山陰の旅・番外編~山陰が取りなす縁
10年前まで、山陰にはまったく縁がなかった。あまり興味もなかった。
なにせ、行ってみようにも直通の公共交通機関がない。行こうとするとものすごく遠回りで時間がかかる。ちょっと前までは高速も途切れ途切れ。
そんなところにわざわざ行かなくてよくない?
辛うじて行ったことがあるのは鳥取砂丘、倉吉、そして津和野くらい。距離にするとそんなに遠くない割には足が向かない。金沢なんてこれまで5回は行っているのに。
大体、山陰という名前がなんとなく辛気臭くない?(これは山陰の方々のせいではない…ごめんなさい)とにかく日本海側で良いイメージはカニくらい、そんな感じだった。
ところが、10年前から5年ほどの時間を山陰地方出身者達と共に仕事をすることになった。
山陰って来たことあります?と遠慮がちに尋ねる彼らに、鳥取砂丘と倉吉、津和野くらいと告げると、来たことあるんですね!と嬉しそうだった。
そして、彼らは機会があったら来てくださいと何度も言ってくれて、出雲大社にはそのうち行ってみたいと思っていると伝えていた。
病気をしたりコロナ禍があったりで、なかなか山陰は遠かった。その職場もとっくに去ってから何年も経った今回の旅。その彼らに大いにお世話になった。とても親身になって、惜しみなく情報提供してくれたことに感謝しかない。また違う季節にも是非!と言ってくれた。
そして、私の好きなOfficial髭男dismは山陰地方出身者のバンド。(1人は広島出身だけど、3人が島根大学、1人は松江高専を出ている)
今回の旅の途中、鳥取市内から皆生温泉へと向かう道すがら、【イオンモール日吉津】という看板を車の中から見かけた。なんか見覚えがある名前!と調べてみたら、ヒゲダンがインディーズ時代にライブをしていた場所だった。こんなところから始まったんだねぇ。。ジーン。
ちなみに、宿の近くの電柱には松江高専の宣伝が貼ってあり、ギタリストの大輔くんの母校だぁと感慨深かった。
この空気を味わってみて、この雰囲気で生まれ育った彼らの音楽が、多くの人を魅了するわけがわかったような気がする。
それは、都会育ちの殺伐とした土壌では生まれ得ない魅力であり、彼らが地元を大切にしていることにも通じているのだと思う。
イオンモール日吉津を見かける前に立ち寄ったのは、鳥取市内のあるnoterさんのお宅。お付き合いの始まりはいつ頃からだったか記憶が定かではないのだけれど、フォローし合い、時々コメントを寄せ合って交流を深め、いつか機会を見つけてお会いできたらいいなと思っていた。
それが、今回山陰への旅を企画するにあたり、皆生温泉へ行く途中に鳥取市に立ち寄れるかも?と思ってダメ元で伺ってみたらちょうど日程が合い、「珈琲を飲みにきてください」とお招きくださったのだ。
訪れてみると、お会いするのは初めてなのに話しても全然違和感がなくて、楽しいひとときを過ごすことができた。
彼女は、ここ数年で自身がやりたいと思っていたことを着々と実現させていて、素晴らしいコラボの企画があることなど楽しそうに話してくれた。
1時間半弱という短い時間ではあったけれど、会えてよかった。
山陰はいいところだなぁとしみじみ思う。このタイミングだから、良さがきちんと感じられたのかも知れない。
今回訪問を見送った足立美術館や境港、窯元巡りもしたいし、この前松本清張の番組で見かけた大田市のことももっと知りたくなった。
そう思っていたら、JR西日本の特急『やくも』の車輌が来春新しくなるらしい。これは乗ってみるしかない?
自分にお土産は特に考えていなかったけれど、島根はめのうが特産ということで専門店の小さな根付けをひとつ買った。
仕事用カバンのファスナーに付けて、毎日眺めている。レッドめのうは運気上昇と人間関係がよくなるそう。
またよいご縁がありますように。