記事に対しての指摘、意見、文句などはありがたく頂戴する。
最後に企画の参加者の皆様、企画者の朧霞様に勉強の機会を与えてくれたことに最大の感謝をさせていただきたい。
ありがとうございました。
参加者リンク
今回記事内で取り上げさせていただいた企画の主導者のお三方
・朧霞様 第1回アゾリウス評議会 朧霞視点
・袁術陛下様 第1回アゾリウス評議会 - 4/30(日) トーナメントセンター高田馬場バトロコ エリア予選突破
・アス波【PHC】様 第1回アゾリウス評議会 アス波の場合
企画への有志の参加者様 (別記事にて考察させていただきたいと思っています。)
・Novel様 【勝手に】第一回アゾリウス評議会_Novel視点【20230504】
・ゆーじん様 第1回アゾリウス評議会 ゆーじん視点