見出し画像

『まちがえない!習い事』

3歳の息子の子育てをしており、習い事についての報収集の一環として読みました。


結論、ものすごく参考になりました。
著者の私見だけでなく、各分野の専門家の所見も記されており、非常に納得感がありました。

当たり前ですが、本書には「これが正解」という画一したハウツーが書かれているわけではありません。

その代わり、「最後は各家庭の自己判断」を前提に、考えるヒントが沢山書かれていました。

以下は、個人的にとても参考になったトピック

◼︎習い事の位置付け

習い事はあくまでオプション。
やらなくてはならないことではないし、無理強いすべきことでもない。

始める時期も、物事の道理や得手不得手が多少わかる、小学高3〜4年生くらいで始めても十分間に合う。

子どもにしんどい思いをさせてまでやらせる必要はない。
子どもに精神的な負担を与えることは、デメリットににかならない。

◼︎習い事の軌道修正

一旦習わせたとしても、それが子どもの成長にそぐわなくなった時に軌道修正する責任が親にはある。
少し習い始めると「才能はないな」と分かることも多い。

それでも「せっかく習ったから」「友達がいるから」となんとか気持ちを切り替えて、何とか続ける子がは多い。

本当に好きで上達を目指す子は、実は1割もいない。
そうした時に、別の習い事に変えるか、細く長くでも続けさせるか、子どもとの話し合いが必要。

◼︎習い事のゴールと、抑えるべきポイント

将来子どもに「習わせてくれてありがとう」と言ってもらおう。
最終的にモノにならなくても、子どもに感謝されよう。

そのために外せない3つのポイント

①我が子を観察する力
②いい先生を探す力
③習っている途中で軌道修正する力

子どもにとって習い事が意味を持つためには、細くても良いから長く続けること。

できれば小学校高学年くらいまでは続けてほしい。
長く続けさせるためのコツは、好きになること。

ポイント①と②について
子どもの「これが好き」という意思は大切だが、小学校低学年くらいまでの「好き」はあまりあてにならない。

親は、通えそうな範囲で様々な習い事の情報を集めて、我が子が好きになりそうな教室を探す。
そのためにも我が子をよく観察する。

そして、「この教室だったら、うちの子でもやりたくなるんじゃないのか?」と思えるような教室を探す。

何を習うかが大事なのではなく、どんな教室・指導者を選ぶかが重要。
のびのび楽しめることを重視している教室を探す。

ポイント③について
習い始めた我が子を、親がどれだけ臨機応変な眼差しで見守れるか。
そして、習い事を通じて「楽しい」「できて嬉しい」という子どもの気持ちを、親と指導者がどれだけ大事にできるか。

半年くらいやってみて、あまり一生懸命やりそうになければ、固執せず「無理に続けなくて良いよ。どうする?」と聞いてみても良い。

◼︎スポーツの習い事

幼児期や児童期に特定のスポーツ教室に子どもを入れる必要は全くない。
特定のスポーツを習わせることは、子どもの運動能力の低下に繋がり、将来そのスポーツを嫌いになる可能性もある。

幼少期から小学校低学年までは、まんべんなく色んな遊びをしながら、身体の隅々まで筋肉を動かし、反射神経とバランス感覚を養うべき。

幼児期に身につけたい基本動作は36種類(本書の図を参照)あるが、特定のスポーツだけを習っていると、一定の動作の繰り返しになりがち。

もちろん、サッカーは習っていて、それ以外の日は徹底的に外遊びをしているなら話は別だが、実際にはそれは難しいというのが現実。
サッカー教室に入れておけばとりあえず安心という発想は間違い。

本当に我が子の運動能力を伸ばしたいなら、親が覚悟を決めて一緒に遊ぶことが重要。

理想を言えば、幼児期から小学校中学年までは1日2〜3時間は外でたっぷり遊ばせる。
それをしながら、小学校高学年くらいまでに、興味のあるスポーツをいくつか体験してみて、中学生の部活で1種類に絞る。
こうした段階的な体験が必要。

◼︎音楽の習い事

音を楽しむという観点なら3歳くらいからでも良い。
でもわざわざ教室に行かなくとも、CDを聴いたり、一緒に踊ったり歌ったりするだけでも十分楽しい。

習い始めるには指示が理解できる年齢、どんなに早くても5歳から。
それ以前に教えてもらっても、嫌いになったりおかしな癖がつく。
但し、プロを目指すなら遅くとも小1までには始めた方がよい。

習い始める時期以上に大切なことは、家庭環境。
親が音楽を聴いている家庭で育つ子は、好みの音や自分のメロディを持つ。
そして、習い始めた時に家庭での練習ができる環境を整えることが大切。

◼︎英語の習い事

中学生からでも英語力は身につく。
言語習得の臨界期は、実はまだハッキリしていない。

幼児期から英語を習ったとしても、バイリンガルになるためには、週1〜2回程度のレッスンでは足りない。

もし英語を身近に感じさせるためだけに月謝を払うくらいなら、本物の音楽や美術に触れさせるなど、他にも投資する先はある。

そして、我が子に確実に英語を身につけさせたいのなら、中高生の内に1年間留学させるのが良い。
ネイティブと普通に渡り合える英語力は身につく。

◼︎好きから遠ざけない

日本の親は、持っていないことをやらせる傾向が強いが、好きなことから遠ざけてはならない。

大人にとって意味のないこと、迷惑なことでも、熱中しているということは、何かの能力を獲得している。

それが何なのかは気付きにくくても、将来の成功につながる力が育つ。

5歳くらいまでは、たとて本来ダメなことでも、10回に1回は自由にやらせて見守っても良い。

◼︎結論

必ずしも習い事が必要とは限らない。
親が必要な教材を与え、図書館や博物館に連れ出し、何よりもその子を認めて応援することが、才能を伸ばす。

いいなと思ったら応援しよう!