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やむを得ないとは思うものの

日大フェニックス🏈の廃部が決まった。
昨朝、そのニュースを目にしたときは目を疑ったが、大麻問題で最初の逮捕者が出た頃からいつかその日が来る気はしていた。
これについて、個人的に思うところを記したい。(知人に元主将の方がいるのでとても胸が痛く、目に留まるところではとても触れられない)

5年前、悪質タックル問題が起こったとき、フェニックスOB方の対応は鈍かった。
それでもOB会では比較的若い世代である30〜40代前半あたりの人達は、一部パワハラとも言われるような部内の文化の改善も含め、真摯に再生を願っていたし、OBの結束を呼びかけていた。
ただ、それ以上の世代の反応はそれくらいは昔から当たり前、オヤジにはよく殴られたもんだ…というような武勇伝に置き換わり、あれくらいなんだ?と真摯に向き合おうとするひとは少なかったように思える。

かつて、この競技をこよなく愛していた私は、対戦相手としてのフェニックスの凄さも当時の篠竹監督の偉大さも目の当たりにしてきた。東の日大、西の関学は学生アメフトでは双璧であり、その一角を崩すのは並大抵のことではなかった。
その日大に勝った甲子園ボウルの試合後、明らかに対戦相手の応援をしていたとわかる私達が篠竹監督をお見かけして、少し緊張しながら会釈をした。
すると優しい笑顔で会釈を返して下さったことを思いだす。監督はとても素敵な方だった。

篠竹監督がいたら、あんなことは起こらなかっただろう。ただ、そのハードな部の体質を間違った形で継承してしまった人達によって、フェニックスはいつしか変質してしまったように思う。
あのタックル問題の後、外部の立命館OBから監督を選んで3年ほど再建が進んだ。この年、数年ぶりに甲子園ボウルにも出場。
ところがその後に監督を解任。またOBから新しい監督を迎えて体制を変えた。
それを知ったとき、結局は表向きを少し整えただけで根底の体質は何ひとつ変わらなかったのだと感じた。

その違和感を覚えていたところに、今回の大麻問題が起こった。
部の寮内で発覚したというところに、まずいことになりはしないかと感じたし、最初は部員の親からの相談だったというのに大学の対応が良くなかった。あそこでキッチリ対応していれば、このようなことにはならなかったと思う。
記者会見では元検事だという副学長の不遜な態度が反感を招き、林真理子理事長の対応の鈍さも際立った。

個人的には、到底一人二人が大麻を吸っているだけではあるまいと思っていたが、先日3人目の逮捕者が出たところで今回の決断。おそらく、他にもいるのだろう。

フェニックスは大学側もおいそれと手を突っ込めないアンタッチャブルな存在だと聞いていたので、少し前にもしかしたら廃部の可能性もあるかも…と友達に話したことがあった。
彼女は、それはないんじゃない?と少しビックリしていたが、悪い予感が当たってしまった。

個人的には、巷で言われているようなトカゲの尻尾切りというわけでもなく、もはや手に負えない状態、自分達で自浄できない事態になってしまったのだと思う。
最悪の結果になった。

廃部反対の署名が持ち上がっているように、無実の部員達は本当に可哀想だし、日大でアメフトがやりたくて全国から入ってきた学生達がたくさんいる。
彼らを他の大学に転入させるなどして、競技を続けられるようにしてあげられないかと切に願っている。

名門と言われる運動部が不祥事により、廃部ということはこれまでにもあった。
ただ、今回に関してはまさかそうはなるまいとフェニックスがたかを括っていたような気がする。
驕る平家は久しからず。
名門フェニックスが消えようとしていることに、ある意味で納得はしつつも淋しさを禁じ得ない。

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Chiara
日々のよしなしごと、好きな音楽のことなどを書いています。 楽しんでいただけたら、サポートしてくださると嬉しいです。