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非英語圏オールタイムベストアルバム②

20→11の紹介です。

20. João Gilberto (3月の水) / João Gilberto / ブラジル 1973年

私はボサノヴァに影響を受けた音楽は好きですが、ボサノヴァそのものは実のところ日常的にはあまり聴いていないです。ただこのアルバムは別(あとはDomingo)。独特の冷んやりとした体温の低さ、静かだけど穏やかとは言い難く、どちらかと言えば不穏な感触。この不穏さみたいなものは後のMPBに脈々と受け継がれていて、そこに堪らなく惹かれている部分があるのかもしれません。

推し曲:Undiu

19. Canto de Rei / Reinaldo / ブラジル  2011年

ヘイナウドはだいたい中堅サンビスタというような書かれ方をしていることが多いです。カルトーラなどでなく、こちらを選ぶ人は多くないかもしれませんが、私にとっては特別な1枚になっています。それには個人的な思い出が・・・特にないんですが、ヘイナウドの声が何か心に沁みるんですよね。内省的サンバの最高峰と思ってます。

推し曲:Se Levar Fé

18. Belchior ou era uma vez um homem e seu tempo /  Belchior / ブラジル 1979年

べウキオールも名曲をたくさん産んでいる偉大なソングライターですが、このアルバムが1番SSW然としていて、統一感がある気がします。冒頭の「Medo de avião」のアウトロでビートルズの「She Loves You」を引用して始め、ラストは同じ歌詞の別曲「Medo de avião Ⅱ」では「抱きしめたい」を引用して締めるという構成。この「Medo de avião Ⅱ」は正真正銘の大名曲です。

推し曲:Medo de avião Ⅱ

17. Arthur Verocai / Arthur Verocai / ブラジル 1972年

これは選んでいる人多いのではないでしょうか。伝説的ソングライター、アレンジャー、プロデューサー・・・etc、アルトゥール・ヴェロカイの1stソロです。狂気すら感じるスリリングな管弦のアレンジ、サイケで美しく、しかしポップさは失っていない。全曲素晴らしいです。トニーニョ・オルタらも参加、歌詞がヴィトール・マルティンスなのも良いですね。

推し曲:Presente grego

16. Avenido / Aca Seca Trio / アルゼンチン 2006年

アルゼンチン北部トゥクマン出身。地元のフォルクローレを土台にした澄んだ空気のような透明感溢れるサウンドが魅力です。このアルバム冒頭「Carcara」のイントロのハーモニーの素晴らしさといったら!ボサノヴァを感じさせるフィールのこの曲で始まり、しっとりとジャズ的な雰囲気のある「Pasarero」など、美しい時間が流れます。アンドレス・ベエウサエルトのピアノも素晴らしい。地理的にそれほど近いわけではないですが、ブラジルのミナス新世代のミュージシャンたちと音楽的に親和性が高い気もしています。

推し曲:Carcará

15. עכשיו הזמן / Shlomo Yidov / イスラエル 1985年

イスラエルの有名プログレグループNo NamesのメンバーであるShlomo Yidov(שלמה יידוב)のソロ作です(No Namesのアルバムも名盤)。このアルバムの最大の欠点は出だしがダサいことなのですが、超名曲の2曲目「בין המשפטים」以降は、少し浮遊感あるコードワークや温かくも少し陰りあるメロディに溢れた良曲の嵐となります。7曲目「העיר הגדולה」とか、少しシティ・ポップというかAOR的な感じもあるかもしれないですね。彼はイスラエル人ですが生まれはアルゼンチンのブエノスアイレスとのことで、ちょっと南米の空気も含んでいるのかもしれません。

推し曲:בין המשפטים

14. Teletransportar / Rafa Castro / ブラジル 2020年

アフロシンフォニカに引き続き昨年の作品から。ハファ・カストロはミナスの生まれで、現在はサンパウロで活躍しているSSW。メランコリックながら湿っぽくなりすぎない絶妙バランスの楽曲群。奥深い響きのあるドラム。これからも繰り返し聴くことは間違い無いです。良い意味でトボけたようなハファの歌声(実に気持ちいい音域!)もこのバランスに寄与しているのだろうと思います。泣けます。

推し曲:Teletransportar

13. Artaud / Pescado Rabioso / アルゼンチン 1973年

名義が違いますがスピネッタ関連2度目の登場です。 Almendra解散後にスピネッタ が結成したバンドの3枚目ですが、実質的にソロに近くなっているようです(Almendraの1stやその元メンバーが結成したAquelarreなども良いアルバム残しています)。ギターを中心とした比較的シンプルな演奏ですが、その分スピネッタ の声やギターの音がむき出しで伝わってくる。スピネッタ のギターの音ってアコギもエレキも何か魅力的なんですよね。それが最良の形で味わえるアルバムだと思います。

推し曲:Bajan

12. Refavela / Gilberto Gil / ブラジル 1977年

ジルベルト・ジルもどれを選ぶか難しいのですが、アフロバイーアに向き合った最初のアルバムと言われるこちらを。シンプルなアコギやパーカション中心の音作りでスピリチュアル性を感じさせながら、ジル特有の茶目っ気にも溢れていて、聴いていて楽しくなってきます。そしてなんといっても全般的に曲が良いです。バラード系もノリの良い曲も、とにかくジルの充実ぶりが伝わってきます。「Samba do Aviao」のカバーなんかも最高!
なお、ここ数年のジルも、子や孫たち(Gilsons)に囲まれ、かなり充実した作品を送り出してくれています。今後の作品にも期待です。

推し曲:Aqui Agora

11. Esse é o Clima - Ao Vivo / Turma do Pagode / ブラジル 2010年

仲間内で裏庭で楽しむサンバとして産まれたパゴーヂ。サンバに近しいものからもっと歌謡(ホマンチコ)寄りのものまで、様々ありますが、Turma do Pagodeは中間というか、本当にちょうど良いところをついてくるグループです。明るくも切ないメロディと鉄壁のパーカッション、カバキーニョ、バンジョー、そしてLeizのイケボ。彼らはいつも良い曲を演奏していますが、代表曲である「Pro Meu Mundo Girar」「Camisa 10」といった曲を含むこの盤で。なお、パコーヂ系の人たちは普通にライブ盤をオリジナル盤のように曲被りがあまりない形で出してくるので、これもオリジナルアルバムと同様の受取め方をしています。

推し曲:Camisa 10(1億回再生!)

(続く)




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