開業の理由
開業しようと思い立ったのが、医師になって7年目。NICUで3年働き、何を思ったか、半年近くフードコーディネーターの勉強をしに行ったりしつつ、ふと、振り返ってみて、当時の自分にとって”どげんかせんといかん”と思えたのが、NICU退院後の家族の在り方でした。あんまり幸せそうに見えなかったんですよね。
考えに考えて、最終的に、開業することで、周囲にコミュニティを作り、そこで働き、保育して、仲間を作り、お互いに支えあうようなことが出来たらよいのかなと思うようになりました。その成功例をまずは作ってみようと。(32歳当時にしては夢物語すぎますが)
自分に足りないものを考えたときに、感冒などの知識、障碍児のフォローアップ、てんかんなどの神経学的な知識・経験、小児重症例の経験など、およそ、普通の小児科医が経験しているはずのものがごっそりないことに気が付き、大学ではこれ以上難しいかと考え、なんでもやれるような病院を探して、九州は飯塚の病院にたどりつきました。
赤ちゃんが好きで、周産期が好きで、産科に入るかどうか悩みながらの研修医時代から、一直線にNICUを目指し。後期研修医としては他のNICUと比較したら、だいぶぬるま湯な環境だったのかなと後から思いますが、患児の家族と児のふれあいを大事にし、看取りにも力を入れられていたNICUでEvidenceや数値だけじゃなくて、Artも重視される部長の元、勉強させて頂いた経験(また今度書きます)と、地方の3次救急でCPAをひきうけつつ、NICUで超未熟児たちを育てていくような総合病院で月の半分以上病院に寝泊まりするような経験を経て、現在の産科併設小児科院長として雇用して頂き、現在に至ります。
さらに5年たち、現状のクリニックで出来る限りの育児サポートを頑張ってきましたが、どうしても一般小児科として、感冒や、身体疾患がメインとなっているため、人的資源、スペースなど、これ以上育児サポートには割くものが無い状態となってしまいました。そこで、かねてからの思いを実現するため、PASSOクリニックを立ち上げることに致しました。
ほとんどの方にはどうでもいい、備忘録的な、開業に際してのメモ。
PASSO:有名な某車の名前
イタリア語でPASSO A PASSO:一歩一歩 よちよち歩きとも。
目指す小児科の名前として良いじゃない、と。
色々考えたんですよ。これでも。NICUで働いていた時の知識でDevelopmental Careとか、名前に”子育て”つけるとか、いやいや言うても小児科だし、SEO対策的に”こども”とか”キッズ”とか必要?とか、ハビリテーションとか。もう意味わからない言語や単語調べては、これも違うあれも違うと。
結局、なんもない、PASSOだけに落ち着いたわけです。
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