古書店街の橋姫 PC版プレイネタバレあり・なし感想
題名のとおり、プレイしました!
※年齢制限ありです。
そして全ルート終了しました。
まず、ネタバレなし感想でいいますと、
すごく楽しめました!!少し強引な展開もありますが脚本がいい!
絵がキレイ!スチルが多い!声優さんの演技も上手でした。
主人公が知らぬ間に自分に宿っていたタイムリープの力を使って、親友を死から救うために何度も三日間を繰り返すお話です。
最初やり初めて、シュタゲっぽいのかな?と思いました。シュタゲも幼なじみを助けるって目的でしたから。
タイムリープを繰り返す度に真相がわかっていくのですが、この過程が読んでてわくわくしました。サスペンス系のお話がお好きな人にはすごくオススメです。
ルートは全部で5つありますが、バッドエンドになる選択肢はなく、5つのうちどのルートにいくかを選ぶための選択肢となっています。
なので、ゲームというより、動く小説を読むような感覚でした。
では、ネタバレ感想を。。↓
・玉森について
プレイし始めて最初の感想は、「とぼけた主人公だな」でした笑
文士になりたいと言って自分の書く空想物語の中に生き、宿とお金をほぼ無償(ほとんど働いてない)でもらっている、ダメ人間だなと。ふわふわと地に足がつかず生きてる感じ。認めたくないけど、本当は玉森自身もそれを自覚してる。
あー好きになれそうにないな、と思いながら読み進めました笑
声が誰かに似てる気がしたけど、わかりませんでした。
ただ、タイムリープを何度も繰り返すうちに、目をそらさず現実と向き合っていきます。どのルートでも、そのルートでの彼の目的を見つけてそのために動いて、彼の成長ストーリー的な側面を感じました。声の真剣さも変わっていき、声優さん上手だなぁと思いました。
・玉森の空想世界
彼の空想世界が大好きでした!
すごくキレイですよね!また、最初のほうで博士と自分の空想世界を共有してましたが、そんなことできるんかい!って思わず突っ込みました笑 この部分は素敵なファンタジーでしたね。
川瀬ルートでも、川瀬と空想を共有する場面がありますが、このとき川瀬が、「君はいつもこんなものを見ているのか。。。」みたいなセリフがあります。
これまで玉森の作品の批評も酷評ばかりで、空想世界をバカにしてた川瀬が、玉森の空想世界に何かを感じて、空想世界に助けられる、というシチュエーションがすごく好きでした。このシーンは冒険感も強くて、絵もキレイでとても好きなシーンです。
・人間の欲望について
玉森が最初に水上を救いたい理由は、自分の作品に対する気持ちを聞きたいからなのですが、これ読んでる時、「なんてひどい奴だ」と思いました!
同郷の幼なじみが死んでるのに、自分のことしか考えないなんて最低だと思いましたが、所詮人間はみんな自分の私利私欲のためにしか動かないってことを突きつけられたような気がしました。
全ルートやって思いましたが、この作品の登場人物たちは、みんな私利私欲のために行動していました。プレイヤーにも「自分と向き合え」と言っているんでしょうか?きっとそうなのかなー
・橋姫について
橋姫、なかなか因果な妖怪ですね!
他人のために行動したら嫉妬で宿主の一番嫌なことをするとか。
作品の中で、他人のためだと「救う」、自分のためだと「掬う」という使い分けがされていたことをプレイ後に知りました笑
芸が細かい!というわかりませんでした!笑
誤字脱字多かったですが、こういう言葉遊びがたくさんされていたかと思うと、もったいないなと思いました(全てほぼ1人で作ったゲームらしいです!誤字脱字するなってほうが無理ですよね。ほんとすごいです)
橋姫には感情とかないんでしょうか?
橋姫は、宿主が死ぬと一番近くにいる人に憑依するとか、昔の宿主を優先するとか、憑依しないと存在できないってことですよね。
存在するために、憑依させてくれた宿主に力を与えてるってことなんですよね?橋姫の設定というか、存在というかにもう少し言及してほしかったかな、と思いました。設定がゆるい気もしました。
・カオルルートについて
水上ルートでは、驚きつつも理解はしましたが、カオルルートはかなりびっくりしました!!
まさかの空想オチ。。
確かに、何度も「現実と空想の区別がつかない」って言われてましたが。。
結局、店主という存在は、玉森が作り出した「自分の中の良心、良識」だったんでしょうか?
全部空想だったってことは、橋姫も存在してないんですよね?でも目はやっぱ青いままなんですね。
カオルはあの空想の中にどういう状態で存在してたのか? 現実世界でも他人を自分の空想世界に招き入れられるってことですか?それとも、自分の中のカオルっていう概念として形成されてたってことで、現実のカオルとは別物?
そしてこの空想してる間どのくらい時間がたってたんでしょう?
戦争孤児としてカオルを引き取ったと書かれてましたが、20歳で戦争孤児引き取るっていうのがびっくりで。。この時代は普通だったんでしょうか?
このときの玉森って、現実逃避してる状態ってことですよね?世話しないといけない対象がいるのに空想に逃げてるって、そんな余裕なくない?!
ここらへんの謎を解消したいですね。。
・解説本と公式サイトのQ&Aについて
ゲーム内だけで完結しないのはいかがかと思いました。ちょっとした内容とかならいいですが、そういうボリュームじゃないみたいですし。。。全部詰めるのは確かに大変だとは思うのですが、うーん。
そして、自分はQ&Aしか見てないのでなんとも言えませんが、不明なことがまだあります。結局不明なまま残るものもあるそうですし、自分の妄想補完しかないんですかね?
・スチルについて
どれもキレイですし、背景絵もすごくキレイでした!
ただ、キャラが話してる間は立ち絵がずっと出てるゲームをいつもやってるので、立ち絵がしばらく出なかったりするのにちょっと慣れなかったかな。表情の変化も見れなくて残念でした。
・各ルートについての感想
水上…主人公・玉森の運命の相手。5億年も想い続けるなんて、想像もつかない。。。この作品の中に普通の人は出てきませんが笑、水上が一番狂ってるのかもなぁ。
とにかく何回助けても死にます。しかも自殺。このルートの玉森は、水上の自殺を受け止め、かつ自分には水上が必要だと気づくまでの心境の変化が読み応えがありました。
最初は、水上の死を受け入れられないから、泣くこともできないんですよね。まさにルート通して玉森成長記でしたね。
5つのルートのうち、一番好きかな。一番最初にやるルートなので、インパクトも一番でかいですし。選択肢もなかったため、色々驚きました笑
そして、自分が考えながらうとうとしながらやってたせいもありますが、12時間くらいかかりました!!これに一番驚きました笑
5億年分の恋愛小説だなーと思いました。
「俺を諦めてくれ」ってセリフの破壊力が凄まじかった笑
川瀬…キャラと声がぴったりだと思いました!
「これっておれのこと?」ってシーンの、横顔スチルが好きです。
本当は優しいのに隠してるし、玉森には冷たくしてるけど肝心な時は助けてくれるし、好意が見え隠れしてるのは、最初の水上ルートの時から感じてました。
結局、池田さんには犬同然に虐げられて暮らしてたってことなんですかね?そこらへんもわからない。。
また、虐待ってほんと最低だと改めて思いました。
自分のせい(ではないんですけど、川瀬はそう思ってる)で花澤の父親が殺されちゃいますし、そんな過去があったら、前向きに生きられないよなー。。川瀬の過去は、読みながら暗くなってしまいました。
結局、川瀬が玉森の批評を引き受けた本当の理由って何だったんでしょう?
気持ちを玉森に伝えるシーンはどれも好きでした。ただ、どんな言葉で言っていても、報われると思ってない言い方で、切ないんですよね。。
川瀬を選ぶ玉森の心理については、もう少し自分の中で考察しようと思います。
店主と空想バトル笑をして、空想から空想に逃げるシーンが本当に好きでした!
列車の中で川瀬の空想に招き入れられた時、わざと落ちて川瀬に自分を助けさせるシーンも好きです。
川瀬も川瀬で、諦めすぎなんですよね。。水上といい、自分が幸せになろうって全然考えてない。。切ない。。
「玉森くんから、好きって言われたかったな」のセリフが切なすぎて一番印象深いです。
花澤…ラストの衝撃。それに尽きます笑。
花澤の、本当は冒険好きなところとか、玉森大好きなところがもっとわかると良かったかな?ボリュームとしても短かった気がしました。
また、水上ルート後なので、花澤の行動理由をわかっているから、あまり花澤ルートやりたくなかったのが本音でした笑
玉森は心がキレイですよね。結局一緒に地獄に墜ちることを選んであげるんですから。
そういえば、これって他人のためになるのでは??
博士…物語が二転三転しまくって忙しかったですね!それもかなり奇想天外な方向性で、全然想像つかなかったです。
博士の行動理由も、水上ルートでわかっていたので、やっぱりひやひやしながら進めてました笑
でも花澤ルートより水上ルートを引きずっていなかった!良かった!笑
やっぱりかなりの変人でしたね。。愛が重い。。結局最後の時間跳躍でたどり着いた平和な世界でも、なんで博士がそんなに玉森に心酔してるかはわかりませんでしたね。
色んな時間軸の博士の記憶が、やっぱり少し統合されてたりするのかな?
また、どのルートでもそうなのですが、一剣さんまじでやめてくれ!ってシーン多すぎですよ笑 博士大好きすぎでしょ勘弁してくれ笑
博士ルートで一番好きなのは、子供の博士が店主と出会わないようにしたあと、自殺をはかった彼を白髪の博士が助けにくるシーンです!
めちゃくちゃワクワクしました!すごい超SF展開笑 白髪の博士の世界にそのまま行く展開があっても良かったなぁと思いました。でもそれだとラブにならないか。物語的におもしろければラブじゃなくていいんですけどねーほんとに。
なので、最後の跳躍先の世界と展開には不満がありますね。まぁ博士は幼なじみじゃないし、玉森との関係性考えるとあれでもいいのかな。。博士ルートは玉森が自分の欲に気づいて、博士のためにがんばるルートですもんね。
水上ルートでの恐ろしい声も含め、博士の声優さんとっても上手だなぁと思いました。
カオル…色々謎が残りました。
上記したものの他にも、なんで養父とそんなことに?!っていう倫理的なものが一番でかいかな。。
あと、玉森が自分の顔変えられたってことは結局空想を他人と共有するのは現実世界でもできる、ってことですか?
カオルルートやるにあたって、他ルートは分岐まで読まず飛ばしたんですが、このルートの分岐までもう一度全部読みました。
でもきっとまだちゃんと読めていないものがあるのかもしれないので、3回読まないとだめかもしれません。
この作品に登場した夢野久作とか泉鏡花とか有名な作家さんの作品を読んだことがないので、読んでみたいなと思いました!
周回することがあれば、また感想を追記しようと思います。
読んでくださり、ありがとうございました!
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