一流であるということ
車の定期点検へ行ってきた。
もちろん、事前に予約はしてある。
車寄せに乗り入れると、インカムを付けた受付のひとがドアを開けた瞬間から最高の対応は始まる。「〇〇様、いらっしゃいませ。本日は点検でございますね」ナンバーで名前を確認、用件もきちんと伝わっている。
席に案内される。今日は一人なのにソファ席、ゆったり座って優雅な気分になれる。そこで、喫茶店のように飲み物のオーダーを聞いてくれる。(待ち時間が長かったので、後でお代わりまで勧めてくれた)
メカニックの担当者が点検項目を説明してくれて、その他気になることがないか確認がある。ドアノブのセンサーが時々反応が悪いこと、寒い朝に時々ハンドルを切るとカクカクと異音がすること、この前石が飛んできてルーフに当たったことなどを伝える。前日の予約確認の電話で洗車希望であることもきちんと伝わっていた。
待っている間は読書・・・のつもりで、幸田露伴の「渋沢栄一伝」を持参して読んでいたのだけれど、お隣のソファ席の話につい聞き入ってしまう。
40歳前後の夫婦と未就学児のファミリー、点検で来店のようだけど新しい車も検討中の様子。子供の希望でスライドドアの車を考えている、輸入車のほか、第一希望に国産の某車の名前を上がっていた。個人的にはなんでそれ?とかなり疑問、スライドドアの車にまるで興味がないからなんだけど。
その対応をしていた営業マンは、その車の良い点をいくつか挙げたうえで、安全性の観点からヨーロッパではスライドドアの車はほとんど普及していないことを伝え、もし可能であれば〇〇という動画を確認してみてくださいと話す。公的機関による事故を想定した実験になっていること、センターピラーをなくすことでスライドドアという利便性が生まれたが、強度がその分犠牲になること、実際に自分の顧客が事故に遭った話で具体的に注意喚起をする。小さな子供を持つ母親にはそれがとても響いたようで、比較検討していたSUVの実車をもう一度見に行っていた。
その話を聞いて感心したのは、誰も嫌な気持ちになることなく(欠点を指摘している訳ではないから)、自社製品の良いところを自然にアピールしていたところ。さすが一流の営業マンは慌てず騒がず、自信をもって(でも嫌味にならない程度に)さりげないアピールを上手にする。流石だわ。
私の営業担当さんもとても感じの良い方で、色々お話が弾んだ。長くなるので省略するけど背が高くダンディでひとの気をそらさない、とてもソフトな印象。以前ちょっと慌てて連絡をしたときも、お休みの日だったにも関わらず快く対応してくださった。お休みだということをうっかりしていた私に、それを強調することなく、返事が明日になることだけさらっと伝え、翌朝きちんと連絡をくれたのだった。それに感激して購入したところから、ここへディーラーを変えたのですよ。
点検は無事終了。オイルやフィルター交換、タイヤのローテーションなどをしていただき、ルーフに小さな傷がやはりついていたそうだけど、それもエナメルで補修していただいた。
洗車をしてもらって車はピカピカ。まだコーティングも効いているのでしばらくは丁寧な水洗いで大丈夫とのこと。頑張って手洗い洗車を続けよう。
車のところまで案内してもらいながら、ふと洗車のお支払いは・・・?と聞くと、お支払いは結構です!と。なんてサービスの良いところなのだろう。
車を検討するときに同行してくれた友達が、一人で行っても気持ちよくいられるディーラーさんであることも大切と話していた。まさにそれが当てはまるところだ。
一流のものを売るためには、外見も内面も磨かないといけない。ある意味、当たり前のことだけどそれを強く感じた1日でした。