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オリジナル曲「長い夢」のメモ

コツコツ制作している自作曲について、作りっぱなしなのも何なので簡単に記録を残しておこうと思います。

楽曲リンク

長い夢 [Acoustic and Gut Guitar by callas] by パッソス・ノ・テンポ(Passos no Tempo)

着想

曲を作るにあたって最初にイメージしていたのは、ミルトン・ナシメントの「Durango Kid」でした。作曲はトニーニョ・オルタ、少しフォルクローレ感があり、崇高なミルトンのボーカルとミナスの山々を思わせるような雄大なメロディを持つ名曲です。

出発点(目標?)はここではあるのですが、当然同じものになるわけはないので、イメージやムードを感じつつ曲を作っていきます。

構成

1小節だけのイントロで始まるAABA形式ですね。Bの後フルートがメインの間奏を挟み、Aに戻ってシンプルに終了。コーダ部分は同じくミルトンの「Travessia」みたいな感じを意識しています。add9とかで終るのが好き。

話は少しズレますが、前述の「Durango Kid」はA→Bみたいな展開はなく、一つの大きな流れで構成されているように感じます。それでも単調になることなく、ドラマチックさに溢れていて、見事と言う他無いですね。曲自体の力はもちろん、編曲とミルトンの歌唱の力を感じます。

コラボレーション

この曲は比較的開放弦とかも使ったギターならではのボイシングを意識していたこともあり、バッキングの中心としてまずはアコギ系の音が欲しいと思っていました。自分は基本エレキのコードカッティングしかできないし、生のニュアンスが欲しい・・・。ということで、少し前に、からすさんの楽曲「おやすみ、その夜の友だち」で編曲という形でコラボさせてもらった流れもあり、今回はからすさんにギターをお願いすることにしました。直接お会いしたことはないのですが、こうして好きな音楽や制作した楽曲を通して交流して、共同作業できるというのも良いものですね。

からすさんが試しにスチール弦とガットをそれぞれ弾いてくれたのですが、両方とも捨てがたく、右チャンネルにスチール、左チャンネルにガットという形で使わせてもらいました。

パーカッションその他

「Durango Kid」には、馬の足音のような印象的なポコポコ音が入っています。それに影響され、全編ウッドブロックを使いました。また、拙いシェイカーも入っていますが、これは打込みではなく紅茶の缶を振ったもの。マンションで演奏するにはうるさすぎないのでこれくらいが良いです。茶葉の細かさや量で色んな音も出せるし。こういう隙が少し入っていた方が豊かになるのではという思い込みがありますが、もうちょっと(紅茶缶を振る)練習します。

伴奏のストリングスは4声で組み立てています。バイオリン2本とビオラ・チェロがそれぞれオクターブで動き、時々キメで逆に動いたりという感じです。Logic pro Xのストリングスには豊富なアーティキュレーションがありますが、別途Expressionを書くことで結構ニュアンスが出せますね。凝り始めるとキリが無さそうですが・・・。

歌詞

具体的に言及したものではないですが、なんとなくコロナ禍での生活が反映されているような気もします。しかしあらためて読み返すと何かはっきりしない歌詞ですね。反省。

漂う気配に右往左往
目覚め損ねた夢から
醒めないなら 
せめて麗しい日々を送ろうか

語らう言葉の青さを
曖昧なまま忘れ去った
溢れ出た 
絶え間ない悲しみを
塗り替えていこう

揺蕩う世界の中に
埋もれないで

目覚める身体の重さを
感じながらも起きあがった
眩しさに堪らずに目を伏せた
長い夢の後

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